○長与町文化財保護条例

昭和48年6月27日

条例第25号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号)第58条の2の規定に基づき、長与町の区域内に存する文化財のうち重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、次の各号に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書籍、典籍、古文書その他の有形の文化財的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの及び考古資料

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化財的所産で歴史上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗習慣及びこれに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で住民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの

(4) 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第3条 教育委員会は、この条例の執行に当たっては関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(指定)

第4条 教育委員会は、本町の区域内に存する文化財のうち重要なものを長与町指定文化財(以下「指定文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をする場合においては、あらかじめその指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。

3 教育委員会は、前項の規定による指定をする場合においては、その指定しようとする文化財が無形文化財であるときは、当該指定文化財の保持者を認定しなければならない。

4 教育委員会は、第1項の規定による指定又は前項の規定による認定をするときは、あらかじめ長与町文化財保護委員会の意見を聞くものとする。

5 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定は、その旨告示するとともに、当該文化財の所有者及び権原に基づく占有並びに当該文化財の保持者として認定しようとするものに通知して行う。

6 第1項の規定による指定及び第3項の規定による認定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

7 教育委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該文化財の所有者には指定書を、当該文化財の保持者には認定書を交付しなければならない。

8 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該指定文化財の保持者として認定するに足りる者があると認めるときは、その者を保持者として追加認定することができる。

9 第4項から第6項までの規定は、前項の規定による追加認定について準用する。

(解除)

第5条 教育委員会は、指定文化財が指定文化財としての価値を失った場合、その他特別の理由があるときは指定文化財の指定を解除することができる。

2 教育委員会は、指定文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合その他特別の理由があるときは、当該保持者の認定を解除することができる。

3 前条第4項から第6項までの規定は、第1項の規定による指定の解除又は前項の規定による認定の解除について準用する。

4 指定文化財について、文化財保護法(昭和25年法律第214号)又は長崎県文化財保護条例(昭和36年長崎県条例第16号)の規定による指定があったときは、当該文化財の指定は解除されたものとする。

5 前条第5項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。

6 指定文化財の保持者が死亡したときは保持者の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したときは指定文化財の指定は解除されたものとする。この場合においては、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

7 指定文化財の所有者又は保持者は、第3項及び第5項において準用する前条第5項の規定による解除の通知を受けたときは、すみやかに指定文化財の指定書又は指定文化財の保持者の認定書を教育委員会に返付しなければならない。

(管理)

第6条 指定文化財の所有者は、教育委員会の指示に従い、当該指定文化財の管理をしなければならない。

2 指定文化財の所有者は、特別の理由があるときは、もっぱら自己に代り当該指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 指定文化財の所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、すみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任し、又は変更した場合も同様とする。

4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。

(届出事項)

第7条 指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、すみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 指定文化財の所有者又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、すみやかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

3 指定文化財の所有者(管理責任者がある場合は、その者)は、当該指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき、及び当該指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(補助)

第8条 町長は、指定文化財の保存又は活用のため多額の経費を要し所有者又は保持者がその負担に堪えない場合、その他特別の理由があるときは、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者又は当該保持者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 町は、前項の補助金を交付する場合においては、補助の条件を付するものとする。

3 町は、第1項の規定による補助金の交付を受けた者が前項の規定による補助の条件に従わなかったときは、その者に対し、当該補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。

(現状変更の制限)

第9条 指定文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合においては、条件を付し、又は必要な指示を与えることができる。

3 教育委員会は、第1項の許可を受けた者が前項の規定による許可の条件に従わなかったときは、許可に係る現状の変更の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

(公開)

第10条 教育委員会は、指定文化財の所有者に対し教委委員会の行う公開の用に供するため、当該指定文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、指定文化財の保持者に対し、当該指定文化財の公開を勧告することができる。

(環境保全)

第11条 教育委員会は、指定文化財の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを指示することができる。

(調査)

第12条 教育委員会は必要があると認められる時は、指定文化財の所有者又は管理責任者に対し、当該指定文化財の現状又は管理若しくは修理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(権利義務の承継)

第13条 指定文化財の所有者を変更したときは、新所有者は当該指定文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 旧所有者は前項の場合においては、当該指定文化財の引渡しと同時に、その指定書を新所有者に引渡さなければならない。

(委任)

第14条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会規則で定める。

この条例は、昭和48年7月1日から施行する。

(平成12年3月22日条例第4号)

この条例は、平成12年4月1日から施行する。

長与町文化財保護条例

昭和48年6月27日 条例第25号

(平成12年3月22日施行)