新しい図書館を考える


〜 長与町 図書館通信 連載記事 〜


<平成28年 6月号>
27年度図書館貸出実績の向上
 図書館の平成27年度貸出数が向上しました。26年度までは微減傾向が続いており、貸出総数は、前年比で3〜7%ずつ減少していました。児童書では10%台に及ぶ減少幅でしたが、27年度の貸出総数は前年度比で15%増加しており、内訳を見ると特に児童書が顕著で、22%も増加していました。
 その理由としては、これまで毎週土曜日に行っていた「おはなし会」に加え、新たに2歳児以下を対象とした「ぴよちゃん おはなし会」を、第1・3水曜日に実施するようにしたこと。8月から「ブックスタート事業」を開始したことなどが考えられます。
 前号でもご紹介したように、ブックスタート事業に関する事後アンケートでは、99%の方が満足しており、このうち8割近くの方が、家でも読みかたりをし、5割以上の方が絵本を買ったり図書館で本を借りたりするようになったと回答されています。確かに親子連れの来館者が増えており、これらのことが、貸出増加の一因となったと考えられます。
 子どもの望ましい成育のために、読書環境を整え、読書習慣を定着させることはとても重要なことです。親子で読書に親しむ「家族の10分間読書活動」にも、ぜひ多くのご家庭で取り組んでいただきたいと思います。

<平成28年 5月号>
幸せ運ぶブックスタート事業
 昨年8月から始まった「長与町ブックスタート事業」は、3月号でもお知らせしたように順調に進んでいます。
 年度末に実施した「満足度アンケート」によると、99%の方が「よかった」と回答しています。事業を知らなかった方は半数を超えていましたが、4.2%の方が「開始を待っていた」と回答し、93%の方が事業の継続を希望しています。また、54%の方がこれを機に家庭でも読みかたりをするようになり、22%の家庭では、お父さんや兄姉等もするようになったと言います。その後、73%が絵本に興味を示すようになり、58%の方が絵本を買ったり、図書館に行き、本を借りたりするようになったと回答しています。記述の欄には、
  「絵本に興味を示す赤ちゃんの様子がかわいくてたまらなかった」
  「子どもの表情が豊かになった」
  「わらべ歌の絵本で、読みきかせに抵抗のあった父親もすんなりできた」
  「子育ての一つにできてよかった」
 このような感想がたくさん見られました。
 まだ始まったばかりですが、高い満足度を獲得したこの事業によって、長与町内の子育て家庭では、我が子への愛情を深めながら、親子の温かく優しい時間が確保されるようになっています。スタッフ一同、今後一層の充実をめざして、努力と協議を続けています。

<平成28年 4月号>
図書館サービスの充実を図るために
 新しい図書館の建設が心待ちにされているところですが、多額な予算を必要とする建設事業は、簡単には取りかかれないようです。
 しかし、全ては新図書館が建設されてからということでなく、現時点でできることから検討を行い、準備や取組を始めていくことは、決して無駄なことではなく、むしろ新図書館が開館してからの図書館サービスを円滑に開始するために重要且つ必要なことです。
 そこで、長与町における図書館全域サービスの充実と実現を図るために、昨年12月から今年2月にかけて、合計3回の「図書館サービス・ネットワーク研修会」を実施しました。
 長与町図書館に関係のある様々な団体や施設・組織の方々に、全域サービスのあり方や、公民館ネットワーク・学校図書館ネットワークの構築に関して協議をしていただきました。
 助言者としてお招きした岡本真さんは、大村に建設予定の県立図書館にも関わられ、全国にある図書館を毎年数百館見て回っておられます。
 いい図書館を作ることで、子育てや教育の充実を図り、子ども達に豊かな経験や思い出を提供する。それが、若い世代に、こんな町で子育てをしたいという思いを抱かせ、将来のあるまちづくりにつながるということでした。

<平成28年 3月号>
学乳幼児と読書の思い出
 本年度から始まったブックスタートは、赤ちゃんの反応に驚く保護者の顔、思わずこぼれるスタッフの微笑みの中で順調に実施されています。写真はその一コマです。
 赤ちゃんには文字も言葉も分かりませんから、その反応も様々です。でも、絵本を開き、語りかける人の気持ちは十分伝わります。一番大事なことは、親子・家族でふれあう時間を、大切にしていくことです。
 子ども時代の読みかたりの思い出は、絵本の絵や色彩だけでなく、家族の声の温かい響きや、抱っこされていた優しさと温もりのあるスキンシップの思い出だったりします。
 そのような体験が、読めないながらも自分で絵本を開いてみたり、弟や妹への見よう見まねの読みかたりになったりしながら、言葉の力の習得とともに、やがて自分で本を選び、読み浸ることへとつながっていきます。
 子どもの頃の思い出がいっぱい詰まった絵本は特別な存在となり、自身が親になった時、再び子どものために手にするという話もよく聞きます。

<平成28年 2月号>
まちの情報発信・交流拠点
 地域の図書館には、生活に役立つまちの情報を収集し、住民に提供する役目があります。ある図書館では「まちの情報コーナー」を設置し、町内の店舗の広告チラシや飲食店のメニュー等を取り揃えたり、地域の地図を掲示し、来館者に様々な情報を記入してもらい情報交流を図ったりしています。
 近年はテレビやネットが主な情報源となる一方で、新聞発行部数は減少傾向にあり、情報化社会と言いながら、一部の方には地域情報の入手が困難になっていることが考えられます。身近な地域の生活情報を手に入れやすい環境を整備することは、案外大切なことなのかもしれません。また、最近、病院で導入されているネットによる外来予約の端末があると便利でしょう。
 このように一カ所で複数・多様な用が済ませられるのを、ワンストップ・サービスと言うそうですが、機能性が高まれば、当然そこには人が集まり、様々な情報も集まります。また、移動時間が短縮され、時間的な余裕も生まれます。そんな時間を、読書や交流の時間として活用できれば、新図書館は、まちの重要な情報発信・交流拠点として、まちの活性化に不可欠の施設となっていくのではないでしょうか。

<平成28年 1月号>
「図書館戦争」が描く自由
 近未来の架空の日本、メディア良化の名の下に思想検閲が行われるようになり、人々の読書の自由が奪われた時代を描いた映画『図書館戦争』の続編が、昨秋上映されました。有川浩氏の同名小説の映画化ですが、ベースになっているのは、日本図書館協会が1979年総会で決議した次の宣言です。
     「図書館の自由に関する宣言」
  1 図書館は資料収集の自由を有する。
  2 図書館は資料提供の自由を有する。
  3 図書館は利用者の秘密を守る。
  4 図書館はすべての検閲に反対する。
 戦前の軍国主義の時代では情報操作によって偏った政治が行われました。その反省に立って、1948年制定の「国立図書館法」の前文では「真理がわれらを自由にする」とうたわれ、民主主義の砦として、民衆にあらゆる資料・情報を提供しようとする図書館では、前に掲げた自由を宣言したのです。
 人権教育でも「知らないことから誤解が生まれ、誤解が偏見につながり、偏見が差別を生む。」とよく言われます。知ることの大切さ、知らないことを放置せず、納得するまで調べる姿勢や習慣の獲得が、子どもに自由で豊かな人生の実現を約束するということを、この作品は教えてくれています。

<平成27年 12月号>
「学校図書館支援の取組」
 公共図書館の重要な仕事として、地域の学校図書館の支援があります。
 学校図書館には、児童生徒の読書生活の充実だけでなく、学習活動や先生方の授業づくり・教材研究等に役立つ資料を収集し、紹介・提供することが求められます。
 これらを支援する公共図書館の具体的な取組としては、学級読書用の団体貸出、教科書で紹介されている図書の貸出、調べ学習や教材研究等のための資料リストの作成や貸出、様々なリクエストへの対応やレファレンス・サービスの充実等が挙げられます。また、児童生徒の見学や職場体験学習、先生方の研修等の受入も行われています。
 長与町では町立図書館司書と学校図書校務員との合同研修会を実施しています。夏休みには図書館ボランティアのあり方について研修を深め、12月には長与町の郷土学習資料に関する研修を行う予定です。長与町の新しい図書館サービスの実現と充実に向け、できることから取り組んでいるのです。
 今後も、新刊や推薦図書の紹介、行事案内等の情報提供に努めるなど、町立図書館と学校図書館との交流を深めていくことで、長与町の子ども達の読書環境が充実し、図書館活用が習慣化されていけばと願っています。

<11月号>
「図書予算が生み出す効果」
 新図書館が、町民の読書活動を充実させ、個々の学習ニーズに応えられるようになるためには、図書予算の確保が重要です。新しい図書館ができても、毎年の予算が確保できず、蔵書が古く貧弱なものになってしまえば、利用者は徐々に減少し、図書館活動が低迷してしまうのは、これまでの公共図書館の統計調査データからも明らかです。
 図書館に関する町民アンケートでは、図書館を利用していない人の中に、「本・新聞・雑誌が揃っていない」という回答が17.9%ありました。また、「必要な本・資料は自分で買う」という人が27.5%もいました。
 仮に夫婦・子ども2人の4人家族で月に1人が1.5冊の本を購読すると年間72冊、1冊2200円で計算すると15万8400円かかります。
 新しい図書館の蔵書を充実させ、図書館を利用して読書してもらったとして、平成24年の住民1人当たりの資料費の県平均230円で計算すると、4人分920円の資料費で約16万円分の本が読める計算です。学術書や専門書だと、費用対効果は更に大きなものになります。
 町民からのリクエストやレファレンスサービス等の実績を集積し、蔵書に生かしていけば、さらに使い勝手のいい図書館になっていくはずです。

<10月号>
「ティーンエイジャーの読書事情」
 友を選ばば 書を読んで   六分の侠気 四分の熱
 明治の詩人、与謝野鉄幹の詩の一節です。「本は心の友」と言われますが、友としてふさわしい人格もまた読書によって培われるということでしょう。
 ところが、平成25年度調査によると、県内小・中・高校生の不読者(月に一冊も本を読まなかった人)の割合は、小中高の順で、0・8%、2・2%、11・3%と増えており、全国では、5・2%、16・9%、45・0%と、さらに深刻な状況です。また、平成26年の大学生の生活に関する調査では、40・5%が読書にあてる時間がゼロ、平均読書時間は30分未満で、更に減少傾向にあるという驚くべき読書離れの実態が明らかになっています。
 このような状況の中で、全国の各種図書館では、ティーンエイジャーのために、専用コーナーや掲示板の設置、読書案内の工夫等を行っています。
 長与町図書館の統計では、中高生の利用登録者は全体の約8%ですが、利用は約2%にとどまっています。
 今月末から始まる読書週間で読書を呼びかけるとともに、学校とのネットワークで、利用しやすい環境を整えることも重要だと考えています。

<9月号>
「ブックスタート事業が始まる!」
 待望の「ブックスタート事業」が長与町でも実施されることになり、4月誕生のお子さんが受診する8月4日の3・4ヶ月健診から開始されました。
 「ブックスタート」はイギリスで始まった運動で、日本には二〇〇〇年「子ども読書年」の際に紹介され実施の輪が広がり、昨年末で全国の約52%に当たる900自治体で実施されています。「ブックスタート事業」は、乳幼児に絵本を贈り、親子で絵本を開き、楽しく温かい時間を共有するよう働きかけるもので、それを見守り支える環境や体制を整え、地域全体で子育てを支援することを目的とした事業です。
 NPOブックスタートによると、赤ちゃんには優しく温かな親子のふれあいを与え、親には子どもと豊かな関わりを持つための効果的なツールとして子育ての安心感をもたらし、自治体には、子育て支援関係機関が連携する有効な手立てとなり、それぞれの業務の充実にもつながるとされています。
 近年、社会状況の様々な変化の中で、家庭教育や子育てが非常に困難になっていると言われ、子育て家庭の孤立化や児童虐待が深刻化しています。「ブックスタート事業」はその有効な対策としても注目されています。

<8月号>
「生涯学習施設としての図書館」
 私たちは、生活の中で新しい事物に出会ったり、様々な事柄に興味や疑問を抱いたりすると、関連する本を読んだりネットで調べたりします。また就職や趣味・特技の向上を目指し、専門書を読んだり講座を受けたりします。
 現代は「知識基盤社会」と言われ、驚異的に発展する科学や電子機器への対応や専門的知識が求められ、労働に従事する期間が長期化するなど、学び直しの必要や欲求が高まっています。
 学生の間は、学校図書館も利用できますが、誰でも利用でき、どんな事柄や内容に関しても、より広く深く調べたり学んだりするには、公共図書館を利用するのが一番です。
 生涯を通じた学習活動に応じることは、公共図書館の重要な役割です。また、子ども達の大切な生育環境としても、図書館は重要な存在です。乳幼児期から親子で図書館を訪れ、読書に親しみ、さまざまな人とふれあう中で、自然とコミュニケーション能力や自ら学ぶ力や姿勢を身につけるのです。
 さらに新しい時代の図書館は、生涯を通じて培った学習成果や特技を生かすボランティア活動の機会や交流の場を提供するなど、生涯学習を展開させる上で重要な施設なのです。

<7月号>
「平戸市の新しい図書館が完成!」
 平戸市に建設が進められていた新平戸図書館・北部公民館複合施設がこのほど完成し、8月1日の開館に向け、現在準備作業が進められています。
 新図書館は、平戸城の北東すぐ下の、海に面した土地に、平戸の歴史的景観にも配慮しながら建設されました。
 建設設計者は平成24年末にプロポーザル方式で選定され、以来3年にわたって建設が進められてきました。東日本大震災の影響による資材価格の高騰等もあり、若干の設計変更を経て完成、愛称も広く市民に募集されました。
 全面に窓が配置された館内は明るく、閲覧室の前には島々の点在する平戸瀬戸が開け、平戸大橋も遠望できます。
 床面積は約2840u、蔵書は約11万冊。人口約3万2千人の平戸市まちづくりの重要拠点として、「明日を担う人材の育成と個性豊かな地域文化の振興」を実現するため、人と本、人と人を結び、将来にわたって市民に親しまれ活用されるようサービスの提供に努めるとしています。お近くにお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

<6月号>
「災害に備える公共施設の役割」
 近年、世界各地で地震や異常気象による大水害が発生しています。東日本大震災では、未曾有の地震による津波で、多くの人命と建物・財産等が奪われました。以来、近い将来発生が予想される大地震と津波等への備えが各地で検討されています。長崎大水害では、長与町は前代未聞の降水量で、三方を丘陵地に囲まれ、長与川に沿って広がる町は、多大な被害をこうむりました。
 このような状況の中で、公共施設には災害への備えとともに、一定期間の避難生活に耐えられるような機能が求められていますが、公共施設にはそもそもそんな機能は備わっていません。
 「新図書館基本構想」ではその点を考慮し、夜間の照明や暖房設備、トイレ使用等が可能になるよう、太陽光や雨水利用の設備等の整備が挙げられており、また、救急医療や飲料水・食料の確保のため、近隣の医療機関や商業施設と連携することも考えられています。建設予定地の榎の鼻造成地は、小高い所にありますが、新しく広い道路に面しており、広々とした駐車場は、臨機応変の多様な利用が期待されます。交通アクセスが十分整備されれば、水害が懸念される長与町にとって、心強い避難場所になることでしょう。

<5月号>
「図書館から協働のまちづくり!」
 今年度から長与町図書館では、町内の事業主の皆様にご協力を呼びかけ、「雑誌スポンサー制度」を実施することに致しました。

 これは、現在図書館で閲覧に供している定期購読雑誌のカバーに、事業主様の広告を掲載する代わりに、年間購読料を提供していただき、それで図書館サービスの向上を図ろうというものです。昨年12月町議会でも議員さんから提案されましたが、既に幾つもの図書館で導入されています。

 雑誌は、図書館資料の中で最も閲覧頻度が高く、その分広告効果が高くなりますし、住民の皆様にも企業の地域貢献として好感を持って受け止められているようです。

 図書館に関する町民アンケートで、資料の充実に関しては、趣味や娯楽に関するものが47.6%と最も多く求められていたことからも、この制度が軌道に乗れば、サービスや資料のさらなる充実が望めると考えています。

 このほかにも全国の図書館では、地域の企業や住民の皆様のご協力で、貸出用バッグの提供や寄贈文庫の設置、周辺の清掃や植栽の剪定等がなされています。みんなの力でまちの図書館の充実を図ることから、「教育と子育てのまち長与」の発展に寄与する協働のまちづくり≠ェ推進できるのです。


<4月号>
「図書館はみんなの施設」
 こんなことができる公共施設って、どこだと思いますか?

   1.乳幼児から高齢者まで、自由に利用できる施設は?

   2.目的を持たずに訪れても、そこで目的を発見できる施設は?

   3.わずかな時間でも終日でも、時間にしばられず気軽に利用できる施設は?

   4.いつ訪れても、待たされず自由に利用できる施設は?

   5.障がいのある人も、その状況に合わせて利用できる施設は?

   6.現存する資料や情報なら、必ず探して提供してもらえる施設は?

   7.求める資料や情報があいまいでも、相談しながら探してもらえる施設は?

   8.しかも、これらのことが全て無料でできる施設は?

 それは図書館です。公共図書館は、いつでも・誰でも・自由に利用できるみんなの施設なのです。

 「長与町図書館基本構想」では、さらにどこからでも利用できるよう、公共交通機関の運用やアクセスの充実、駐車場の確保も考えられています。

 図書館サービスを町の隅々にまで行き渡らせる町内全域サービスの実現≠フためには、公民館図書室や学校図書館等との連携、移動図書館「ほほえみ号」の一層の活用を図るほか、ボランティアの協力も求められます。


<3月号>
「多文化サービスとは」
 長与町には、平成二六年末現在一二五名の外国人の方々が住民登録されており、年々微増傾向にあります。出身国は中国、韓国、フィリピン、バングラデシュ等、アジア諸国からが多いですが、南・北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア等からも三〇名弱おられ、世界中に及んでいます。また、町内にある県立大学シーボルト校にも三〇名ほどの留学生が在籍しています。

 多文化サービスとは、世界の国々や文化圏の資料・情報の収集・提供に努め、館内の表示や利用案内等を複数言語で行うことです。

 「多文化共生のまちづくり」は町の具体的施策にも掲げられており、長与に在住・通勤・通学する外国人の皆さんに、安心して生活・学習してもらえるよう、資料・情報の提供だけでなく、生活支援を図ることは、長与町立図書館の重要な使命の一つでもあります。

 一六世紀から大村・長崎は世界に開かれた窓≠ニしての歴史を持っています。長与町は平成九年に米コネチカット州ウェザースフィールドと姉妹都市の協定を結び、現在「広報ながよ」に訪問記が連載されています。その由縁や歴史を整理することは、子ども達の国際化教育に資するだけでなく、長与の新しい歴史を刻み、郷土の誇りを育む営みにもつながるものです。


<2月号>
「ボランティア活動のすすめ」
 新しい時代の図書館にさまざまなサービスの充実が求められる一方で、多くの公共図書館が、限られた職員数や予算などで十分に対応できないジレンマを抱えているのが現状です。

 そのような中、ボランティア活動の導入・連携で優れた実績を上げている図書館があります。例えば、伊万里市民図書館の「図書館フレンズいまり」は図書館を守り育てるパートナーとして二〇年近くの活動実績を持ち、全国的にも有名です。

 また、長野県の上田情報ライブラリーでは、図書館の運営基本計画に「ボランティアとの連携・協働運営」が盛り込まれており、それに応じてNPO法人「上田図書館倶楽部」が設立され、年会費三千円で、約七〇名の会員が継続性のある活動を展開しています。

 例えば、館内に並ぶパソコンやデータベース端末を活用し、利用者の課題に応じるため、専門性を備えた会員が自作のテキストを用いて講座を開設したり、困っている来館者をサポートしたりしています。

 ほかにも、障がい者や外国人への代読・音読・録音サービスや、子ども連れ利用者のための託児サービス、植栽の管理等々、図書館と住民ボランティアとの協働で運営し発展する図書館の姿が、今日本のあちこちで見られるようになってきています。


<平成27年 1月号>
「さまざまな情報サービス」
 これまでもさまざまな図書館サービスについてご紹介してきましたが、平成二四年末に全面改正された「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」では、多種多様な情報サービスの充実があげられています。

 図書館の最も基本となる貸出サービスでは、資料検索や予約システムの充実、テーマ別の資料案内、外国人のための多言語による利用案内や外国語資料の充実などがあります。

 図書館が提供する情報・資料としては、一般書籍のほか、高齢者や障がい者のための大活字本、視聴覚機器と連動したデジタル図書(デイジー図書)。また、視聴覚資料やネット・商用データベース利用のための端末の設置。手話・筆談、音読・録音サービスなど、さまざまなものがあります。そのほか、利用者が求める資料や情報を探し出すお手伝いをするレファレンスサービスの充実、外部情報にアクセスできる環境を整え、情報源となる外部機関などを紹介するレフェラルサービスの実施に努めることも挙げられています。

 全ての公共図書館ではこれらのサービスを一つでも多く実現させたいと検討・工夫しているのですが、職員数や予算等の関係から限界があります。それを補う有効な手立てとしてボランティア活動の促進も挙げられています。


<平成26年 12月号>
「新図書館基本構想策定委員会」
 広報ながよ一一月号でお知らせしたように、一〇月一六日に、一二名の委員からなる新たな委員会が発足しました。一一月四日には第二回委員会が開催され、早速「長与町図書館基本構想」の協議が開始されました。

 「基本構想」は、本年七月に教育長に答申された「図書館整備基本計画書」の内容や町民アンケートの結果等をふまえながら、長与町の現状やまちづくりにかかる施策、町の財政状況や建設財源等を考え合わせ、現実的な視点から新図書館建設に関する構想を明らかにするものです。来年三月の町長への答申に向け、二月頃までを目安に検討を進めていくことになっています。

 第二回委員会では、主に基本構想の位置づけ、これまでの経緯、図書館の現状と問題点等に関する協議がなされ、特に、町民の様々な意見や要望を反映させることや、これからの長与町にふさわしく、必要な図書館とはどのようなものかが話題になりました。

 長与町の文化と教育の中核施設として、町民に広く親しまれるとともに、町の活性化につながる図書館をという吉田町長の熱い思いを受け、いずれの委員も終始熱心に意見交換を行っていました。いずれ町民の皆さんにもご意見を伺う場面があるかと思います。このコーナーでも折に触れ、協議の状況をお知らせしていきたいと思います。


<11月号>
「働く人を支援する図書館」
 近年、公共図書館には、書籍や資料の収集・提供だけでなく、住民の生活上の興味・関心や疑問、地域課題の解決に必要な情報の提供、さらには地域の産業を支援することなどが求められています。

 北海道おけ置と戸町図書館は、ビジネス支援の原型となる図書館だと言われます。地場産業の林業に着目し、社会教育で研究集会が開催されるのに合わせて、公民館では「木に親しむ日」を設定し、手作りおもちゃ製作活動を実施。図書館では関連資料の収集、「木と暮らし」コーナーや木製遊具の設置などに努め、町の木工芸特産品「オケクラフト」が誕生したのです。

 長与町の基幹産業と言えば、みかんを中心とする果樹栽培。図書館には、専門書や機関誌等をそろえるだけでなく、県内外、あるいは世界の産地や事業所、各種研究機関とリンクできる環境の整備、役場担当課と連携したコーナーの設置や企画などが考えられます。

 新図書館が長与町の産業の発展や町の活性化に寄与できるようになるためには、職員の専門性を高める研修が必要ですが、町民の皆さんからの問合せやリクエストも重要です。利用者の注文や声に応えようと努力することで地域の図書館として育っていくからです。


<10月号>
「子どものための読書環境づくり」
 今月二七日から一一月九日までは読書週間。この行事は昭和二二年に始まり、翌年の第二回からは「文化の日」を中心とする二週間と定められました。今や日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」と言われているそうです。現在はさらに初日の二七日が「文字・活字文化の日」に制定されています。

 図書館と言えば、まさに文字・活字文化の宝庫、読書の総本山。子どもたちの読書環境、学習環境として不可欠なものです。

 世界的な学力調査で一躍脚光を浴びたフィンランドや進んだ社会福祉の中で民衆図書館として百年の歴史を持つスウェーデンでは、公共図書館は子どもたちの生活に密着したものになっています。

 日本でも、第三次「子ども読書活動推進基本計画」(平成二五〜二九年)に基づき、公共図書館の整備・充実、学校図書館との連携強化、親子読書の推進、ブックスタート等の取組が全国的に展開されています。

 「基本計画書」では、子どもだけでなく誰もが、町のどこからでも新しい図書館を学習や生活に活用できるよう、学校や町立公民館等とのネットワーク網を整備することの重要性を強調しています。