○長与町土木工事標準仕様書

昭和60年7月1日

告示第31号

目次

第1編 一般共通事項

第1章 総則

第1節 総則

第2章 材料

第1節 通則

第2節 

第3節 石材及び骨材

第4節 木材

第5節 鉄及び鋼材

第6節 セメント及び混和材料

第7節 セメントコンクリート製品

第8節 歴青材料

第9節 芝及びそだ

第10節 目地材料

第11節 塗料

第12節 道路標識及び区画線

第13節 その他

第3章 一般施工

第1節 床掘り及び埋もどし

第2節 基礎工

第3節 管きょ工

第4節 石積み(張り)工及びコンクリートブロック積(張り)工

第5節 コンクリート擁壁工

第6節 鉄線篭工

第7節 捨て石工

第8節 セメント類吹付工

第9節 芝付工

第10節 種子吹付工、播種工、人工芝工、植生穴工

第11節 コンクリートブロック製作及び据付け

第12節 柵工

第13節 水替及び瀬替等

第14節 その他

第4章 無筋・鉄筋コンクリート

第1節 通則

第2節 配合

第3節 計量及び練りまぜ

第4節 レデーミクストコンクリート

第5節 運搬及び打込み

第6節 養生

第7節 継目及び表面仕上げ

第8節 型わく工及び支保工

第9節 鉄筋工

第10節 暑中コンクリート

第11節 寒中コンクリート

第12節 特殊コンクリート

第5章 土工

第1節 通則

第2節 道路土工

第3節 河川土工

第6章 地盤改良

第1節 置換え

第2節 サンドドレーン及びサンドコンパクション

第3節 ペーパードレーン

第4節 載荷

第5節 深層混合処理

第6節 その他

第7章 塗装

第1節 通則

第2節 鋼橋塗装

第3節 水門及び鋼矢板の塗装

第4節 コンクリート面(トンネル内壁、擁壁等)の塗装

第5節 その他の鋼材の塗装

第6節 防食塗装

第8章 ケーソン

第1節 ケーソン製作

第2節 進水

第3節 仮置

第4節 ケーソンえい航及び回航

第5節 ケーソン据付け及び中詰工

第9章 溶接及び切断

第1節 鋼溶接橋の溶接

第2節 その他一般の溶接

第3節 水中溶接

第4節 切断

第5節 水中切断

第10章 植栽工

第1節 通則

第2節 形状寸法

第3節 芝等

第4節 支柱及びその他の材料

第5節 樹木植付工

第6節 芝等の植付工

第7節 移植工

第8節 その他

第2編 道路・橋梁

第11章 トンネル

第1節 通則

第2節 掘削

第3節 支保工

第4節 覆工

第5節 覆工背面への注入

第6節 その他

第12章 路盤工

第1節 通則

第2節 砕石及び切込砕石(砂利及び切込砂利)路盤工

第3節 セメント安定処理路盤

第4節 加熱アスファルト安定処理工

第13章 アスファルトコンクリート舗装(基層、表層工)

第1節 通則

第2節 材料の貯蔵

第3節 配合

第4節 混合所

第5節 混合及び運搬

第6節 舗装

第7節 レデーミクストアスファルトコンクリート

第14章 セメントコンクリート舗装

第1節 通則

第2節 舗設

第3節 表面仕上げ

第4節 目地の施工

第5節 養生

第15章 道路付属構造物

第1節 通則

第2節 道路標識

第3節 区画線

第4節 防護柵

第5節 視線誘導標

第6節 道路照明

第7節 落石防止網

第8節 落石防止柵

第16章 道路維持

第1節 通則

第2節 セメントコンクリート舗装補修

第3節 アスファルト舗装補修

第4節 構造物

第5節 交通安全施設

第6節 路肩及び法面

第7節 清掃散水

第8節 街路樹

第9節 災害応急処理

第17章 橋梁下部工

第1節 通則

第2節 基礎工

第3節 躯体工

第18章 鉄筋コンクリート橋

第1節 通則

第2節 施工

第3節 特殊コンクリート橋

第19章 PC橋

第1節 通則

第2節 けた製作

第3節 プレストレッシング

第4節 運搬及び架設

第5節 横締め

第6節 グラウト

第7節 ネームプレート

第20章 鋼橋

第1節 通則

第2節 工場製作

第3節 仮組立

第4節 輸送

第5節 架設

第6節 その他

第21章 合成けた橋

第1節 通則

第2節 架設

第3節 鋼けた及びずれ止め

第3編 河川・砂防ダム・地すべり防止・ダム急傾斜地崩壊対策・海岸

第22章 護岸、水制工

第1節 護岸工

第2節 水制

第23章 水門、ひ門及びひ管

第1節 通則

第2節 施工

第24章 砂防ダム

第1節 通則

第2節 土工

第3節 型わく及び支保工

第4節 コンクリート

第25章 地すべり防止工

第1節 通則

第2節 ボーリング排水工

第3節 地表排水工

第4節 地下排水工

第5節 排土工

第6節 集水井工

第7節 くい工

第26章 ダム

第1節 通則

第27章 急傾斜地崩壊対策工

第1節 一般

第2節 土工

第3節 排水路工

第4節 法面保護工

第28章 海岸

第1節 通則

第2節 盛土

第3節 基礎工

第4節 被覆工

第5節 小口留工及び隔壁工

第6節 根固め、消波(コンクリートブロック)工

第4編 下水道

第29章 下水道

第1節 通則

第2節 土工

第3節 管渠布設工並びに築造工

第5編 港湾

第30章 浚渫及び床掘

第1節 浚渫

第2節 床掘

第31章 捨石及び均し

第1節 基礎

第2節 被覆及び根固め

第3節 裏込め

第32章 杭及び矢板

第1節 鋼杭

第2節 コンクリート杭

第3節 木杭

第4節 鋼矢板

第5節 コンクリート矢板

第33章 コンクリート

第1節 プレパックドコンクリート

第34章 上部コンクリート

第1節 上部コンクリート

第35章 エプロン舗装の目地工

第1節 通則

第2節 目地施工

第36章 付属工

第1節 係船柱

第2節 防舷材

第3節 車止め

第37章 埋立

第1節 埋立

第2節 裏埋

第1編 一般共通事項

第1章 総則

第1節 総則

第1条 適用範囲

1 この仕様書は、長与町の施行する土木工事の施行に適用する。

2 この仕様書に記載されていない事項、又は特殊な工事については、別に定める仕様書(以下「特記仕様書」という。)によるものとする。

3 設計図書及び特記仕様書に記載された事項は、この仕様書に優先するものとする。

第2条 用語の定義

1 監督員、指示、協議、承諾、設計図書とは、次の定義による。

(1) 監督員とは、監督員、主任監督員を総称していう。

(2) 指示とは、監督員が請負者に対し監督員の所掌事務に関する方針、基準計画等を示し実施させることをいう。

(3) 協議とは、監督員と請負者が、対等の立場で合議することをいう。

(4) 承諾とは、請負者が監督員に報告し、監督員が了解することをいう。

第3条 施工計画書

1 請負者は、工事の請負契約に基づいて提出した工程表について、監督員が指示した場合は、更に細部の実施工程表を作成し、監督員に提出しなければならない。

2 請負者は、監督員が指示した場合は、工事の施工に必要な工事現場の組織、主要材料及び機械の搬入計画及び使用計画、仮設備、施工管理の方法等について、施工計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。施工計画書を変更した場合も、同様とする。

3 請負者は、その責任により、工事の施工に必要な仮設物等を設置しようとする場合において、監督員が指示したときは、当該仮設物等について、応力計算等を行い、安全を確認した後、設計図、計算書等を監督員に提出しなければならない。

4 請負者は、受注時、変更時、完成時の各時点において工事請負代金額が500万円以上の工事について、受注時は契約後10日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から10日以内に、完了時は完成後10日以内に工事実績情報サービス(CORINS)に基づき、工事実績情報として登録を行わなければならない。登録後は、遅滞なく「工事カルテ受領書」の写しを監督職員に提出しなければならない。なお、請負者が公益法人の場合はこの限りではない。

第4条 施工体制台帳・施工体系図

1 請負者は、工事を施工するために締結した下請契約の請負代金額(当該下請契約が二以上ある時は、それらの請負代金の総額)が3,000万円以上(建設工事が建築工事一式工事である場合においては、4,500万円以上)になる時は、別に定める国土交通省令に従って所定の様式に記載した施行体制台帳を作成し、工事現場に備えるとともに、その写しを監督職員に提出しなければならない。なお、下請契約に係る契約書には、請負代金の額が記載されたものに個別工事下請契約約款又は工事下請基本契約書を添付したものでなければならない。

2 請負者は、第1項に示す国土交通省令の定めに従って、所定の様式に各下請負者の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、工事現場の工事関係者が見やすい場所及び公衆が見やすい場所に掲げなければならない。また、請負者は、施工体系図の写しを監督職員に提出しなければならない。

3 請負者は、発注者から、工事の施工の技術上の監理をつかさどる者(監理技術者又は主任技術者)の設置の状況その他の工事現場の施工体制が施工体制台帳の記載に合致しているかどうかの点検を求められたときは、これを受けることを拒んではならない。

第5条 支給材料及び貸与品

1 支給材料及び貸与品は、監督員、請負者両者立会いのもとに引渡し及び返還するものとする。

2 請負者は、支給材料及び貸与品について、その受払状況を記録した帳簿を備えつけ、常にその残高を明らかにしておかなければならない。

3 請負者は、工事完成時には支給材料精算書を監督員に提出しなければならない。

第6条 規格値

1 品質及び出来形は、本仕様書で定めるほかは別に定める規格値(日本工業規格、長与町土木工事施工管理基準)に適合するものとする。

第7条 工事現場発生品

1 工事施工によって生じた現場発生品は、監督員の指示に従い整理、管理のうえ、現場発生品調書を作成し、監督員の指定する場所で引き渡さなければならない。

第8条 施工検査

1 特記仕様書又はあらかじめ監督員から指示された個所、主要な工事段階の区切り等では、監督員の検査を受けなければならない。

第9条 工事検査

1 請負者は、工事の出来高部分検査、完成検査及び中間検査にあっては、請負者又は現場代理人が立会いのうえ検査を受けなければならない。

2 請負者は、検査のため必要な資料の提出、測量、その他の措置について検査員の指示に従わなければならない。

第10条 工事現場管理

1 請負者は、労働安全衛生法を順守し、土木工事安全施工技術指針(建設省大臣官房技術参事官通達、昭和50年6月)を参考にして、常に工事の安全に留意して現場管理を行い、災害の防止に努めなければならない。

2 請負者は、騒音規制法(昭和43年法律第98号)、振動規制法(昭和51年法律第64号)を順守し、建設工事に伴う騒音振動対策技術指針(建設省大臣官房技術参事官通達、昭和52年1月)を参考にして、工事に伴う騒音、振動の発生をできる限り防止し、周辺の生活環境の保全に努めなければならない。

3 請負者は、市街地における工事については、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱(建設省事務次官通達、昭和46年11月)に準拠して災害の防止に努めなければならない。

4 請負者は、工事現場が隣接し、又は同一場所において、別途工事がある場合は、常に相互協調して紛争を起こさないように処置しなければならない。

5 請負者は、工事施工中、監督員及び管理者の許可なくして流水及び水陸交通の支障となるような行為、又は公衆に迷惑を及ぼすなどの施工方法をしてはならない。

6 請負者は、工事個所及びその周辺にある地上地下の既設構造物に対して支障を及ぼさないよう必要措置を施さなければならない。

7 請負者は、豪雨、出水、その他天災に対しては、平素から気象予報などについて十分な注意を払い、常にこれに対処できる準備をしておかなければならない。

8 請負者は、火薬、ガソリン、電気等の危険物を使用する場合には、その保管及び取扱いについて関係法令の定めるところに従い、万全の方策を講じなければならない。

9 請負者は、火薬類を使用して、工事を施工する場合に、あらかじめ監督員に使用計画を提出しなければならない。

10 請負者は、工事現場に工事関係者以外の立ち入りを禁止する。その場合は、仮柵、ロープ等により囲うとともに立入禁止の標示をしなければならない。

11 請負者は、工事現場の一般通行人の見やすい場所に工事名、期間、事業主体名、工事請負者名、電話番号及び現場責任者氏名を記入して定められた標示板を設置しなければならない。また、道路に係る工事の施工にあたっては交通の安全について監視員、道路管理者及び所轄警察署と協議するとともに、道路標識令、道路工事現場における標示施設等の設置基準(建設省道路局長通知、昭和37年8月30日)及び道路等工事現場の保安施設設置基準案(別添)に基づき、安全交通について必要な万全の処置を講じなければならない。

12 請負者は、工事の実施に影響を及ぼす事故、人命に損傷を生じた事故又は第三者に損害を与えた事故が発生したときは、遅滞なく、その状況を監督員に報告しなければならない。

第11条 交通安全管理

1 請負者は、工事用運搬路として道路を使用するときは、積載物の落下等により、路面を損傷し、あるいは汚損することのないよう努めるとともに、特に第三者に損害を与えないよう注意しなければならない。

2 請負者は、ダンプトラック等大型貨物自動車による大量の土砂、工事用資材及び機械などの輸送を伴う工事については、関係機関と協議のうえ、交通安全に関する担当者、輸送経路、輸送期間、輸送方法、輸送担当業者、交通誘導員の配置、標識、安全施設等の設置場所、その他安全輸送上必要な事項について計画をたて監督員に提出しなければならない。

3 緊急を要する場合においては、請負者の判断で適切な措置を講じ、すみやかに報告するものとする。また、公衆に迷惑を及ぼすような施工方法を講じてはならない。

第12条 諸法規の順守

1 請負者は、工事施工にあたり労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)等諸法令及び工事に関する諸法規を順守し、工事の円滑なる進捗を図るとともに、諸法令及び法規の運営適用は、請負者の責任において行われなければならない。

第13条 官公庁等への手続

1 工事施工のため必要な関係官公庁その他に対する諸手続は、原則として請負者において迅速に処理しなければならない。

2 関係官公庁その他に対して交渉を要するとき、又は交渉を受けたときは、遅滞なくその旨を監督員に申し出て協議するものとする。

第14条 休日又は夜間における作業

1 工事実施の都合上休日又は夜間に作業を必要とする場合は、あらかじめ監督員に届け出て行うものとする。

第15条 工事測量

1 請負者は、工事契約後すみやかに必要な測量を実施し、仮BMの設置及び用地境界、中心線、縦断、横断等を確認しなければならない。なお、仮BMを設置するための基準点は監督員の指示を受けるものとする。

2 測量の結果、図面と現地に差違が生じた場合は、監督員の指示を受けなければならない。

3 測量標は、位置及び高さに変動のないように適切な保護をしなければならない。

4 用地幅杭、仮BM及び重要な工事用測量標は原則として移設してはならない。ただし、これを存置することが困難な場合は、監督員の承諾を得て移設することができる。

5 工事に必要な丁張、その他工事施工の基準となる仮設標識は、請負者が設置し、監督員が指示したものは、検査を受けなければならない。

第16条 提出書類

1 請負者は、別に示す様式により指定期日までに関係の書類を提出しなければならない。

第17条 用地の使用等

1 請負者は、工事の施工のために土地等を使用する必要がある場合は、あらかじめ当該土地等の管理者の許可を受けなければならない。

2 請負者は、土地等を使用する場合の借上補償等をその負担と責任において行わなければならない。

第18条 地域住民との協力

1 請負者は、工事施工の現場に関係ある地域住民に対して親切を旨とし、十分に協調を保ち、工事の円滑な進ちょくを期さなければならない。

第19条 標柱の設置等

1 工事完了に際しては、工事の起点及び終点又は指示する位置に所定の標柱、標板等を設けなければならない。

2 主要な工事又は、重要な構造物については、測点番号、基礎からの高さ又は法長その他必要な主要寸法をペイント等を用いて標示するものとする。

第20条 跡片付け

1 工事中踏み荒らした付近地は、請負者の責任により処理しなければならない。

2 跡埋め、跡片付け及び清掃等を工事完成日までに完了しなければならない。

第2章 材料

第1節 通則

第21条 適用

1 工事に使用する材料は、設計図書又は特記仕様書に品質規格を特に明示した場合を除き、この仕様書によらなければならない。

2 この仕様書に規定されていない材料については、JIS又はこれに準ずる品質規格に適合するもので、監督員の承諾を得たものでなければならない。

第22条 材料の見本又は資料の提出

1 特記仕様書及び監督員の指示する工事材料については、使用前に見本又は資料を提出して、監督員の承諾を得なければならない。

第23条 材料の試験及び検査

1 特記仕様書及び監督員の指示する工事材料は、使用前にJIS、特記仕様書又は監督員の指示する方法により試験を行わなければならない。

2 現場搬入時の検査に合格した材料であっても、使用時において変質又は不良品と疑問を持つ材料は、試験等を行い合格したものでなければ使用することができない。

第24条 材料の保管管理

1 請負者は、工事材料を適切な方法により保管し、品質等に悪影響を与えることのないように留意しなければならない。

2 工事現場に搬入された工事材料は、監督員が随時点検できるようにしておかなければならない。

第2節 

第25条 一般

1 工事に使用する土は、その目的に適合する土質であらかじめ使用する土の資料を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

第3節 石材及び骨材

第26条 一般

工事に使用する石材及び骨材は、すべて用途に適する強度と耐久性及び外観もよく良質でなければならない。

第27条 割石

割石の控えは二方落とし、面はほぼ平らで方形に近いものでなければならない。

第28条 雑割石

雑割石の形状は、おおむねくさび形とし、偏平なもの、及び細長いものがあってはならない。前面はおおむね四辺形であって二稜辺の平均の長さが控長の2/3程度のものとする。

第29条 雑石(粗石)

雑石は、天然石又は破砕石で、極端に偏平なもの及び細長いものがあってはならない。

第30条 野面石

1 野面石は天然石で稜線が明らかでなく控長の外は面の形状、友面等に制限のないもので、通常控長は胴長1.5倍内外とし、偏平なもの、(偏平なものとは厚さが幅の1/2以下)及び細長いもの(細長いものとは長さが幅の3倍以上のものをいう。)であってはならない。

第31条 玉石

1 玉石の形状はおおむね卵体とし径が20cm内外の天然石で偏平なもの、細長いものであってはならない。

第32条 ぐり石割ぐり石

1 栗石及び割り栗石は、天然又は堅硬な破砕石で径5~15cmの範囲内で大小粒が適当に混合されたもので、偏平なもの及び細長いものであってはならない。

第33条 捨て石

1 捨て石は、堅硬、緻密、耐久的で風化凍壊のおそれのないものであって、偏平、細長であってはならない。

第34条 道路用砕石、コンクリート用砕石及びスラグ骨材

道路用砕石、コンクリート用砕石、コンクリート用高炉スラグ骨材、コンクリート用砕砂及び道路用スラグは、次の規格に適合したものでなければならない。

JIS A 5001 道路用砕石

JIS A 5005 コンクリート用砕石

JIS A 5004 コンクリート用砕砂

JIS A 5011 コンクリート用高炉スラグ粗骨材

JIS A 5012 コンクリート用高炉スラグ細骨材

JIS A 5015 道路用スラグ

第35条 セメントコンクリート用骨材

1 細骨材及び粗骨材は、大、小粒が適度に混合しているもので、その粒度は次表の範囲を標準とする。

無筋、鉄筋コンクリート、舗装コンクリートの細骨材の粒度の標準

ふるいの呼び寸法(mm)

ふるいを通るものの重量百分率

10

100

5

90―100

2.5

80―100

1.2

50―90

0.6

25―65

0.3

10―35

0.15

2―10

ダムコンクリートの細骨材の粒度の標準

ふるいの呼び寸法(mm)

粒径別百分率

10―5

0―8

5―2.5

5―20

2.5―1.2

10―25

1.2―0.6

10―30

0.6―0.3

15―30

0.3―0.15

12―20

0.15以下

3―10

無筋、鉄筋コンクリート、舗装コンクリートの粗骨材の粒度の標準

ふるいの呼び寸法(mm)

粗骨材の大きさ(mm)

ふるいを通るものの重量(百分率)

100

80

60

50

40

30

25

20

15

10

5

2.5

50―5

 

100

95―100

35―70

10―35

0―5

40―5

100

95―100

35―70

10―30

0―5

30―5

100

95―100

40―75

10―35

0―10

0―5

25―5

100

95―100

30―70

 

0―10

0―5

20―5

100

90―100

20―55

0―10

0―5

15―5

100

90―100

40―70

0―15

0―5

10―5

100

85―100

0―40

0―10

80―40

100

90―100

45―100

0―15

0―5

60―40

100

90―100

35―70

0―15

0―5

50―25

100

90―100

35―70

0―15

0―5

 

40―20

100

90―100

20―55

0―15

0―5

30―15

100

90―100

20―55

0―15

0―10

砕石を用いる場合はJIS A 5005「コンクリート用砕石」による。

ダムコンクリートの粗骨材の粒度の標準

ふるいの呼び寸法(mm)

粗骨材の最大寸法(mm)

粒径別百分率

150―80

120―80

80―40

40―20

20―10

10―5

150

35―20

32―20

30―20

20―12

15―8

120

25―10

35―20

35―20

25―15

15―10

80

40―20

40―20

25―15

15―10

40

55―40

35―30

25―15

2 有害物含有量の限度は次表を標準とする。

細骨材の有害物含有量の限度(百分率)

 

無筋、鉄筋コンクリート

舗装コンクリート

ダムコンクリート

粘土塊

1.0

1.0

1.0

洗い試験で失われるもの

 

3.0※

 

コンクリートの表面がすりへり作用を受ける場合

3.0※

 

3.0※

その他の場合

5.0※

 

5.0※

石炭、亜炭等で比重1.95の液体に浮くもの

 


0.5※※

0.5

コンクリートの外観が重要な場合

0.5※※

 

 

その他の場合

1.0※※

 

 

摘要

※ 砕砂の場合で洗い試験で失なわれるものが砕石粉であり、粘土、シルト等を含まないときは最大値をおのおの5%及び7%にしてよい。(舗装コンクリートは5%まで)

※※高炉スラグからつくった砕石には適用しない。

粗骨材の有害物含有量の限度(百分率)

 

無筋、鉄筋コンクリート

舗装コンクリート

ダムコンクリート

粘土塊

0.25

0.25

0.25

やわらかい石片

5.0※

5.0

5.0

洗い試験で失われるもの

1.0※※

1.0※※

1.0※※

石炭、亜炭等で比重1.95の液体に浮くもの

 

0.5※※※

1.0

コンクリートの外観が重要な場合

0.5※※※

 

 

その他の場合

1.0※※※

 

 

摘要

※ 交通のはげしい床版や、表面の硬さが特に要求される場合に適用する。

※※ 砕石の場合で洗い試験で失われるものが砕石粉であるときは1.5%にしてもよい。また、高炉スラグ砕石の場合は最大値を5.0%として良い。(ダムコンクリートは除く。)

※※※高炉スラグからつくった砕石には適用しない。

3 有機不純物

(1) 天然砂に含まれる有機不純物は、JIS A1105によって試験するものとする。この場合、砂の上部における溶液の色合いは、標準色よりもうすくなければならない。

(2) 砂の上部における溶液の色合いが標準色よりこい場合でも、その砂でつくったモルタル供試体の圧縮強度が、その砂を水酸化ナトリウムの3%溶液で洗い、さらに水で十分に洗って用いたモルタル供試体の圧縮強度の90%以上であれば、その砂を監査員の承諾を得て用いてよい。

4 耐久性

(1) 硫酸ナトリウムによる安定性は、JIS A1122によって試験するものとする。この場合操作を5回繰り返したときの細骨材の損失重量(百分率)の限度は一般に細骨材の10%、粗骨材の12%とする。

(2) 損失重量が(1)に示した限度をこえた細骨材及び粗骨材は、これを用いた同程度のコンクリートが、予期される気象作用にたいして満足な耐久性を示した実例がある場合には、監督員の承諾を得てこれを用いてよい。

(3) 損失重量が、(1)に示した限度をこえた細骨材及び粗骨材はこれを用いた実例がない場合でも、これを用いてつくったコンクリートの凍結融解試験結果から監督員が満足なものであると認めた場合には、これを用いてよい。

(4) 気象作用をうけない構造物に用いる細骨材及び粗骨材は、この項(1)(2)及び(3)について考えなくてもよい。

5 すりへり減量の限度

(1) すりへり試験を行った場合のすりへり減量(百分率)の限度は35%とする。ただし、ダムコンクリートの場合は40%とする。

第36条 アスファルト舗装用骨材及びフイラー

1 アスファルト舗装用粗骨材は、原則として砕石とする。砂利を使用する場合は、図面又は特記仕様書によるものとする。

2 砕石の粒度は次表を標準とする。

砕石の粒度

 

 

ふるいの呼び名(mm)

ふるいを通るものの重量百分率%

 

粒度範囲mm

 

100

80

60

50

40

30

25

20

13

5

2.5

1.2


呼び名

 

 

単粒度砕石

S―80(1号)

80~60

100

85~100

0~15

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S―60(2号)

60~40

 

100

85~100

0~15

 

 

 

 

 

 

 

S―40(3号)

40~30

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

 

 

 

 

S―30(4号)

30~20

 

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

 

 

S―20(5号)

20~13

 

 

 

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

 

S―13(6号)

13~5

 

 

 

 

 

 

 

100

85~100

0~15

 

 

S―5(7号)

5~2.5

 

 

 

 

 

 

 

 

100

85~100

0~25

0~5

(注)

(1) ふるいの種類はそれぞれJIS Z8801(標準ふるい)に規定する標準網ふるい101.6mm、76.2mm、63.5mm、50.8mm、38.1mm、31.7mm、25.4mm、19.1mm、12.7mm及び4,700μ、2,380μ、1,190μである。

(2) 呼び名別粒度の規定しない粒度の砕石であっても、他の砕石、砂、フイラーなどと合成したときの粒度が所要の混合物の骨材粒度に適合すれば使用してよい。

3 砕石の材質は次表のとおりとする。

用途

表層・基層

上層路盤

マカダム工法浸透式工法

粒度調整工法、歴青安定処理工法、セメント安定処理工法

表乾比重

2.45以上

吸水量%

3.0以下

スリヘリ減量%

3.0以下

40以下

50以下

(注) 試験方法はJIS A5001道路用砕石の規定による。なお表層、基層用砕石の材質試験は粒度範囲13~5mmで行う。上層路盤用砕石については主として使用する粒径について行えばよい。

4 アスファルト舗装用フイラー

(1) アスファルト舗装用フイラーは、石灰岩、火成岩類を粉砕したもので、十分乾燥し、固まりがなく200℃に熱しても変質してはならない。

(2) 粒度は次表を標準とする。

フイラーの標準粒度

フルイ目(mm)

フルイ通過重量の百分率(%)

0.6

100

0.15

90~100

0.074

70~100

(3) 水分は、1.0%以下でなければならない。

(4) 比重は、2.60以上でなければならない。

5 アスファルト舗装用細骨材

(1) 細骨材は、天然砂、砕石ダスト又は砕砂を用い、混合物に適した粒度で、ごみ、どろ、有機物などの有害量を含んではならない。

(2) 砕石ダスト(スクリーニングス)の粒度は、次表を標準とする。

スクリーニングスの粒度範囲

 

 

ふるいの呼び名mm

ふるいを通るものの重量百分率%

5

2.5

0.6

0.3

0.15

0.074

 

粒度範囲mm

 

呼び名

 

 

スクリーニングス

F―2.5

2.5~0

100

85~100

25~55

15~40

7~28

0~20

(注) これらのふるいは、JIS Z(標準ふるい)に規定する標準網ふるい4760μ、2380μ、590μ、297μ、149μ及び74μに対応するものである。

第37条 その他の砂利、砂、砕石類

1 砂利、砕石は、良質で適当な粒度をもち、極端に偏平及び細長い石片、その他有機不純物等の有害量を含んではならない。

2 砂は、良質で適当な粒度をもち、ごみ、どろ、有機不純物等の有害量を含んではならない。

第4節 木材

第38条 一般

1 工事に使用する木材は、使用目的に適合する材質のもので、腐れ、割れ等の欠陥のないものでなければならない。

2 寸法の表示は、製材においては仕上り寸法とし、素材にあっては特に明示する場合を除き、末口寸法とする。

第5節 鉄及び鋼材

第39条 一般

1 工事に使用する鉄及び鋼材は、設計図書又は特記仕様書に示された、形状、寸法、品質を有しているもので、さび、くされ等変質したものであってはならない。

2 鉄及び鋼材は、加工済であると否とにかかわらず、じんあいや油類などの異物で汚損しないようにするとともにできるだけ防蝕の方法を講じなければならない。

第40条 鉄鋼材及び鋳鋼製品

1 鉄鋼材及び鋳鉄製品は、それぞれの規格に適合したものでなければならない。

(1) 構造用圧延鋼材

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)

JIS G 3106 (溶接構造用圧延鋼材)

JIS G 3112 (鉄筋コンクリート用棒鋼)

JIS G 3117 (鉄筋コンクリート用再生棒鋼)

JIS G 3114 (溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)

JIS G 3125 (高耐候性圧延鋼材)

JIS G 3191 (熱間圧延棒鋼とバーインコイルの形状寸法及び重量並びにその許容差)

JIS G 3192 (熱間圧延形鋼の形状、寸法、重量及びその許容差)

JIS G 3193 (熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状、寸法、重量及びその許容差)

JIS G 3194 (熱間圧延平鋼の形状、寸法及び重量並びにその許容差)

(2) 軽量形鋼

JIS G 3350 (一般構造用軽量形鋼)

(3) リベット用鋼材

JIS G 3104 (リベット用丸鋼)

JIS B 1213 (冷間成形リベット)

JIS B 1214 (熱間成形リベット)

(4) 鋼管

JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)

JIS G 3452 (配管用炭素鋼鋼管)

JIS G 3457 (配管用アーク溶接炭素鋼鋼管)

JIS G 3466 (一般構造用角形鋼管)

(5) 鋳製品、鋳鋼品及び鍛鋼品

JIS G 5501 (ねずみ鋳鉄品)

JIS G 5101 (炭素鋼鋳鋼品)

JIS G 3201 (炭素鋼鍛鋼品)

JIS G 5102 (溶接構造用鋳鋼品)

JIS G 5111 (構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品)

JIS G 4051 (機械構造用炭素鋼鋼材)

JIS G 5502 (球状黒鉛鋳鉄品)

(6) ボルト用鋼材

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

JIS B 1186 (摩擦接合用高力六角ボルト、六角ナット、平座金のセット)

JIS B 1256 (平座金)

(7) 溶接材料

JIS Z 3211 (軟鋼用被覆アーク溶接棒)

JIS Z 3212 (高張力鋼用被覆アーク溶接棒)

JIS Z 3311 (鋼サグマージアーク溶接材料)

(8) 鉄線

JIS G 3532 (鉄線)

(9) ワイヤーロープ

JIS G 3525 (ワイヤーロープ)

(10) プレストレストコンクリート用鋼材

JIS G 3536 (PC鋼線及びPC鋼より線)

JIS G 3109 (PC鋼棒)

JIS G 3502 (ピアノ線材)

JIS G 3506 (硬鋼線材)

(11) 鉄鋼

JIS G 3532 (鉄線)

JIS G 3551 (溶接金鋼)

JIS G 3552 (ひし形金鋼)

(12) 鋼製ぐい及び鋼矢板

JIS A 5525 (鋼管ぐい)

JIS A 5526 (H型鋼ぐい)

JIS A 5528 (鋼矢板)

(13) 鋼製支保工

JIS G 3103 (一般構造用圧延鋼材)

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

JIS B 1186 (摩擦接合用高力六角ボルト、六角ナット、平座金のセット)

(14) 鉄線蛇籠

JIS A 5513 (亜鉛メッキ鉄線製ジャカゴ)

(15) コルゲートパイプ

(Ⅰ) セクション材

JIS G 3131 (熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)1種

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)1種(SS34)

(Ⅱ) ボルト材

JIS B 1180 (六角ボルト)4T

板厚5.3mm以上のセクションにはJIS B 1180 7Tとする。

JIS G 3104 (リベット用圧延鋼材)1種 SV 34

(Ⅲ) アーチの支承材

JIS G 3350 (一般構造用軽量形鋼)SSC 41

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)SS 41

亜鉛メッキの付着量は915g/m2以上で、その材質はJIS H 2107(亜鉛地金)1種又は2種程度とする。

(16) ガードレール(路側用、分離帯用、歩道用)

(Ⅰ) ビーム

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

JIS H 4000 (アルミニューム及びアルミニューム合金の板及び条)

JIS H 4080 (アルミニューム及びアルミニューム合金継目無管)

(Ⅱ) 支柱

JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)2種

JIS H 4000 (アルミニューム及びアルミニューム合金の板及び条)

JIS H 4080 (アルミニューム及びアルミニューム合金継目無管)

JIS H 4100 (アルミニューム及びアルミニューム合金押出形材)

(Ⅲ) ブラケット

JIS G 3100 (一般構造用圧延鋼材)2種

(Ⅳ) ボルトナット

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

ブラケット取付用ボルト(ねじの呼び名M20)は4Tとし、ビーム継手用及び取付用ボルト(ねじの呼び名M16)は6Tとする。

(17) ガードケーブル

(Ⅰ) ケーブル

JIS G 3525 (ワイヤーロープ)

ケーブルの径は18mm、構造は3×7G/0とする。なお、ケーブル1本当の破断強度は16t以上とする。

(Ⅱ) 支柱

JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)2種

(Ⅲ) ブラケット

JIS G 3100 (一般構造用圧延鋼材)2種

(Ⅳ) 索端金具

ソケットはケーブルの調整ネジを取付けた状態において、ケーブルの1本当りの破断強度以上の強さをもつものでなければならない。

(Ⅴ) 調整ネジ

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

強度は、ケーブルの破断強度の強さでなければならない。

(Ⅵ) ボルトナット

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

ブラケット取付用ボルト(ネジの呼び名M12)及びケーブル取付用ボルト(ネジの呼び名M10)はともに4Tとする。

(18) ガードパイプ

(Ⅰ) パイプ

JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)2種

(Ⅱ) 支柱

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

(Ⅲ) ブラケット

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

ブラケット取付用ボルト(ネジの呼び名M16)は4Tとし、継手用ボルト(ネジの呼び名M16〔種別AP〕M14〔種別BP及びCP〕)は6Tとする。

(Ⅳ) 継手、ボルト、ナット

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

(19) ボックスビーム(分離帯用)

(Ⅰ) ビーム

JIS G 3466 (一般構造用角形鋼管)1種

(Ⅱ) 支柱

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

(Ⅲ) パドル及び継手

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)2種

(Ⅳ) ボルトナット

JIS B 1180 (六角ボルト)

JIS B 1181 (六角ナット)

パドル取付け用ボルト(ネジの呼び名M16)及び継手用ボルト(ネジの呼び名M20)はともに6Tとする。

第6節 セメント及び混和材料

第41条 セメント

1 セメントの種類は、設計図書又は特記仕様書によるものとし、それぞれ次の規格に適合したものでなければならない。

セメントの種類(JIS)

JIS番号

名称

区分

摘要

R5210

ポルトランドセメント

(1) 普通ポルトランド

(2) 早強ポルトランド

(3) 中庸熱ポルトランド

(4) 超早強ポルトランド

 

R5211

高炉セメント

(1) A種高炉

高炉スラグの分量(重量%)

5を超え30以下

(2) B種高炉

〃 30を超え60以下

(3) C種高炉

〃 60を超え70以下

R5212

シリカセメント

(1) A種シリカ

シリカ質混合材の分量(重量%)

5を超え10以下

(2) B種シリカ

〃 10を超え20以下

(3) C種シリカ

〃 20を超え30以下

R5213

フライアッシュセメント

(1) A種フライアッシュ

フライアッシュ分量(重量%)

5を超え10以下

(2) B種フライアッシュ

〃 10を超え20以下

(3) C種フライアッシュ

〃 20を超え30以下

第42条 混和材料

1 フライアッシュは、JIS A 6201(フライアッシュ)に適合したものでなければならない。

2 混和剤として用いるAE剤及び減水剤は、それぞれ土木学会規準「AE剤規格」及び「減水剤規格」に適合したものでなければならない。

第43条 コンクリート用水

1 コンクリート用水は、油、酸、塩類、有機不純物などのコンクリートの品質に悪影響を及ぼす物質の有害量を含んではならない。

第7節 セメントコンクリート製品

第44条 一般

1 コンクリート製品は、有害なひび割れ等、損傷のないものでなければならない。

2 JISの規格のないものについてはJISと同等又はそれ以上のものとし監督員の承諾を受けなければならない。

3 ブロック積(張)に使用するコンクリートブロックは県の承認した製品とする。

第45条 セメントコンクリート製品

1 セメントコンクリート製品は次の規格に適合したものでなければならない。

JIS A 5301 (水道用石綿セメント管)

JIS A 5302 (鉄筋コンクリート管)

JIS A 5303 (遠心力鉄筋コンクリート管)

JIS A 5333 (コア式プレストレストコンクリート管)

JIS A 5332 (ロール転圧鉄筋コンクリート管)

JIS A 5304 (歩道用コンクリート平板)

JIS A 5305 (鉄筋コンクリートU型)

JIS A 5306 (コンクリートL型及び鉄筋コンクリートL型)

JIS A 5307 (コンクリート境界ブロック)

JIS A 5309 (遠心力プレストレストコンクリートポール及び遠心力鉄筋コンクリートポール)

JIS A 5310 (遠心力鉄筋コンクリートくい)

JIS A 5323 (コンクリート積ブロック)

JIS A 5335 (プレテンション方式遠心力プレストレストコンクリートくい)

JIS A 5336 (ポストテンション方式遠心力プレストレストコンクリートくい)

JIS A 5312 (鉄筋コンクリート組立土止め)

JIS A 5313 (スラブ橋用プレストレストコンクリート橋げた)

JIS A 5316 (けた橋用プレストレストコンクリート橋げた)

JIS A 5317 (下水道用マンホール側塊)

JIS A 5318 (鉄筋コンクリートフリューム)

JIS A 5319 (軽荷重スラブ橋用プレストレストコンクリート橋げた)

JIS A 5334 (鉄筋コンクリートU型用ふた)

JIS A 5321 (鉄筋コンクリートケーブルトラフ)

JIS A 5325 (鉄筋コンクリート矢板)

JIS A 5326 (プレストレストコンクリート矢板)

JIS A 5329 (加圧コンクリート矢板)

JIS A 5406 (空胴コンクリートブロック)

JIS A 5409 (鉄筋コンクリート組立へい)

JIS A 5506 (下水道用マンホールふた)

JIS A 5507 (雨水ますふた)

第8節 歴青材料

第46条 品質

工事に使用する歴青材料の品質は次表を標準とする。

(1) 舗装用石油アスファルトは、ストレートアスファルトについては、JIS K 2207 石油アスファルトに規定するものであって次表の規格に適合したものでなければならない。なお、120℃、140℃、160℃、180℃のそれぞれにおける動粘度を試験表に附記しなければならない。

舗装用石油アスファルトの規格

種類

針入度

(25℃)

1/10mm

軟化点

伸度

(15℃)

cm

蒸発後の針入度比

薄膜加熱重量変化

薄膜加熱後の針入度

三塩化エタン可溶分

引火点

比重

(25℃/25℃)

粘度

(60℃)

Poise

粘度

(180℃)

CST

粘度比

(60℃)

(薄膜加熱後/加熱前)

ストレートアスファルト

40~60

40を超え60以下

47.0~55.0

10以上

110以下

0.6以下

58以上

99.0以上

260以上

1,000以上

60~80

60を超え80以下

44.0~52.0

100以上

55以上

80~100

80を超え100以下

42.0~50.0

50以上

セミブローンアスファルト

AC―MO

40以上

0.6以下

99.0以上

260以上

1,000以上

14,000±4,000

200以下

6以下

(注)

1 セミブローンアスファルトの60℃粘度は減圧毛管粘度計で測定する。

2 セミブローンアスファルトは、140℃、160℃、180℃における動粘度を毛管粘度計を用いて測定した値を明示しなければならない。

(2) カットバックアスファルトは、次表に適合したものでなければならない。

カットバックアスファルトの規格

種類

RC

MC

等級

70

250

800

3,000

70

250

800

3,000

引火点(タグ開放式)

30以上

40以上

65以上

動粘度(60℃)CS①

70~140

250~500

800~1,600

3,000~6,000

70~140

250~500

800~1,600

3,000~6,000

分留試験(360℃までの全留出量に対する。)

 

 

 

 

 

 

 

 

容積% 190℃まで

10以上

225℃まで

50以上

35以上

15以上

260℃まで

70以上

60以上

45以上

25以上

20以上

15以上

316℃まで

85以上

80以上

75以上

70以上

65以上

60以上

45以上

15以上

蒸留残留物(360℃における)容積%

55以上

65以上

75以上

80以上

55以上

65以上

75以上

30以上

蒸留残留物の試験

 

 

針入度(25℃)

80~250

80~250

伸度(15℃)cm

100以上

100以上

三塩化エタン可溶分%

99.5以上

99.5以上

水分%

0.2以下

0.2以下

(注) ① 粘度をセイボルトフロール計によって測定するときは、材料が次の要件に合格すれば、指定された品種のものとして認める。

等級

70

250

800

3,000

セイボルトフロール度・秒50℃

60~120

〃           60℃

125~250

〃           82℃

100~200

300~600

(注) ② 蒸発残留物の針入度は、受渡し当事者間の協定により次の範囲に分けることができる80―125、125―250

(3) ゴム入りアスファルトは次の規格に適合したものでなければならない。

(プレミックスタイプの規格)

種類

項目

60~80

80~100

針入度 (25℃、100g、5秒)

60を超え80以下

80を超え100以下

軟化点 ℃

48.0~56.0

46.0~54.0

伸度 (7℃)cm

20以上

50以上

蒸発後の針入度比 %

110以下

110以下

薄膜加熱重量変化 %

0.6以下

0.6以下

薄膜加熱後の針入度 %

55以上

55以上

三塩化エタン可溶分 %

95以上

95以上

引火点 ℃

260以上

260以上

比重 (25℃/25℃)

1,000以上

1,000以上

タフネス (25℃)kg・cm

60以上

50以上

テナシテイ (25℃)kg・cm

30以上

25以上

(注) タフネス、テナシテイ試験方法はベンソン法に準拠する。ただし試料採取量は50gとし、引張り速度は500mm/mm、チャートスピードは1,000mm/mm、測定対象伸び30cm、チャートからの換算は重量法又は面積法とする。

(プラントミックスタイプの規格)

原料として用いた舗装用石油アスファルトの性状に比して、ゴムラテックス添加後は下表に適合しなければならない。

項目

ゴムラテックス添加後の値

軟化点 ℃

+5以上

伸度 (7℃)cm

+50以上

タフネス (25℃)kg・cm

+15以上

テナシテイ (25℃)kg・cm

+8以上

(4) アスファルト乳剤は次の規格に適合したものでなければならない。

JIS K 2208 (石油アスファルト乳剤)

第9節 芝及びそだ

第47条 

1 芝は、原則として土付き生芝とし、雑草の混入が少なく、短葉で根筋が繁茂し枯死するおそれのないものでなければならない。

第48条 人工芝

1 人工芝は、施工時期、及び植付箇所の土質等に適合するものでなければならない。

第49条 そだ

1 そだに用いる材料は、針葉樹を除く堅固でじん性に富むかん木で、特に用途に適合した形状のものでなければならない。

第10節 目地材料

第50条 注入目地材

1 注入目地材は、コンクリート版の膨張、収縮に順応し、コンクリートとよく付着し、しかもひびわれがはいらないものでなければならない。

2 水に溶けず、また水密性のものでなければならない。

3 高温時に流れ出たりまた砂石がめりこみやすくなったりせず、更に低温時にも衝撃に耐え、かつ、耐久的なものでなければならない。

4 加熱施工式のものは、加熱したときに分離しないものでなければならない。

第51条 目地板

1 目地板は、コンクリートの膨張収縮に順応し、かつ、はみ出さないものでなければならない。

2 コンクリートを打ち込むときに縮んだり、曲ったり、ねじれたりしないものでなければならない。

第11節 塗料

第52条 一般

1 塗料は、JISに適合した規格品又は、これと同等以上の製品でなければならない。この場合、製造業者名、製品名などについてあらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

2 塗料の調合は、専門製造業者において行うものとする。ただし、少量の場合は、監督員の承諾を得て同一製造者の同種の塗料を混合することができる。

3 塗料は工場調合を原則とする。

4 さび止め塗料は、特に指示する場合を除き、油性系さび止め塗料とする。

5 中塗り、上塗り塗料は、特に指示する場合を除き、合成樹脂調合淡彩ペイント又は合成樹脂調合ペイントとする。

第12節 道路標識及び区画線

第53条 道路標識

1 標示板、支柱、補強材、取引金具反射シートの品質は、次の規格に適合したものでなければならない。

(1) 標示板

JIS G 3131 (熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)

JIS G 3141 (冷間圧延鋼板及び鋼帯)

JIS K 6744 (ポリ塩化ビニール(塩化ビニール樹脂)金属積層板)

JIS H 4000 (アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)

JIS K 6718 (一般用メタアクリル樹脂板)

ERP (ガラス繊維強化プラスチック)

(2) 支柱

JIS G 3452 (配管用炭素鋼鋼管)

JIS G 3444 (一般構造用炭素鋼鋼管)

JIS G 3350 (一般構造用軽量形鋼)

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)

(3) 補強材及び取付金具

JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材)

JIS G 3131 (熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)

JIS G 3141 (冷間圧延板及び鋼帯)

JIS H 4100 (アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材)

(4) 反射シート

標示板に使用する反射シートは、ガラスビーズをプラスチックの中に封入した封入レンズ型又は空気層の中にあるガラスビーズをプラスチックで覆ったカプセルレンズ型とし、その性質は次に示す値以上で、雨水に覆われた場合でもその性能は表に示す値の90%以上でなければならない。なお、屋外にさらされても著しい色の変化、ひびわれ、剥れが生じないものでなければならない。

封入レンズ型反射シートの反射強さR

観測角

入射角

0.2°

-4°

70

50

14.5

9

4

30°

30

22

6

3.5

1.7

0.5°

-4°

30

25

7.5

4.5

2

30°

15

13

3

2.2

0.8

カプセルレンズ型反射シートの反射強さR

観測角

入射角

0.2°

-4°

250

170

35

30

20

30°

140

90

19

17

11

0.5°

-4°

95

62

13

12

7.5

30°

55

36

7.8

6

4.4

第54条 区画線

1 区画線の品質は次の規格に適合したものでなければならない。

JIS K 5665 (トラフイックペイント(よう着用))

JIS R 3301 (トラフイックペイント用ガラスビーズ)

第13節 その他

第55条 エポキシ系樹脂接着剤

1 エポキシ系樹脂接着剤は、接着、埋込み、打継ぎ、充てん、ライニング注入等の使用目的に適合したものでなければならない。

第56条 合成樹脂製品

1 合成樹脂製品は次の規格に適合したものでなければならない。

JIS K 6741 (硬質塩化ビニール管)

JIS K 6742 (水道用硬質塩化ビニール管)

JIS K 6745 (硬質塩化ビニール板)

JIS K 6761 (一般用ポリエチレン管)

JIS K 6762 (水道用ポリエチレン管)

JIS K 6773 (塩化ビニール樹脂製止水板)

JIS A 6008 (合成高分子ルーフィング)

JIS A 6009 (基面その他を積層した合成分子ルーフィング)

第57条 路盤紙

1 路盤紙は取扱いが容易で、吸水しにくく、コンクリートの打込み、締固めのさいに破れるものであってはならない。

2 品質は次表を標準とする。

品名

JIS

備考

ポリエチレンフィルム

Z1702

呼び厚さ0.1mm以上のもの

ターポリン紙

Z1503

 

クラフト紙

P3401

MS―81、84

第3章 一般施行

第1節 床掘り及び埋もどし

第58条 床堀り工

1 床掘りは、地質の硬軟、地形の状況により必要に応じ土留め工等の工法をもって所定の深さに掘り下げなければならない。

2 床掘り箇所の近くに崩壊又は破損のおそれがある構造物等があるときは、特に注意し悪影響を及ぼさないよう処置しなければならない。

3 床掘りの最下部を掘り取る場合は、床掘り最下面以下の土砂をかく乱しないようにすき取らなければならない。

4 岩盤掘削等においては、特に断面に注意し、火薬を使用する場合は、必要以外の断面に影響しないように特に注意しなければならない。

5 工事に支障のあるゆう水及び溜水などは、ポンプあるいは排水溝を設けるなど、適当な方法で排除しなければならない。

6 既設堤防及びこれに準ずる構造物を掘削する場合には、細部について施工計画書に記載しなければならない。

第59条 埋戻し工

1 埋戻しの土質は、工事に適合したものを使用しなければならない。

2 埋戻し箇所が水中の場合は、原則として排水しなければならない。やむを得ず水中埋戻しを行う場合は、監督員の承諾を得なければならない。

3 埋戻し箇所は、埋戻し作業開始前に清掃し、各層ごとに十分に締固めなければならない。また、構造物に影響する埋戻しは、埋戻しの順序及び突固めにあたって、構造物に被害を与えないよう注意しなければならない。

第2節 基礎工

第60条 土台木工

1 土台木に使用する木材は、樹皮をはいだ生木を用いなければならない。

2 土台木は、まず、床を正しく切りならし、十分締固めた後所定の位置に据え付け、空げきには、ぐり石類を充てんしなければならない。

3 土台木は、原則として末口を上流とし、継ぎ足す場合は、その端において長さ20cm以上の相欠きとし、移動しないようボルトなどで完全に緊結させ、1本の土台木として作用するようにしなければならない。

4 止ぐい、一本土台木止ぐいと土台木をボルト等で十分締め付けなければならない。

5 片はしご土台木の継手は、一本土台木の場合と同様にし、継手は必ずさん木の上にくるよう施工しなければならない。

6 はしご土台木の継手は、さん木の上にくるようにし、前後の土台木の継手が同一箇所にこないようにしなければならない。

第61条 砕石基礎工、ぐり石基礎工

1 砕石基礎工、ぐり石基礎工は床掘りが終った後栗石基礎には切込砕石などの目潰しを加え十分締め固めながら所定の厚さに仕上げなければならない。

第62条 コンクリート基礎工

1 コンクリートは、原則として、水中打込みを行ってはならない。ただし、監督員がやむを得ないものと認め、承諾した場合に限り水中打込みを行うことができる。

第63条 くい打ち一般

1 打ち込み方法、使用機械等は打ち込み地点の土質条件、立地条件、くいの種類に応じたものを選ばなければならない。

2 試験ぐいは、原則として各基礎ごとに、最初の一本を試験ぐいとして施工するものとし、打ち止り状況などによってくいの打込み長さを監督員と協議のうえ決定しなければならない。なお、この試験ぐいは、基礎ぐいの一部として使用できるように位置を考慮しなければならない。

3 くいは正確に立て込み、打ち込み中、偏位やくい頭の偏打を生じないようにしなければならない。

4 打ち込みに際し、くいの頭部を保護するため、面取り、鉢巻き、キャップを使用するなどの方法を講じなければならない。

5 打ち込み中、くいが破損、わん曲、ねじれ、打ち狂いなどを生じたときは、その措置について監督員と協議しなければならない。

6 打ち込みに際し、くいが入らない場合、あるいは全長を打ち込んでもなお所定の支持力に足りないときは、監督員の指示を受けなければならない。

7 くいの打ち止め貫入量及び支持力については、監督員の承諾を得なければならない。

8 打ち込みを終り、切断した残りくいを再び使用する場合は監督員の承諾を得なければならない。

9 打ち込み後に、地表面に凹凸が生じたときは第59条埋戻し工の条項に準じて、これを埋戻すものとする。

第64条 木ぐい工

1 基礎ぐい丸太は、特に指定のない限り樹皮をはいだ生松丸太を使用し、有害な腐れ、割れ、曲りのない良材でなければならない。

2 くいの先端は、角すい形に削るものとし、角すいの高さは径の1.5倍を標準とする。

3 くいの継手は正しくつきあわせて、打ち込み中の衝撃により偏心、屈曲のないようにしなければならない。

第65条 鋼ぐい工

1 くいの運搬、保管にあたっては、塗装面、H型鋼ぐいのフランジ縁端部、鋼管ぐいの継手、開先部分などに損傷を与えないよう、またその断面特性を考えて大きなたわみ、変形を生じないように取扱いに注意しなければならない。

2 くいの頭部は、所定の高さに切りそろえるものとし、くいの切断面は、水平かつ平滑な状態で上部構造との接合を正しく行うものとする。

3 水射による場合は最後の打ち止まりを落錘等で貫入させ、落ち着かせなければならない。

4 現場継手は、原則としてアーク溶接継手を行わなければならない。

(1) 溶接工は、JISZ3801(溶接技術検定における試験方法並びに判定基準)に定められた試験のうち、その作業に該当する検定に合格したものでなければならない。

(2) 溶接機は、十分な容量を有する直流又は交流アーク溶接機を用いるものとし、二次側に電流計電圧計を備えておき、溶接作業場において容易に電流を調節しうるものを用いなければならない。

(3) 溶接を行う場合は降雨、降雪等により母材がぬれているとき及び激しい風が吹いているときは露天で溶接を行ってはならない。また、気温が0℃以下のときは溶接を行ってはならない。ただし、気温が0℃~-15℃の場合で溶接箇所から、100mm以内の距離にある母材がすべて50℃以上の予熱されている場合は施工することができる。

(4) 溶接部は表面のさび、ごみ、泥土等の有害な付着物をワイヤーブラシ等でみがいて清掃し、水分が付着していないよう乾燥させなければならない。くい頭を打ち込みの打撃等により損傷した場合は整形しなければならない。

(5) 上ぐいの建て込みは、上下ぐい軸が一致するように行い、上ぐいの軸方向が異なる二方向から検査し、一致しなければ溶接を行ってはならない。

(6) 鋼管ぐいの溶接はくいの対称を二方向から行い、斜くいの場合は自重により継手が引張りをうける側から開始するものとする。

(7) Hぐいの溶接は、まず下ぐいのフランジの外側に継目板をあて周囲を隅肉溶接をした後、上ぐいを建て込み上下ぐい軸の一致を確認のうえ、継目板を上ぐいに隅肉溶接するものとする。突き合わせ溶接は両側フランジ内側に対しては片面V形溶接、ウェブに対しては両面K形溶接を行うものとする。ウェブに継目板を使用する場合には、フランジの継目板の溶接はフランジと同一の順序とし、くい断面の突き合わせ溶接はフランジ、ウェブとも、片面V形溶接を行うものとする。

5 くい頭部における丸鋼等の溶接は前項(1)(4)の規定にしたがわなければならない。

第66条 プレキャストコンクリートぐい工

1 くいの運搬は、2点以上で支えなければならない。

2 保管にあたっては、常に水平にして置くものとし、3段以上積み重ねてはならない。

3 くいの打込みは、JIS A 7201(遠心力鉄筋コンクリートのくい打ち作業標準)によるものとし、落錘による打込みの場合の錘重は、なねべく、くいの重量以上、又くいの長さ1m当りの重量の10倍程度とし、原則として錘の落下高は2mを標準とする。なお、水射による場合は最後の打ち止りを落錘等で、貫入させ落ち着かせなければならない。

第67条 場所打コンクリートぐい工

1 掘削機の据付け地盤は、作業中、掘削機が傾くことがないよう注意し、据付けはくい中心と機械掘削中心を正しく合わさなければならない。

2 掘削機は、施工順序、機械進入路、隣接構造物等の作業条件を考慮して機械の方向を定め水平に正しく据付けなければならない。

3 掘削器具は、くい径、地質に適したものを使用し、所定の断面を確保しなければならない。

4 掘削は、周辺地盤及び支持層を乱さないように注意し、所定の支持地盤まで確実に掘削しなければならない。

5 掘削は、地質にもっとも適した掘削速度で行わなければならない。

6 掘削にあたっては、掘削速度と排出土破及び孔内水位の変動を常に監視し、孔壁の崩かい防止に努めなければならない。また、ペントナイト泥水を用いるときには常に孔内の泥水濃度、比重等を記録し必要により適切な処置をしなければならない。

7 支持層は、地質柱状図と掘削深度及び掘削速度を参考にして、掘削土砂により確認するものとする。孔底の沈澱物は適当な方法でこれを取り除かなければならない。

8 鉄筋建て込みは鉄筋カゴをくい中心に正しく合わせ、垂直度を正確に保ち、ケーシングチューブのない工法では、孔壁をこわさないよう静かに吊り込まなければならない。

9 鉄筋の組立ては、コンクリート打ち込みの際、動かないようアーク溶接で十分堅固に組立て、運搬は変形を生じないように行わなければならない。

10 鉄筋カゴの継手は、重ね継手を原則とする。

11 コンクリート打ちは、原則としてトレミー管を用いて行い、打込量及び打込高を常に計測しなければならない。トレミー管先端とコンクリート立ち上り高の関係をトレミー管の配置、コンクリート打ち込み数量より検討し、トレミー管をコンクリート内に原則として2m以上入れておかなければならない。

12 ケーシングチューブの引き抜きは、鉄筋カゴの共上りを起こさぬよう注意するとともに、原則としてケーシングチューブ先端をコンクリート立ち上り面より2m以上コンクリート内に入れておかなければならない。

13 コンクリートの打ち込みは連続して行い、打ち止り面は、レイタンス部分を除き、50cm程度余分に打ち込むものとする。余分に打ち込んだ部分は、硬化後とりこわし規定高に仕上げなければならない。

第68条 矢板一般

1 打ち込みの方法、使用機械、錘重等は、打ち込み地点の土質条件等に応じたものを選ばなければならない。

2 矢板の打ち込みは、定規等を設置して、ふれ、よじれ、倒れを防止するように留意し、隣接する矢板が共下りしないように注意して打ち込まなければならない。

3 打ち込み中、矢板を破損、わん曲、ねじれ、打ち狂いなどを生じたときは、その措置について監督員と協議しなければならない。

4 タイロットの取付けにあたっては、各タイロットが一様に働くように締め付けを行わなければならない。

第69条 木矢板工

1 矢板の接合面は必要に応じ「やはずはぎ」「あいかぎ」又は「さねさぎ」としなければならない。

2 矢板の頭部は、正しく水平に切りかつ面取り仕上げをしなければならない。打ち込みに当っては、できるだけ鉄キャップ等を使用し頭部の損傷を防がなければならない。

第70条 鋼矢板工

1 鋼矢板の運搬、保管は変形を生じないように取り扱いに注意しなければならない。

第71条 コンクリート矢板工

1 矢板の運搬は2点以上で支えなければならない。

2 保管にあたっては常に水平にして置くものとし、3段以上積み重ねてはならない。

3 水射による場合は、最後の打ち止りを、落錘等で貫入させ落ち着かせなければならない。

第72条 オープンケーソン工(井筒工)

1 オープンケーソンのコンクリート打設、1ロットの長さ、オープンケーソン内の掘削方法、載荷等については、施工計画書に記載しなければならない。

2 オープンケーソン用鉄沓は、設計図書及び特記仕様書により製作するものとし、監督員の検査を受けた後でなければ使用してはならない。鉄沓の据え付けは所定の位置に正確に不等沈下を起さないように行わなければならない。

3 オープンケーソンコンクリート打ちの1ロットは連続施工しなければならない。

4 オープンケーソンの沈下中は、全面を均等に掘り下げ、トランジット等で観測し移動や傾斜を生じないように、きょう正しなければならない。オープンケーソン施工長及び沈下量は、オープンケーソン外壁に刃口から長さを記入し、これを観測しなければならない。

5 沈下に際し、火薬類を使用する場合は、監督員の承諾を得なければならない。

6 沈下を促進するためには、過度の掘り起こしをしてはならない。著しく沈下困難の場合は監督員と協議しなければならない。

7 オープンケーソンが所定の深さに達したときは、底部の地盤を確認し、監督員の承諾を得なければならない。

8 機械により掘削する場合は、作業中、オープンケーソンに衝撃を与えないよう注意しなければならない。

9 底版コンクリートを打つまえに刃口以上にある土砂をしゅんせつしなければならない。また掘り過ごした部分はコンクリート等で埋め戻さなければならない。

10 底版コンクリート打設後は、原則としてケーソン内の湛水を排除してはならない。

第73条 ニューマチックケーソン工

1 ケーソン用鉄沓は「オープンケーソン用鉄沓」と同様に製作し、据付けなければならない。

2 ニューマチックケーソンの施工にあっては、特に工事中の事故及びケーソン内作業の危険防止を図るため、諸法令等を順守し十分な設備をしなければならない。

3 沈下にあたっては、オープンケーソンと同様に行うものとし、減圧沈下は原則として行ってはならない。

4 ニューマチックケーソンが所定の深さに達したときは、底部の地盤及び地耐力について確認し、監督員の承諾を得なければならない。

5 ニューマチックケーソンの沈下が完了したときは、刃口面を地ならしをし、刃口周辺から中央に向って中埋めコンクリートを打設するものとし、打設後24時間以上送気圧を一定に保ち養生しなければならない。

第74条 深礎工

1 掘削にあたっては、井枠と地山の空げきを少なくするように施工しなければならない。

2 深礎くいに使用する井枠については、十分安全なものを使用しなければならない。

3 掘削後地山の崩落を防ぐため速やかに土留工を施工しなければならない。

4 掘削が支持層に達した場合は、監督員の承諾を得たのち鉄筋組立てを行い、コンクリートを打設しなければならない。

第3節 管きょ工

第75条 一般

1 管きょの基礎は、不等沈下を生じないように入念に施工しなければならない。

2 コンクリート管、コルゲートパイプの布設、コンクリート函きょの施工にあっては、その基準高、方向などは、前後の水路となじみよく取り付くよう施工しなければならない。

3 埋戻し盛土にあたっては、管きょを損傷しないよう留意し、偏心偏圧のかからないよう、良質土で左右均等に層状に十分突き固めなければならない。

第76条 基礎工

1 基礎工は設計図書により第2節基礎工に準拠し入念に施工し、のみ口から吐き口まで不陸なく、かつ所定の勾配に仕上げなければならない。

第77条 管の布設

1 ソケット付きの管を使用するときは、のみ口側にソケットを向けなければならない。

2 管の布設にあたっては、その基礎工の上に通りよく、ていねいに据えつけるとともに、管の下面及びカラーの周囲にはコンクリート又は固練りモルタルを十分突込み、空げきあるいは漏水が起らないように施工しなければならない。

3 管の一部を切断する必要のある場合は、十分注意して施工し切断のため使用部分に損傷を生じた場合は、取り換えなければならない。

第78条 コルゲートパイプの布設

1 基礎は、砂質土又は砂を原則とし、岩盤又は軟弱地盤の場合は、監督員と協議のうえ施工しなければならない。

2 コルゲートパイプの組立てにあたっては、所定の組立寸法、組立順序に従ってボルトを内側から固く締め付けるものとする。また埋戻し後もボルトの緊結状態を点検し、ゆるんでいるものがあれば締め直しを行わなければならない。

第4節 石積み(張り)工及びコンクリートブロック積(張り)工

第79条 石積み(張り)

1 石積み(張り)工の丁張は、石積み前面及び裏込め礫背面に設置しなければならない。練石積み(張り)工で裏込コンクリートのある場合は、その背面にも設置しなければならない。

2 積石は、施工に先立ち、石に付着したごみ、汚物を清掃しなければならない。

3 石積み(張り)工の積み方は、特に指定されていない限り谷積みとする。根石はなるべく大きい石を選び、所定の基礎又は基礎工になじみよく据え付けるものとする。

4 石積み(張り)工は、等高を保ちながら積み上げるものとし、天端石及び根石は五角石を使用しなければならない。

5 空積み(張り)工は、胴かいにて積石を固定し、胴詰裏込めを充てんしつつ平たい大石を選んで尻かいを施して主要部を完全に支持し、その空げきは目つぶし砂利又は砕石をもって十分堅固にしなければならない。

6 練石積み(張り)工は、胴込コンクリートを充てんし十分突き固めを行い、合端付近に著しい空げきが生じないよう入念に施工しなければならない。

7 練石積みの裏込めコンクリートの背面には、石積み面からコンクリート背面までの厚さを正しく保つようにしなければならない。裏詰め栗石は堅質なものを大小混合し目潰しを加え所定の厚さに詰め込まなければならない。

8 練石積み(張り)工の合端及び目地モルタルは特に指示した場合のほか施工してはならない。

9 練石積み(張り)工の伸縮目地、排水孔などについては、設計図書又は特記仕様書によるほか、監督員の指示を受けなければならない。

10 石積み(張り)工は、四ツ巻、八ツ巻、八ツ目、落し込み、目通り、重箱あるいは、えら、たな、はらみ、逆石、裏石、その他の欠点があってはならない。

11 練石積みの一日の積上り高は1.2m程度を標準とする。

第80条 コンクリートブロック積(張)

1 コンクリートブロック積工及びコンクリートブロック張工については、前条の規定に準ずるものとする。

第81条 基礎

1 基礎コンクリートの施工については次の各号によらなければならない。

(1) 基礎コンクリートの天端は所定の形状に不陸のないよう適正入念に仕上げなければならない。

(2) 基礎コンクリートの天端計画高は、ブロック積天端計画高よりのり長の割出しをして規定の通り施工しなければならない。

(3) 相隣れるのり長が異なる場合の基礎コンクリートは原則として階段状にして傾斜基礎としないものとする。

第82条 積み方

1 石積み(張)工に準ずるほか次の各号によるものとする。

(1) のり長の増減は天端コンクリートの施工厚で調整するものとする。

(2) ブロックは使用前にブロックに付着した塵埃汚物を洗いさらなければならない。

(3) 根石ブロックのすえ付けは基礎面に密着せしめ、不陸なく縦合端の接着は特に入念に施工しなければならない。

2 ブロック相互はじゅうぶん強固に結合させ、合端は全面接着させることを原則とする。ただし、曲線部の施工で止むを得ない場合は、最大合端幅3cmまで施工することができる。

3 練り積み及び裏込めコンクリートの場合は、胴まわりにじゅうぶんコンクリートを突きこみ擁壁全体が一体となるよう入念に施工しなければならない。

4 ブロックの練り積みの1日の積み上げ高さは1.2m程度とし、一度積んだブロックは衝撃を与えてはならない。

5 ブロック積みは、10~20m間隔に、異形ブロックを使用し施工目地若しくは隔壁を設けなければならない。特に曲線部にあっては扇形目地の合端施工を適切にするものとする。この場合は監督員の承諾を得なければならない。

第5節 コンクリート擁壁工

第83条 一般

1 コンクリート擁壁工の基礎は、設計図書に従い第3章第2節基礎工に準じて入念な施工をしなければならない。

2 伸縮目地、排水孔の設置は設計図書又は特記仕様書によるほか監督員の指示を受けなければならない。

3 コンクリートの1回の打設高さは、あらかじめ監督員の承諾を受けなければならない。打ち継ぎ目の施工については、第4章無筋・鉄筋コンクリート工の当該各項によって施工し、裏詰め栗石を施工する場合は1回の立ち上り毎に所定の栗石量を入念にてん充しなければならない。

4 コンクリート擁壁工のコンクリートは第4章無筋、鉄筋コンクリートの各条項に準じて施工しなければならない。

第6節 鉄線籠工

第84条 据付け

1 籠工の継籠を行う場合、施工の順序、継目の位置、継目処理についてあらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

2 布設にあたっては、図面に従い床ごしらえのうえ、間割りをして籠頭の位置を定めなければならない。なお、詰石の際のり肩及びのり尻の屈折部が特に偏平にならないように留意しなければならない。

3 蛇籠間の連結は、特記仕様書に指示する場合のほか、のり長1mごとに蛇籠用鉄線と同一規格の鉄線で緊結しなければならない。

4 開口部は詰石後、籠を形成するものと同一の規格の亜鉛引鉄線をもって緊結しなければならない。

5 水中施工など特殊な施工については、監督員と協議しなければならない。

6 ふとん籠、その他の異形籠については、1項から4項までに準じて施工しなければならない。

第85条 詰石工

1 詰石は、堅硬で風化その他の影響をうけにくい良質なもので、継目よりも大きなものでなければならない。

2 詰石にあたっては、外廻りになるべく大きい石を選び籠の先端から逐次詰め込み、できるだけ空げきを少なくし、所定量を充てんしなければならない。

第7節 捨て石工

第86条 一般

1 請負者は石の捨て込みに先だって丁張及び床こしらえの検査を受けなければならない。

2 捨て石の整置にあたっては次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

(1) 被覆捨て石の表面ならしは特に大石をもってのり面下部よりすべて控築として施工し偏平な石を表面に張ってはならない。

(2) 石組みは、胴の接着を図り必ず隣石につけ、空げきを最小限にとどめるよう石の配置を適切にしなければならない。

(3) 捨て石間の空げきは、石のすえ付け時に適当な石で間詰めをし、積み上げた後からの間詰めはしてならない。

第8節 セメント類吹付工

第87条 セメントモルタル・ソイルセメント・コンクリート吹付工

1 第2項から第10項までによるほか材料の種類及び品質配合等についてはコンクリート標準示方書によるものとする。

2 吹付面が岩盤の場合は浮石をかき落し、コンクリートの場合は、目荒しをしたのち十分清掃するものとする。吹付面が吸水性の岩の場合は十分吸水させなければならない。

3 吹付箇所において、ゆう水のおそれのある箇所の処置については監督員の指示によらなければならない。

4 鉄網は、仕上面より適当な被覆を確保し、かつ吹付等により移動しないよう、のり面に十分固定しなければならない。また、鉄網の継手は、少なくとも2網目以上かさねなければならない。

5 ノズルは、原則としてその先端が吹付け面に対してほぼ直角になるよう保持し、吹付けるものとする。

6 1日の作業の終了時又は休憩時には、吹付けの端部が次第に薄くなるように施工しこれに打継ぐ場合は、この部分をよく清掃し、かつ、湿らして吹付けなければならない。

7 裏面及びかどの部分は、吹付速度をおそくして、ていねいに吹付けなければならない。こて等で表面仕上げを行う場合は、吹付けた面とコンクリートモルタル等の付着をよくするように仕上げなければならない。

8 吹付のり面の土質が土砂混りの場合は、吹付に際して、吹付圧により土砂が散乱しないよう十分打ち固めなければならない。

9 吹付けに際しては、他の構造物を汚染しないよう、またはね返り物は、すみやかに処理してサンド・ポケットなどが出来ないよう施工しなければならない。

10 層に分けて吹付ける場合は、層のなじみのよい時間及び清掃について留意しなければならない。

第9節 芝付工

第88条 一般

1 盛土のり面及び平場には芝の生育に適した土を所定の層厚に敷き十分突固めて、丁張にあわせて一層ごとに土羽板などをもって打ち固め、これを繰り返しながら所定の高さに仕上げなければならない。

2 芝付けに使用する芝は、現場搬入後も高く積み重ねたり、長期間日光にさらしてはならない。

第89条 張芝工

1 張芝工に際しては、締固めたのり面に芝を敷き並べ、土羽板をもって軽くたたいて土羽面と密着させるものとする。次に湿気ある衣土をもって表面に均一にふりかけ、土羽板で打ち固めなければならない。張芝の脱落を防止するため張芝一枚当り2本以上の目串で固定するものとする。

第90条 筋芝工

1 筋芝を施工するときは、土羽打ちを特に入念に行い、のりにあわせて表面を平らに仕上げ、生芝を水平に敷きならべ、芝の小口をのり面にあらわし、上に土をおいて十分締め固めたのち次の層を施工しなければならない。また天端には耳芝を施すものとする。

第10節 種子吹付工、播種工、人工芝工、植生穴工

第91条 一般

1 材料の種類、品質、配合については、特記仕様書に示すものとするが、施工の時期は原則として冬期をさけなければならない。

2 肥料は、尿素、化成肥料を使用するのを原則とし、窒素、燐酸、加里の3成分の配合については、あらかじめ土壌の肥よく度を考慮して決定しなければならない。

3 種子土面は、長期間そのままに放置せず、すみやかに散水等により養生しなければならない。また、養生剤の吹付けは、種子上面の浮き水の水ひきに適合して行うものとする。

第92条 種子吹付工

1 土は、種子の生育に有害な雑物、有機不純物を含まない粘土質のものとし、使用する土は、あらかじめふるいにかけ、石礫、土塊などを取り除かなければならない。

2 吹付面の浮上、その他の雑物は取り除き、はなはだしい凹凸は整正しなければならない。

3 吹付面が乾燥している場合は、吹付けにつれて順次散水し十分に湿らさなければならない。

4 吹付けにあたっては、一様の厚さになるようにしなければならない。

5 吹付距離及びノズルの角度は、吹付面の硬軟に応じて調節し、吹付面を荒らさないように注意しなければならない。

第93条 播種工

1 播種にあたっては、のり面の直角方向に深さ3cm程度かき起し、種子が均一にむらのないようにまき付け、衣土をもって埋め、土羽板をもって打ち固めなければならない。

第94条 人工筋芝工

1 人工筋芝工は、所定の厚さの層となるよう締め固め土羽打を行い人工芝が1cm程度土羽面から出るよう連続して一直線に敷きならべ、これを繰り返して所定の高さに仕上げなければならない。

第95条 人工張芝工

1 人工張芝工は、人工芝張立てに先立って、のり面を凹凸のないように入念に仕上げ、人工張芝の張立完了後、ベースマットの上から衣土を散布し、種子面とのり面が密着するよう施工しなければならない。人工芝の脱落を防止するため目串等で固定するものとする。

第96条 植生穴工

1 播種後、種子の流出を防止するとともに、地中の水分を保持するため、すみやかに表面に乳剤などを散布して保護しなければならない。

第11節 コンクリートブロック製作及び据付け

第97条 製作

1 一般

(1) 〉ヤードの施設及びブロックの製作方法については、監督員と協議しなければならない。

(2) コンクリートブロックの形状及び寸法については設計図書又は特記仕様書に定めるものとする。

(3) コンクリートの施工については第4章を適用するものとする。

(4) 型わくは、組立て解体が容易であって継ぎ手の密着が完全なものでなければならない。

(5) 型わくは、ボールト、ピン、クリップ等適当な締め付け金具をもって堅固に組み立て、継ぎ手からモルタルが漏えいすることのないよう措置を講じなければならない。

(6) 型わくの取りはずし時期については、監督員の承認を受けなければならない。

第98条 運搬及び仮置(転置を含む。)

1 つり上げ

コンクリートブロックのつり上げ時期については、監督員の承諾を得なければならない。

2 運搬及び仮置

運搬及び仮置の場所については、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第99条 据付け

1 L型ブロック、セルラーブロック、ブロック(方塊)及び直積消波ブロック。

(1) 据付の方法、時期については、監督員と協議しなければならない。

(2) 海中に仮置されたブロックを据付する場合は、ブロックの接触面に付着している貝、海草等を取除かなければならない。

2 異形ブロック

(1) 据付の時期方法については、監督員と協議しなければならない。

(2) ブロック層における自然空げきには、間詰石のそう入や転落石のはまり込みがあってはならない。

(3) 基礎面とブロックの間又はブロックとブロックの間に、かい石等をしてはならない。

(4) 据付けに当っては、ブロック相互のかみ合せに留意するとともに、不安定な孤立の状態が生じないよう施工しなければならない。

第12節 柵工

第100条 柳枝工

1 のりごしらえを行ったのち、くい木を所定間隔に垂直に打ち込み、くい頭は打ちそろえるものとする。

2 柳そだは、その元口を上流側に向け、ます内に均一に敷ならべ、つぎに帯梢で柵を施工しなければならない。

第101条 ぐり石そだ工

1 ぐり石そだ工は、柳枝工に準じ帯梢で柵を施工し、中詰めぐり石の表面は、ごぼう張りに仕上げなければならない。

第13節 水替及び瀬替等

第102条 仮排水工

1 排水は現地の状況に応じて電動機、発動機等を使用して行い、その規模は排水量及び浸透水湧水等を考慮して決めなければならない。

2 仮締め切りは、流水、その他に対して安全な高さ及び構造をもつように施工し、それを溢流による被害を最小限度に防止するようにしなければならない。

3 仮水路又は瀬替えは工期を考慮して流水の安全な疎通を図り、かつ安全な工法でなければならない。

第14節 その他

第103条 アスファルトのり覆工

1 のり面は設計図書に従い平坦に仕上げなければならない。また、アスファルトコンクリートは一般に転圧機によって締め固める必要があるので基礎面はその効果を上げられるよう仕上げなければならない。

第104条 コンクリートのり枠工及びコンクリート張工

1 現場打コンクリートわく工ではすべり止めに用いるくいや、PC鋼材等の連けい効果を十分考慮しながら施工しなければならない。

2 コンクリート張工を施工する場合のり面はコンクリート板と地山に空洞が生じないよう、よく締め固めなければならない。

第105条 その他の材料の法枠工

1 その他の法枠工については監督員と協議の上施工しなければならない。

第106条 植石工

1 植石に使用する石は、コンクリートの付着をよくするため施工直前に表面を洗い、コンクリート打ち込みに続いて、ていねいに植え込むものとする。

2 植え込みに際しては、長手を控にし、のり面に直角に施工しなければならない。

3 その他は、コンクリート張り工に準じて施工しなければならない。

第107条 排水工

1 フィルター材料は、透水性及び粒度配合のよい砂又は切込砂利等を使用しなければならない。

2 コンクリート擁壁、のり面張コンクリート等を施工する場合は、水抜き、排水工などについて、監督員と協議しなければならない。

第108条 境界ぐい工

1 境界ぐいの設置位置は監督員の指示によるものとし、設置に際して隣接所有者と問題が生じた場合は、すみやかに監督員に報告しなければならない。

2 くいの設置は、地上30cmを残して埋設するものとし、埋設箇所が岩盤で、規定の深さまで掘削することが困難な場合は、監督員の承諾を得て指示された深さの岩盤上に定着するものとする。

3 くいの設置は、特に指示する場合を除き、くいの中心点を用地境界線上に一致させ、「長与町」の文字が、内側になるようにしなければならない。

第4章 無筋・鉄筋コンクリート

第1節 通則

第109条 一般

1 この仕様書及び特記仕様書に示されていない事項については、土木学会制定「コンクリート標準示方書」によるものとする。

2 コンクリートは、所要の強度、耐久力及び水密性を有し、均等質のものでなければならない。

第110条 材料の貯蔵

1 セメントは防湿的な構造を有するサイロ又は倉庫に、品種別に区別して貯蔵しなければならない。

2 セメントを貯蔵するサイロは、底にたまって出ない部分ができないようにしなければならない。袋詰めセメントの場合は、地上30cm以上の床の上に貯蔵しなければならない。またその積み重ねは13袋以下としなければならない。

3 貯蔵中いくぶんでも固まったセメントは、これを工事に用いてはならない。長時間貯蔵したセメントは、これを用いる前に試験をしてその品質を確かめなければならない。

4 骨材は、それぞれ粒度別に貯蔵し、ごみ、どろ、その他異物が混入しないよう、かつ、大小粒が分離しないようにするとともに、貯蔵敷地全面の排水をはかるように留意しなければならない。

5 鉄筋は、直接地上に置くことを避け倉庫内又は適当な覆いをして貯蔵しなければならない。

6 混和剤は、ごみ、その他の不純物が混入しないように貯蔵しなければならない。粉末状混和剤は、吸湿したり、固まったりしないよう貯蔵し、液状の混和剤は分離したり変質したりしないように貯蔵しなければならない。

7 混和材料に異状を認めたときは、これを用いるまえに試験をして、その品質を確かめなければならない。

第2節 配合

第111条 配合

1 コンクリート配合は、所要の強度、耐久性、水密性及び作業に適するワーカビリチーをもつ範囲内で、単位水量をできるだけ少なくなるように定めなければならない。

2 施工に先立ち、あらかじめ配合試験を行い、所要の品質を確かめて次表により監督員の承諾を得なければならない。

示方配合表

粗骨材の最大寸法

(mm)

スランプ

(cm)

空気量

(%)

単位水質W

(kg)

単位セメント量C

(kg)

水セメント比W/C

(%)

絶対細骨材率

s/a(%)

単位細骨材量S

(kg)

単位組骨材量G

(kg)

単位混和材(剤)(cc又はg)

3 示方配合を現場配合に直す場合は、骨材の表面水量試験及び、ふるい分け試験の結果に基づき請負者が行うものとする。

4 使用する材料を変更し、又は示方配合の修正が必要と認められた場合は、配合を修正し資料を提出して監督員の承諾を得なければならない。

5 セメント混和材料の使用にあたっては、材量の品質に関する資料を監督員に提出しなければならない。

第3節 計量及び練りまぜ

第112条 材料の計量

1 各材料は、一練り分ずつ重量で計量しなければならない。ただし、水及び混和剤溶液は容積で計量してよい。なお、一練りの量は、ミキサーの適正容量でなければならない。

2 各材料の計量の誤差は、次表の値以下でなければならない。

計量の許容誤差

材料の種類

許容誤差(%)

1

セメント及び混和材

2

骨材

3

混和剤溶液

3

3 混和剤を溶かすのに用いた水又は混和剤をうすめるのに用いた水は使用水量の一部とする。

4 簡易な構造物で、監督員の承諾を得た場合は、骨材を容積で計量することができる。この場合細骨材の表面水によるふくらみについて考慮しなければならない。

5 計量装置は、取付後試験を行い、その結果を監督員に提出しなければならない。

6 計量装置の点検は定期的に行い、常に計量誤差を所定の値以内に維持しなければならない。

第113条 機械練り

1 コンクリートの練り混ぜには、可傾式又は強制練りバッチミキサーを用いなければならない。

2 コンクリート材料は、練り上がりコンクリートがプラスチックで均等質となるまで十分にこれを練り混ぜなければならない。

3 練り混ぜ時間は試験によって定めるのを原則とする。

練り混ぜ時間は、ミキサー内に材料を全部投入したのち、可傾式ミキサーを用いる場合1分30秒以上、強制練りミキサーを用いる場合1分以上とするのを標準とする。

4 練り混ぜは、前項3に示した所定の時間の3倍以上これを行ってはならない。

5 ミキサー内のコンクリートを全部取り出したのちでなければミキサー内にあらたに材料を投入してはならない。

6 ミキサーは使用の前後にこれを十分清掃しなければならない。

7 ミキサーは練り上りコンクリートを排出する時に材料の分離をおこさないものでなければならない。

第114条 練返し

コンクリートは、固まり始めた場合これを練り返して用いてはならない。

第115条 手練り

1 簡易な構造物で監督員の承諾を得た場合に限り手練りによることができる。

2 手練りは水密性の練り台の上でこれを行わなければならない。練り混ぜは、色合いが一様で、プラスチックで均等質となるまでこれを続けなければならない。

第4節 レデーミクストコンクリート

第116条 一般

1 レデーミクストコンクリートを使用するときは、原則としてJIS A 5308(レデーミクストコンクリート)によらなければならない。

第117条 工場の選定

1 工場の選定に際しては、現場までの運搬時間、コンクリートの製造能力、運搬車数、工場の製造設備、品質管理状態等を考慮しなければならない。

2 工場選定報告書を監督員に提出し承諾を得なければならない。

第118条 品質

1 JIS指定工場の標準品コンクリート並びに特注品コンクリートの配合については、製造会社の材料試験結果、配合の決定に関する資料を提出するものとする。

2 JIS指定工場の規格外品コンクリート及びJIS指定工場でない工場で製造したレデーミクストコンクリートの配合については、製造会社の材料試験結果、配合の決定に関する資料を監督員に提出し承諾を得なければならない。

第5節 運搬及び打込み

第119条 運搬車

1 運搬車は、練り混ぜたコンクリートを十分均一に保持し、材料の分離を起こさずに、容易に完全に排出できるトラックアジテーダを使用することを原則とする。なお、運搬車にダンプトラック等を使用する場合は、その荷台が平滑で防水的なものとする。

第120条 特殊運搬装置

1 コンクリートポンプを用いる場合の輸送管の配置は、できるだけ曲りを少なくし、なるべく水平あるいは上向きに配置し、吐き口は適当に移動できるようにする。またコンクリートブレーサ、ベルトコンベアその他を用いる場合も、材料の分離を防ぐよう配置しなければならない。

第121条 縦シュート

1 縦シュートは、管を継ぎ合わせてつくり、自由に曲がるようなものとしなければならない。

第122条 斜めシュート

1 やむを得ず、斜めシュートを使用する場合は、材料の分離を起さないよう留意すること。なお、材料の分離が認められた場合は、シュートの吐き口に、受け台を設け、コンクリートをこれに受け、練り直してから用いなければならない。

2 シュートは鉄製又は鉄板張り等で、全長にわたってほぼ一様な傾きをもち、その傾きは、コンクリートが材料の分離をおこさないものでなければならない。

3 シュートの下端とコンクリートの打ち込み面との距離は、1.5m以下でなければならない。

第123条 打ち込み準備

1 コンクリート運搬を始める前に、運搬装置の内部についているコンクリート及び雑物は除かなければならない。

2 打込みの前に、打つ場所を清掃し、すべての雑物を除き鉄筋のある場合は鉄筋を正しい位置に固定し、木製型枠等は、十分にぬらさなければならない。

3 コンクリート打込みに先立ってモルタルを敷く場合には、打設するコンクリート中のモルタルと同程度のモルタル配合とする。

第124条 コンクリート打ち込み

1 コンクリートの一作業区画内にコンクリートを打ち込む順序は、施工設備の能力、労働力、天候などを考慮して構造物の強度、耐久性及び外観を損するおそれが最も少ないように定めなければならない。

2 監督員が指示する構造物については1回(1日)のコンクリート打設高を、監督員と協議しなければならない。その他の構造物については、施工計画書に明記しなければならない。

3 コンクリートはすみやかに運搬し、直ちに打ち込まなければならない。特別の事情で直ちに打ち込むことができない場合でも練り混ぜてから打ち終るまでの時間は、高温度で乾燥しているときで1時間、低温で湿潤なときでも2時間をこえてはならない。この時間中、コンクリートは日光、風雨などに対して保護し、相当な時間がたったものは打ち込むまえに水を加えないでこれを練り直さなければならない。

4 コンクリートは、型わく内に入れた後、できるだけ移動させる必要がないようにこれを打ち込まなければならない。

5 コンクリートの運搬又は打ち込み中に、材料の分離を認めたときは、練り直して均等質なコンクリートにしなければならない。

6 コンクリートを打ち込むときの一層の高さは、一作業区画のコンクリート体の大きさを、形及びコンクリートのコンシステンシー締め固め方法などに応じ均等質で密実なコンクリートがえられるよう適当に定めなければならない。内部振動機を用いる場合、一層の高さは一般に40cm以下を標準とする。

7 型わくの高さが大きい場合には材料の分離を防ぐため、また、打ち込んでいる層の上部にある鉄筋及び型わくにコンクリートが付着して硬化するのを防ぐために、型わくに投入口を設けるか、又は縦シュートなどを用いてコンクリートを打たなければならない。

8 コンクリートの打ち込み中、表面に浮き出た水は、適当な方法で、すみやかにこれを除かなければならない。

9 一作業区画内のコンクリートは、原則としてこれを完了するまで連続して打たなければならない。

第125条 締固め

1 コンクリートは、打ち込み中及びその直後、十分にこれを締固め鉄筋の周囲あるいは型枠のすみずみに行き渡るようにしなければならない。なお締固めには内部振動機を用いるのを原則とし、作業にあたっては、鉄筋、型枠等に悪影響を与えないよう注意しなければならない。

第126条 打ちたし

1 コンクリートがいくぶん固まり始めているときに、その上にコンクリートを打ちたす場合には、上層下層のコンクリートが一体となるように、施工しなければならない。

2 スラブ又ははりのコンクリートが壁又は柱のコンクリートと連続している場合には、壁又は柱のコンクリートの収縮及び沈下に備えるために、壁又は柱のコンクリートを打込んだ後、2時間以上たってからスラブ又ははりのコンクリートを打つことを標準とする。なお、張出し部分をもつ構造物の場合にも同様にして施工するものとする。

第6節 養生

第127条 養生

1 コンクリートは打ち込み後、低温、急激な温度変化、乾燥、荷重、衝撃等の有害な影響をうけないよう十分にこれを養生しなければならない。

2 コンクリートの露出面は、むしろ、布、砂などをぬらしたものでこれを被うか、又は散水し、打込後少なくとも次表の期間常に湿潤状態を保たなければならない。

高炉セメントB種

普通ボルトランドセメント

早強ボルトランドセメント

7日以上

5日以上

3日以上

第7節 継目及び表面仕上げ

第128条 施工継目

1 設計図又は施工計画に定められていない打継目は、原則としてこれをつくらないものとするが、やむを得ず打継目を設ける場合には、構造物の強度及び外観を害しないように、その位置方向及び施工方法を定め、監督員の承諾を得なければならない。また、鉄筋は、打継目を通して連続させなければならない。

2 せん断力にたいして打継目を安全にする必要のある場合には、ほぞ又はみぞをつくるか、打継目に適当な鋼材、接着剤をほどこさなければならない。鋼材を用いる場合、長さは直径の40倍以上と両端フックをつけ、長さの半分ずつ新旧コンクリートに埋め込むものとする。

3 硬化したコンクリートに新コンクリートを打ち継ぐ場合には、その打ち込み前に、型枠をしめ直し硬化したコンクリートの表面のレイタンス、ゆるんだ骨材粒、品質の悪いコンクリート雑物などを完全に取り除き十分に吸水させなければならない。

4 柱の水平な継目は、柱と床組みとの境の付近に設けるものとする。

5 床組みにおける打継目は、版又ははりのスパンの中央付近に設けなければならない。ただし、はりがそのスパンの中央で小ばりと交わる場合には、小ばりの幅の約2倍の距離を隔ててはりの継目を設け、継目をとおる斜めの引張鉄筋を用いせん断に対して補強しなければならない。

6 伸縮継目の目地材は、設計図書又は特記仕様書に示されたものとし、明示されない場合については杉板乾燥材又は歴青系目地材厚1.0cm程度を使用し施工間隔は1.0cmを標準とする。

第129条 アーチのコンクリート打ち

1 アーチのコンクリートは、その端面がなるべくアーチ軸と直角になるようにこれを進めなければならない。

2 アーチにおけるコンクリートは、セントルの狂いをなるべく少なくするようにアーチの中心に対し、左右対称に同時に打たなければならない。

3 アーチの打継目は、アーチ軸に直角となるようにこれを設けなければならない。また、アーチの幅が広いときでスパン方向の鉛直打継目を設ける場合は、監督員の承諾を得なければならない。

第130条 表面仕上げ

1 せき板に接する露出面となるコンクリートは、完全なモルタルの表面が得られるように打ち込み締固めなければならない。

2 せき板に接しない仕上げ面は、締固めを終りほぼ所定の高さ及び形にならしたコンクリートの上面に、しみ出した水がなくなるか又は上面の水を処理した後でなければこれを仕上げてはならない。仕上げには、木ごてを用いるものとし仕上げ作業は過度にならないように注意しなければならない。また、なめらかで密実な表面を必要とする場合には作業が可能な範囲でできるだけ、おそい時間にかなごてで強い力を加えてコンクリート上面を仕上げなければならない。

第8節 型わく工及び支保工

第131条 一般

1 型わく工及び支保工はコンクリート部材の位置、形状及び寸法が正確に確保され満足なコンクリートが得られるようにこれを施工しなければならない。

2 型わくは、容易に組立て及び取りはずすことができ、モルタルのもれない構造にしなければならない。

3 特に指定のない場合でも、コンクリートのかどに面取りができる構造としなければならない。

4 監督員の指示する構造物の型わく及び支保の取りはずし時期は監督員と協議しなければならない。

5 スパンの大きい部材の型わく工及び支保工には、適当な上げ越しをつけなければならない。

第132条 支保工

1 支保工は、十分な支持力をもたなければならない。特に支柱は沈下しないようそのうける荷重を適当な方法で地盤に分布させ、高さが大きいときは、つなぎ及びすじかいを設けなければならない。

第133条 型わくの組立て及び取りはずし

1 せき板を締めつけるには、ボルト又は棒鋼等を用い、これらの締めつけ材は、型わくを取はずした後、コンクリート表面に残しておいてはならない。

2 支承、支柱、仮構などは、くさび、砂箱、ジャッキなどで支え振動衝撃などを与えないで容易に型わくを取りはずせるようにしなければならない。

3 責任技術者の承諾を得た場合でなければ、鉄線を締付け材として用いてはならない。

第134条 塗布

1 型枠の内面に、はく離剤又は鉱油を塗布する場合は、平均に塗布し、鉄筋に付着しないようにしなければならない。

第9節 鉄筋工

第135条 鉄筋の加工

1 鉄筋は、図面に示された形状及び寸法に正しく一致し、しかも材質を害しない方法で加工しなければならない。

2 図面に鉄筋の曲げ半径が示されていないときは、第4項から第7項までに従って鉄筋を加工しなければならない。

3 鉄筋は常温で加工するのを原則とする。やむを得ずこれを熱して加工するときは、監督員と協議しなければならない。

4 普通丸鋼のフックは、常に半円形とし、半円形の端から鉄筋直径の4倍以上で6cm以上まっすぐに延ばさなければならない。異形鉄筋のフックは、半円形フックの場合には、半円形の端から鉄筋直径の4倍以上で6cm以上まっすぐ延ばすものとし、直角フックの場合には折曲げてから鉄筋直径の12倍以上まっすぐに延ばさなければならない。

鉄筋端部のフックの形状

φ:鉄筋直径

画像

画像

画像

半円形フック

直角フック(異形鉄筋)

鋭角フック(異形鉄筋)

φ:鉄筋直径

(普通丸鋼及び異形鉄筋)

r:鉄筋の曲げ内半径(表1)

フックの曲げ半径は次表の値以上とする。

曲げ内半径

種類

記号

曲げ内半径(r)

フック

スターラップ及び帯鉄筋

熱間圧延棒鋼

1種

SR24

2種

SR30

2.5φ

熱間圧延異形棒鋼

1種

SD24

2種

SD30

2.5φ

3種

SD35

2.5φ

4種

SD40

2.5φ

冷間加工異形棒鋼

1種

SDC40

2.5φ

φ:鉄筋直径

5 スターラップに異形鉄筋を用いる場合で、定着に直角フック又は鋭角フックを用いるときには、その端部は折曲げてから鉄筋直径の6倍以上で6cm以上まっすぐ延ばすものとする。帯鉄筋に異形鉄筋を用いる場合は、原則として半円形フック又は鋭角フックを設ける。この場合、鋭角フックは折曲げてから鉄筋直径の6倍以上で6cm以上まっすぐ延ばすものとする。スターラップ及び帯鉄筋の曲げ内半径は上表の値以上とする。

6 折曲鉄筋の曲げ内半径は、鉄筋直径の5倍以上でなければならない。コンクリート部材の側面から2φ+2cm以内の距離にある鉄筋を折曲鉄筋として用いる場合には、その曲げ内半径を鉄筋直径の7.5倍以上としなければならない。

画像

φ:鉄筋直径 φ:鉄筋直径

7 ラーメン構造のぐう角部の外側に沿う鉄筋の曲げ内半径は、鉄筋直径の10倍以上でなければならない。

第136条 鉄筋の組立

1 鉄筋は組立てるまえにこれを清掃し浮きさびや、鉄筋の表面についたどろ、油、ペンキその他鉄筋とコンクリートの付着を害するおそれのあるものは、これを除かなければならない。

2 鉄筋は、正しい位置にこれを配置し、コンクリートを打つときに動かないよう十分堅固に組立てなければならない。また、鉄筋の交点の要所は、直径0.9mm以上の焼なまし鉄線又は適当なクリップで緊結しなければならない。

3 鉄筋とせき板との間隔は、スペーサーを用いて正しく保たなければならない。

4 監督員の指示した構造物の鉄筋の組立完了後は監督員の検査を受けなければならない。

5 鉄筋は、組立ててから長日時たったときには、コンクリート打ちの前に再び組立の検査をし、これを清掃しなければならない。

第137条 鉄筋の継手

1 設計図書に示されていない鉄筋の継手を設けるときは、継手の位置及び方法は第5項から第8項までに従ってこれを定め、監督員の承諾を得なければならない。

2 鉄筋の重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて堅固に緊結しなければならない。

3 鉄筋の継手に溶接継手、機械継手、スリーブ継手等を用いる場合は、鉄筋の種類、直径及び施工箇所に応じ、最も適当な施工方法を選んで行わなければならない。

4 将来の継ぎたしのために構造物から露出しておく鉄筋は、損傷腐触等をうけないように、これを保護しなければならない。

5 鉄筋の継手位置は相互にずらして、一断面に集めてはならない。また、応力の大きい部分では鉄筋の継手をできるだけさけなければならない。

6 引張鉄筋の重ね継手は、つぎの式で求めた長さl以上で、20φ以上、重ね合わせなければならない。

l=σsa/4τoa φ

ここにσsa:鉄筋の許容引張応力度

τoa:コンクリートの許容付着応力度

φ:鉄筋の直径

引張鉄筋の端部に半円形フック又は直角フックをつけた場合には、この値の2/3としてよい。

丸鋼の端部には半円形フックをつけなければならない。

7 圧縮鉄筋の重ね継手は6の式で求めたlの80%以上で20φ以上重ね合わせなければならない。圧縮鉄筋の重ね継手では、フックをつけた場合でも、重ね合わせ長さを減じてはならない。

8 引張鉄筋に溶接継手、機械継手、スリーブ継手を用いる場合には、継手部の強度低下を試験によって確認しなければならない。

第138条 ガス圧接

1 鉄筋のガス圧接箇所が図面と異なる場合は、監督職員の承諾を得なければならない。

2 圧接面のさび、油、ペイント、セメント等の付着物は、グラインダー又はヤスリ等で除去しなければならない。

3 鉄筋圧接面は、軸方向に対し80°以上、かつ、鉄筋の突き合わせたときの片口底間隔は3mmを超えないようにきょう正しなければならない。

4 圧接方法は、両鉄筋を圧接後軸方向の食い違いが鉄筋径の1/5以内であるようにきょう正し、二つ以上のバーナー火口で周囲をまんべんなく加熱し、接合部が鉄筋径の1.4倍以上にふくらむまで加圧と加熱を続けなければならない。

5 降雪雨又は強風等の時は作業をしてはならない。ただし、作業が可能なように、遮へいした場合は作業を行うことができる。

第10節 暑中コンクリート

第139条 一般

1 炎熱下において施工するコンクリートは、材料、配合及び施工について特に注意しなければならない。

第140条 材料

1 高温のセメントは用いてはならない。

2 長時間炎熱にさらされた骨材は、そのまま用いてはならない。

3 水は、できるだけ低温度のものを用いなければならない。

第141条 コンクリート打ち

1 コンクリートを打ち始めるまえに、地盤、基礎等コンクリートから吸水するおそれのある部分は十分にぬらさなければならない。熱せられた地盤、その他の上にコンクリートを打ってはならない。

2 コンクリートの温度は、打ち込みのとき35℃以下でなければならない。

3 コンクリートの運搬装置は、運搬中にコンクリートが乾燥したり、熱せられたりしないようなものでなければならない。

4 練り混ぜたコンクリートは、1時間以内になるべく早く打ち込まなければならない。

5 コンクリートのスランプが減って、打ち込みが困難な場合には、セメントペーストの量を増さなければならない。

第142条 養生

1 コンクリートを打ち終わるか、又は施工を中止したときには、日光の直射をさけ、風を防ぎ、表面を湿潤に保つようにコンクリートを直ちに保護しなければならない。

第11節 寒中コンクリート

第143条 一般

1 寒中コンクリートを施工する場合には、材料、配合、養生方法などについて監督員と協議しなければならない。

2 日平均気温が4℃以下になると予測されるときは、コンクリートの施工について適切な処置をとらなければならない。

第144条 材料

1 凍結しているか、また氷雪の混入している骨材をそのまま用いてはならない。

2 水及び骨材を熱する装置、方法、温度等については監督員と協議しなければならない。

3 セメントは、どんな場合でも直接にこれを熱してはならない。

第145条 コンクリート打ち

1 熱した材料をミキサーに投入する順序は、セメントが急結を起さないように定め、コンクリートの練り混ぜ、運搬及び打ち込みは、熱量の損失をなるべく少なくするように処理し、コンクリートの温度は、打ち込みのとき10℃~20℃を原則とする。

2 凍結している地盤上にコンクリートを打ち込んではならない。鉄筋型わく等に氷雪が付着しているときは、取り除かなければならない。

第146条 養生

1 コンクリートを打ち終わるか、又は施工を中止したときは、凍結しないよう十分保護し、特に風を防がなければならない。保護方法については監督員の承諾を得なければならない。

2 コンクリート打設後3日間は、コンクリートの温度を約10℃以上に保つのを標準とする。

第147条 凍害のコンクリート

1 凍結によって害を受けたコンクリートは、これを除かなければならない。

第12節 特殊コンクリート

第148条 水中コンクリート

1 水中コンクリートの施工方法については、監督員と協議しなければならない。

2 コンクリートはこれを静水中に打たなければならない。

3 コンクリートは、水中を落下させてはならない。

4 コンクリートは、その面をなるべく水平に保ちながら、所定の高さ若しくは水面上に達するまで連続してこれを打たなければならない。

5 レイタンスの発生を少なくするため、打ち込み中コンクリートをできるだけかきみださないように注意しなければならない。

6 コンクリートが硬化するまで、水の流動を防がなければならない。

7 コンクリートは、トレミー又はコンクリートポンプを使用して打ち込まなければならない。ただし、底開きの箱又は底開きの袋を使用する場合は、監督員の承諾を得なければならない。

8 トレミーは、水密でコンクリートが自由に落下できる大きさを持ち、打ち込み中常にコンクリートで満たされていなければならない。

9 底開き箱及び底開き袋

(1) 底開き箱及び底開き袋は、その底がコンクリート打ち込み面上に達した際コンクリートが容易に吐出できる構造でなければならない。

(2) 打ち込みにおいて、底開き箱及び底開き袋は、静かに水中におろしコンクリートを吐出した後コンクリートから相当離れるまで徐々に引上げなければならない。

第149条 海水の作用を受けるコンクリート

1 海水の作用を受けるコンクリートは、その打ち込み、締固め、養生などの方法について、監督員と協議しなければならない。

2 最高潮位及び最低潮位間でのコンクリートの打継目は、できるだけこれをさけなければならないが、やむを得ず打継目ができる場合は、入念に施工しなければならない。

3 コンクリートは、少なくとも材齢4日になるまで海水と直接に接触しないよう保護しなければならない。

第5章 土工

第1節 通則

第150条 土及び岩の分類

1 土及び岩の分類は下表の通りとする。

土及び岩の分類表

名称

説明

摘要

A

B

C

レキ質土

レキ質土

礫の混入があって掘削時の能率が低下するもの。

礫の多い砂、礫の多い砂質土、礫の多い粘性土

(G)

礫質土(GF)

砂質土及び砂

バケットなどに山盛り形状になりにくいもの。

海岸砂丘の砂

マサ土

(S)

砂質土(普通土)

掘削が容易で、バケットなどに山盛り形状にし易く空げきの少ないもの。

砂質土、マサ土

(S)

粒度分布の良い砂

砂質土(SF)

条件の良いローム

シルト(M)

粘性土

粘性土

バケットなどに付着し易く空げきの多い状態になり易いもの、トラフィカビリティが問題となり易いもの。

ローム

シルト(M)

粘性土

粘性土(C)

高含水比粘性土

バケットなどに付着し易く特にトラフィカビリティが悪いもの。

条件の悪いローム

シルト(M)

条件の悪い粘性土

粘性土(C)

火山灰質粘性土

火山灰質粘性土(V)

有機質土(O)

岩塊

岩塊

岩塊、玉石は粒径7.5cm以上とし、まるみのあるのを玉石とする。

玉石まじり土、岩塊起砕された岩

ごろごろした河床

玉石

玉石

軟岩

軟岩

第三紀の岩石で固結の程度が弱いもの。風化がはなはだしくきわめてもろいもの。指先で離し得る程度のものでき裂間の間隔は1~5cmくらいのもの、及び第三紀の岩石で固結の程度が良好なもの。風化が相当進み多少変色を伴い軽い打撃で容易に割れるもの、離れ易いもので、き裂間隔は5~10cm程度のもの。

弾性波速度700~2800m/sec

石炭質で堅く固結しているもの。風化が目にそって相当進んでいるもの。き裂間隔が10~30cm程度で軽い打撃により離し得る程度、異質の硬い互層をなすもので層面を楽に離し得るもの。

硬岩

中硬岩

石灰石、多孔質安山岩のように、特にち密でなくとも相当の硬さを有するもの。風化の程度があまり進んでいないもの。硬い岩石で間隔30~50cm程度のき裂を有するもの。

2000~4000m/sec

花崗岩、結晶片岩などで全く変化していないもの。き裂間隔が1m内外で相当密着しているもの。硬い良好な石材を取り得るようなもの。

3000m/sec以上

けい岩、角岩などの石英質に富む岩質で最も硬きもの。風化しておらず新鮮なる状態にあるもの。き裂少なくよく密着しているもの。

第151条 準備排水

1 盛土箇所のゆう水は施工前に適当な排水措置を講じなければならない。

2 工事施工中は、滞水を生じないよう常に良好な排水状態に維持しなければならない。

第152条 土取場及び土捨場

1 土取、捨土に先立ち、指定された土取場、土捨場については地形を実測し、資料を監督員に提出しなければならない。ただし、実測困難な場合等はこれに代る資料を提出するものとする。

2 土の採取にあたっては、土取場の維持及び修復について土取場ごとの条件に応じて施工し、土の採取中、土質に変化があった場合はただちに監督員と協議するものとする。

3 指定された土捨場以外に土又は雑物を捨てる場合は監督員と協議するものとする。

4 指定された土捨場及び土取跡の整理については、監督員の指示を得なければならない。

第153条 伐開、除根

1 請負者は伐開除根作業における伐開生産物の処理について監督員と協議するものとする。

2 伐開除根作業終了後は、監督員に報告した後に、次の作業に着手するものとする。

3 伐開除根は、次表を標準として施工するものとする。

区分

種別

雑草・ささ類

倒木

古根株

立木

道路

盛土高1m以上の場合

地面で刈りとる

除去

根元で切りとる

同左

盛土高1m以下の場合

根からすきとる

除去

抜根除去

同左

河川

盛土個所全部

4 用地外の立木の根、又は枝が用地内にひろがっている場合は監督員の指示によって除去しなければならない。

第2節 道路土工

第154条 路床及び路体

1 路床とは盛土仕上り面、掘削仕上げ面下1mの部分をいう。

2 路体とは盛土における路床以外の部分をいう。

第155条 切土一般

1 切取りは、できるかぎり上部から行うものとし、切土中に土質のいちじるしい変化のある場合又は埋設物を発見した場合は、ただちに監督員に報告し指示を得なければならない。

2 ゆう水箇所の施工は事前にその処置につき対策を立てて監督員と協議するものとする。また、施工中の排水についても十分注意しなければならない。

第156条 切土施工

1 切土施工中、自然に崩落、地すべりなどが生じた場合、あるいはそれらを生ずる傾向があるときは、すみやかに監督員と協議するものとする。

2 路床面において所定の支持力が得られない場合又は均等性に疑義がある場合には監督員と協議して施工するものとする。

第157条 岩の切取施工

1 岩石切取り箇所におけるのりの仕上り面近くでは過度な爆破をさけるものとし、浮石等が残らないようにしなければならない。

2 爆破に際しては、安全のため岩石が飛散しないように注意し、特に狭い場所や家屋に近いときは防護柵を施し、おおいをするなど適当な処置をしなければならない。

3 特に大規模な爆破又は坑道爆破を行うときは、あらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

第158条 切土仕上げ

1 指定された勾配で、のり面の安定を欠くおそれのある場合、及び転石等でのり面の不陸を招くおそれのある場合などは、監督員と協議のうえ施工するものとする。

第159条 盛土一般

1 盛土地盤上にへどろ等の予期しない不良土質が現われた場合は、監督員と協議のうえ処理しなければならない。

2 水中盛土を行うときの材料は、監督員の承諾を得なければならない。

3 盛土箇所に管きょ等があるときは、盛土は両側から行い偏圧のかからぬよう入念に締固めなければならない。

第160条 路体盛土

1 路体盛土は、最凹部より各層水平に締固めながら逐次所定の高さまで盛り上げるものとし、一層の仕上り厚さは30cm程度を標準とする。

2 盛土の主材料が岩塊、玉石である場合は、30cm程度以上のものは路体の下部に使用しなければならない。この場合には空げきを細かい材料で充てんしなければならない。

3 1:4より急な勾配を有する地盤上に盛土を行う場合は、段切り等で、盛土と現地盤との密着をはかり、滑動を防止しなければならない。

4 在来道路等の上に薄い盛土を行う場合は、あらかじめその表面をかき起こして新旧一体となるよう入念に締固めなければならない。

5 構造物の隣接箇所や狭い箇所の盛土は、適当な小型締固め機等により入念に締固めなければならない。

6 締固め作業は、土質及び使用機械に応じて適当な含水量の状態で施工するものとし、雨天等悪条件のときは、監督員と協議するものとする。

7 盛土作業中、沈下などの有害な現象のあったときは、すみやかに監督員と協議して処理するものとする。

第161条 路床盛土

1 路床の盛土材料、その最大寸法は、20cm程度を標準とする。

2 路床は、各層水平に締固めながら逐次所定の高さまで盛り上げるものとし、一層の仕切り厚さは20cm程度に仕上げるものを標準とする。

3 路床盛土は、前条第4項から第7項までに基づかなければならない。

4 路床面は、所定の縦横断形を有し、一様で十分な締固め度を得るように仕上げなければならない。

5 片切り、片盛りの接続部には、1:4程度の勾配をもって緩和区間をもうけるものとし、切土、盛土の縦断方向の接続部には、岩の場合1:5以上、土砂の場合1:2.5程度のすり付け区間をもうけて、路床支持力の不連続をさけなければならない。

第162条 軟弱地盤の盛土

1 沈下のおそれのある場所の盛土の丁張は、常時点検しなければならない。

2 沈下量確認方法は、次の各項等について監督員と協議しなければならない。

(1) 運搬車両による確認

(2) 土取場における跡坪測量による確認

(3) 沈下板等による確認

(4) その他必要な記録

3 軟弱地盤及び地下水位の高い上に盛土を行う場合は、すみやかに排水溝等を設け、盛土路床及び路体の乾燥をはからなければならない。

4 盛土の一段階の高さは特記仕様書によるものとし、その沈下を監視しながら監督員の承諾を得た後に、次の盛土に着手しなければならない。

5 工事中予期しない地盤の沈下又は滑動等を生じた場合、あるいはそれらを生ずる傾向があるときは、直ちに工事を中止し、監督員と協議しなければならない。

第163条 路肩の締固め

1 路肩は、一層の仕上り厚を30cm以内とし入念に締固めなければならない。

第3節 河川土工

第164条 築堤一般

1 盛土する地盤上にへどろなどの予期しない不良土質が現われた場合は監督員と協議のうえ処理しなければならない。

2 盛土を行う場合は、あらかじめ、地盤の表面を掻き起こして、新旧一体となるよう入念に締固めなければならない。

3 1:4より急な勾配を有する地盤上に盛土を行う場合は、あらかじめ段切りを行わなければならない。

4 盛土は、最凹部より各層水平に締固めながら逐次所定の高さまで盛り上げるものとし、一層の仕上り厚は30cm程度を標準とする。

5 水中埋立、水中盛土等一層ごとの施工が困難な場合は、施工方法等について、監督員の承諾を得なければならない。

6 構造物の隣接箇所や狭い箇所の盛土は、小型締固め機等により入念に締固めなければならない。

7 盛土に石が混入される場合は、その施工にあたって石が1ヵ所に集まらないように注意しなければならない。

第165条 掘削

1 ゆう水箇所の施工は、あらかじめ監督員と協議しなければならない。

2 水門等の上流側で掘削を行う場合は、流下する土砂その他によって河川工作物の機能に支障をあたえないよう注意しなければならない。水中掘削を行う場合も同様とする。

3 流水に著しい影響を与える場合は、掘削順序、方向又は高さ等についてあらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

4 岩盤切り取りは規定断面に仕上げた後、浮石等が残らないようにしなければならない。

第166条 しゅんせつ一般(河床掘削)

1 しゅんせつの施工区域には標識及び量水標を設置しなければならない。

2 しゅんせつ箇所の土質に著しい変化が認められる場合は、すみやかに監督職員と協議しなければならない。

3 施工中は絶えず水位の変動に注意し、計画深度を誤らないようにしなければならない。

4 しゅんせつ土砂は、指定した捨土箇所に確実に投棄し、運搬中において漏出等のないよう注意しなければならない。

5 捨土は所定の場所に所定の高さにし、表面はできるだけ不陸のないようにしなければならない。

6 指定捨土箇所の作業区域には適当な標識等を設置しなければならない。

第6章 地盤改良

第1節 置換え

第167条 材料

1 使用する材料の種類、品質及び形状寸法については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 採取地を指定する場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 使用する材料は、施工に先立ち見本及び試験成績表を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

第168条 施工

1 施工方法、順序等については、監督員と協議するものとする。

2 置換材料は、所定の区域に確実、かつ、完全に投入し、運搬途中において漏えい等のないように行わなければならない。

3 投入に当っては、濁り当の防止に十分注意しなければならない。なお、濁り防止のため特別の措置を必要とする場合は、特記仕様書の定めによるものとする。

4 置換えの施工によって浮泥が堆積したと認められるときは、監督員と協議するものとする。

第2節 サンドドレーン及びサンドコンパクション

第169条 敷砂

1 材料

(1) 使用する砂は、透水性の良いものとし、粒径については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

(2) 採取地を指定する場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

(3) 使用する砂は、施工に先立ち、見本及び試験成績表を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

2 施工

(1) 前条を準用する。

(2) 敷砂はその中間に透水性を阻害する浮泥等が堆積しないように施工しなければならない。

第170条 砂杭

1 材料

(1) 前条第1項を適用する。

2 施工方法

(1) 施工方法の、順序、測量及び遺形については、監督員と協議しなければならない。

(2) 打込機は、監督員の承諾を得たものでなければならない。

(3) 砂杭施工の際、不十分なものが認められたときは、直ちに監督員の指示にしたがい、打直し等の処置を行わなければならない。

(4) サンドドレーンの砂杭は、砂切れのないように連続して施工しなければならない。

(5) サンドコンパクションは、形成する砂杭が所定の形状寸法で、連続した一様な形状になるように砂を圧入しなければならない。

3 打込記録

請負者は、各本ごとに、次の記録を取り、監督員に提出しなければならない。

(1) ケーシングの打込深度

(2) 砂の投入量

(3) 砂面の変動

(4) 砂の圧入量を示す資料

4 施工管理試験

1 地盤の盛上り量の測定

(1) 砂杭の施工により、地盤に盛上りを生じた範囲については、地盤高を測定するものとする。

(2) 測定間隔及び測定方法は、特記仕様書の定めによるものとする。

(3) 測定時期及び測定範囲については、監督員の承諾を得なければならない。

2 その他の試験等

チェックボーリング、その他の試験を行う場合は、調査及び試験の項目、方法、位置等について、特記仕様書の定めによるものとする。

第3節 ペーパードレーン

第171条 敷砂

1 材料

第169条第1項を適用する。

2 施工

第169条第2項を適用する。

第172条 ペーパードレーン

1 材料

ドレーン用ペーパーの規格は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 施工

(1) 打込機は、自動記録装置を備えたものでなければならない。

(2) ペーパードレーン施工の際、不十分なものが認められた際は、直ちに監督員の指示にしたがい、打直しを行わなければならない。

(3) 施工方法、順序及び測量については、監督員と協議しなければならない。

(4) ペーパードレーンの配置及び施工深度については、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

3 打込記録

打込記録は、ペーパードレーンの各本ごとに打込記録を取り、監督員に提出しなければならない。

第4節 載荷

第173条 材料

1 材料は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第174条 施工

1 施工方法、順序等については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 施工の時期等については、監督員の指示にしたがわなければならない。

3 載荷は、区域内を平均に仕上げるものとし、1箇所に集中して施工てはならない。

第5節 深層混合処理

第175条 材料

1 セメント

第41条を適用する。

2 混和材料

第42条を適用する。

3 水

第43条を準用する。なお、海水を使用する場合は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第176条 材料の貯蔵

第110条を適用する。

第177条 硬化材の配合

硬化材の配合については、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第178条 材料の計量及び練混ぜ

1 材料の計量

第112条を適用する。

2 練混ぜ

練混ぜ設備、練混ぜ時間等については、監督員の承諾を得なければならない。

第179条 試験打ち

試験打ちを行う場合の位置、深度、施工方法等については、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第180条 施工

1 施工方法、順序等については、監督員と協議しなければならない。

2 処理機は、その能力及び性能について、監督員の承諾を得なければならない。

3 施工に先立ち、改良杭の配置、施工目地の位置等の計画について、図面を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

4 改良杭の先端部は、硬化材の注入量を増加するなどの方法により、補強処理を行うものとする。先端部の処理方法については、監督員の承諾を得なければならない。

5 支持層まで改良する場合の打止め深度については、監督員の承諾を得た方法により、処理機の先端が所定の支持層に達したことを確認しなければならない。

6 ブロック式、壁式等の改良杭を接合する構造の場合の施工については、次によるものとする。

(1) 改良杭間の接合は、原則として、24時間以内に施工するものとする。

(2) 不測の原因により施工が中断し、所定の接合が不可能になったときの処置については、監督員の指示に従わなければならない。

(3) 施工目地は、極力密着するように施工しなければならない。

第181条 施工管理試験

施工管理試験については、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第182条 打込記録

請負者は、各改良杭ごとに次の記録を取り、監督員に提出しなければならない。

(1) 硬化材の各材料の計量値

(2) 処理機の先端深度

(3) 撹拌軸の回転数

(4) 撹拌軸の回転トルク又はこれに対応する起動力

(5) 処理機の昇降速度

(6) 処理機の荷重(監督員が必要と認めたとき。)

(7) 硬化材の吐出量

第6節 その他

第183条 新工法等

1 材料は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 施工機械は、監督員の承諾を得たものでなければならない。

3 施工方法、順序等については設計図書又は特記仕様書によるものとする。

第7章 塗装

第1節 通則

第184条 一般

1 工事に従事する塗装工は、同種塗装工事に従事した経験を有する者でなければならない。

第2節 鋼橋塗装

第185条 塗料

1 塗料は、各塗層が相互に判別できる程度に色分けし、工事着工前に塗り見本を提出し監督員の承諾を得なければならない。

2 塗料は、レッテルを完全に保ち、開封しないままで現場に搬入し、規格名称、包装番号、製造年月日は書面で、数量については写真を提出しなければならない。

3 塗料は直射日光を受けない場所に保管し、開罐後は十分にかくはんしたうえ、すみやかに使用しなければならない。

4 2液等の塗料は、混合の際の混合法、混合塗料の状態、可使時間等について使用塗料の仕様を厳守しなければならない。

第186条 さび落とし清掃一般

1 被塗物の表面は塗装に先立ち、さび落とし清掃を行うものとし、素地調整は次を標準とする。

(1) 清浄度1種(1種ケレン)

黒皮、さび、塗膜を充分に除去し、清浄な金属面とする。

(2) 清浄度2種(2種ケレン)

さび、塗膜を除去し、鋼面を露出させる。ただし、くぼみ部分や狭隘部分にはさびや塗膜が残存する。

(3) 清浄度3度(3種ケレン)

さび、劣化塗膜を除去し、鋼面を露出させる。ただし劣化していない塗膜(活膜)は残す。

(4) 清浄度4種(4種ケレン)

粉化物及び付着物を落し、活膜を残す。

2 新橋の場合の素地調整は第1種ケレンとする。

3 リベット頭、形鋼の隅角部、その他構造の複雑な部分は、特に注意して施工しなければならない。

4 施工に際し有害な薬品を用いてはならない。

5 第3種において、活膜とは粘着性のある塗膜をいうが、判断に際しては監督員と協議するものとする。

第187条 塗装一般

1 塗装は原則として下記の場合行ってはならない。

(1) 気温5℃以下のとき。

(2) 湿度が85%以上のとき。

(3) 風が強いとき及びじんあいの多いとき。

(4) 塗料の乾燥前に降雪雨のおそれがあるとき。

(5) 炎天で鋼材表面の温度が高く、塗装にアワを生ずるおそれのあるとき。

(6) その他監督員が不適当と認めたとき。

2 塗装は鋼材表面及び前回塗装面の汚れ、油類などを除去し、清浄で十分な乾燥状態のときでなければ施工してはならない。

3 塗装は、はけ塗り、ローラはけ塗り及び吹付け塗り(エアレススプレー)とし、塗り残し、気泡、むらのないよう十分注意して、全面を均一の厚さに塗り上げなければならない。

4 吹付け塗り(エアレススプレー)において、特にポンプ圧力、塗料粘度、ノズルチップ吐出量については使用塗料を考慮し、適切に行わなければならない。

5 塗料は容器の底部に顔料が沈でんしないようにかくはんしなければならない。

6 溶接部、高力ボルトの接合部分、その他構造の複雑な部分は特に入念に塗り上げなければならない。

7 金属前処理塗料

(1) 第1種の素地調整を行ったときは、ただちに金属前処理塗装を施すものとする。

(2) 金属前処理塗料は、長ばく型ニッチングプライマー又はジンクリッチプライマー及びジンクリッチペイントのいずれかとする。

8 下塗り

第1種以外の素地調整を終了したときは、すみやかに下塗りを施工しなければならない。天候その他の事由によりやむを得ず下塗りが遅れ、そのため、さびが生じたときは、再び素地調整を行い塗装しなければならない。

9 中塗り、上塗り

(1) 中塗り、上塗りは、前回塗装面、塗膜の乾燥及び清掃状態について監督員の検査を受けてから行わなければならない。

(2) 海岸地域、大気汚染の著しい地域等、特殊環境の鋼橋の塗装は、素地調整終了から中塗り完了までじん速に塗装しなければならない。

10 コンクリートとの接触面は塗装を行ってはならない。ただし、プライマーはこの限りではない。

11 リベット接合される材片の接触面及び高力ボルトの接合される材片の接触面は塗装を行ってよい。ただし、高力ボルトの摩擦接合による場合は0.4以上のすべり係数が得られるように処理しなければならない。

第188条 工場塗装

1 リベット締め後又は溶接施工のため塗装困難となる部分にはあらかじめ塗装を完了しておかなければならない。

2 シュー等の機械仕上げ面は、グリース等を塗布しなければならない。

3 現場溶接を行う部分及びこれに隣接する両側の幅10cmの部分には工場塗装を行ってはならない。ただし、さびの生ずるおそれがある場合にはボイル油を塗布することができる。

第189条 現場塗装

1 現場塗装は、床板工終了後に行うのを原則とする。

2 架設後に前回までの塗膜を損傷した場合は、補修塗装を行ってから現場塗装を行わなければならない。

第190条 塗膜厚

1 新橋の場合は工場塗装完了後、塗膜厚測定器により塗膜厚を測定し、その記録を監督員に提出しなければならない。

第191条 記録

1 写真は原則としてカラー写真とする。

2 最終塗装完了したときは、橋体起点側(左)又は終点側(右)外げた腹板にペイントをもって次表のとおり記録するものとする。

画像

第3節 水門及び鋼矢板の塗装

第192条 一般

1 水門は、原則として非没水部と没水部に分けて塗装し、非没水部は鋼橋塗装に準ずるものとし、本節では水門の没水部と鋼矢板について定める。ただし、鋼矢板を非没水部と没水部に分けて塗装する場合にあっては、水門に準ずるものとする。

第193条 さび落とし清掃一般

1 新設の場合の素地調整は、第186条の第1種ケレンとする。

第194条 塗装一般

1 金属前処理塗装

金属前処理塗装は、ジンクリッチペイントとする。

2 下塗り

鋼橋塗装に準ずるものとする。

3 中塗り、上塗り

鋼橋塗装に準ずるものとする。

4 養生塗装

塗装完了後、没水までの養生期間については、十分考慮するものとする。

5 水門等重要構造物については、非没水部に鋼橋に準じてペイントで塗装記録を記入するものとする。

第4節 コンクリート面(トンネル内壁、擁壁等)の塗装

第195条 素地調整

1 コンクリート表面に付着したじんあい、粉化物等は除去しなければならない。

2 コンクリート表面に小穴、き裂等のある場合は、穴埋めをし、表面を平滑にしなければならない。

第196条 塗装一般

1 塗装は、はけ塗り、ローラはけ塗り又は吹付け塗りとし、塗残し、気泡、むらのないよう全面をできるだけ均一の厚さに塗り上げなければならない。

2 塗装は、次の場合、原則として行ってはならない。

(1) 気温が5℃以下のとき。

(2) 湿度が85%以上のとき。

(3) 風が強いとき及びじんあいが多いとき。

(4) 塗料の乾燥前に降雪雨のおそれがあるとき。

(5) コンクリートの乾燥期間が3週間以内のとき。

(6) コンクリート面が結露しているとき。

(7) コンクリート面の漏水部。

(8) その他監督員が不適当と認めたとき。

3 素地調整の終了したときは、監督員の検査を受けた後、塗装しなければならない。塗り重ねは前回塗装面、塗膜の乾燥及び清掃状態について監督員の検査を受けてから行わなければならない。

第5節 その他の鋼材の塗装

第197条 一般

鋼矢板、鋼管パイル、その他の鋼材の塗装は設計図書又は特記仕様書に従って第2節に準じて塗装を行わなければならない。

第6節 防食塗装

第198条 防食塗装

1 防食塗装については一般塗装を準用する。

第199条 電気防食

1 電流密度及び耐用年数

防食電流密度及び耐用年数は、特記仕様書の定めによるものとする。

2 材質

陽極の材質は、原則として電気防食用アルミニウム合金とする。

3 陽極の取付

陽極の配置個数及び取付は、施工に先立ち、設計図書を提出し監督員の承諾を得なければならない。

4 測定装置

防食効果を確認するため、測定用端子箱を設置し、測定用端子を防食体に溶接しなければならない。また、取付位置及び設置箇所については、監督員の承諾を得なければならない。

5 ボンド工事

(1) 防食体は、相互間の接触抵抗を少なくするため、鉄筋等を溶接々続しなければならない。ただし、鋼矢板構造による防食体は、その限りでない。

(2) ボンド及び立上がり鉄筋は、白ペイントを塗装し、他の鉄筋と識別できるようにしなければならない。

第8章 ケーソン

第1節 ケーソン製作

第200条 施工

1 ケーソン製作ヤードについては、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 ケーソンと函台は、絶縁しなければならない。

3 コンクリートの打継目は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

4 海上打継については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

5 海上コンクリート打設にあたっては、打継面が、海水に洗われることのない状態において施工するものとする。

6 2函以上のケーソンを同一函台で製作する場合、進水時にケーソン相互の接触が生じないよう配置しなければならない。

7 フローテングドックの作業ベースは、施工前に水平になるように調整しなければならない。

8 フローテングドックの作業は、特に気象、海象に留意して安全につとめなければならない。

9 コンクリート工については第4章コンクリート工を適用する。

第2節 進水

第201条 進水時期及び進水準備

1 進水時期及び進水準備については、監督員と協議をしなければならない。

2 ケーソンのバラストについては、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 ケーソンが自力で浮上するまでは、曳船等で引出してはならない。

第202条 斜路による進水

1 進水に先立ち、斜路を詳細に調査し、進水作業における事故防止に努めなければならない。

2 製作場及び斜路ジャッキ台でのジャッキアップは、偏心荷重とならないようジャッキを配置し、いずれのジャッキのストロークも、同じになるよう調整しなければならない。

第203条 ドック進水

1 ゲート浮上作業時、本体側面及び底部への衝撃、すり過ぎ等を極力避け防護に努めなければならない。

2 ゲート閉鎖に先立ち、ドック戸当り近辺の異物及び埋没土砂を除去、清掃し、ゲート本体の保護に努めなければならない。

3 波浪、うねり等の大なる場合、ゲート閉鎖作業は極力避け、戸当り面の損傷を避けなければならない。

4 ケーソン進水に先立ち、ゲート前面を詳細に調査し、ゲート浮上及び進水作業における事故防止に努めなければならない。

第204条 つり降ろし進水

1 つり降ろし方法については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 つり枠使用に当っては、特記仕様書の定めによるものとし、使用するつり枠の形状、材質については、監督員の承諾を得なければならない。

第205条 フローテングドックによる進水

1 進水に先立ち、ケーソンの浮上に必要な水深を確保しなければならない。

2 フローテングドックは、片荷にならないような状態で注水の上、進水しなければならない。

第3節 仮置

第206条 仮置

1 ケーソンの仮置方法は、原則として、沈設仮置とする。これ以外の方法については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 仮置場の区域は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 仮置場は、仮置に先立ち、事故の生じないよう十分調査しなければならない。

4 仮置の時期及び方法については、監督員に報告しなければならない。

5 注水時の各室の水位差は、1m以内とする。

第4節 ケーソンえい航及び回航

第207条 ケーソン引渡し

1 ケーソンの引渡場所、状態については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

第208条 曳航準備

1 曳航に先立ち、ケーソンを浮上する場合、時期及び方法については、監督員と協議しなければならない。

2 曳航の方法については、監督員と協議しなければならない。

3 曳航に先立ち、気象、海象をあらかじめ十分調査し、曳航中事故が生じないよう注意しなければならない。

4 ケーソンは、漏水、その他曳航中の事故の原因となる箇所のないことを確認しなければならない。

5 押航におけるケーソンとの連結方法については、監督員の承諾を得なければならない。

第209条 曳航

1 曳航速度は、ケーソンの安定性を失なわない速度でなければならない。

2 原則として、ケーソンを対角線方向に引いてはならない。

3 押航方式の場合は、監督員と協議しなければならない。

第210条 回航準備

1 回航に先立ち、ケーソンの艤装及び寄港地、避難場所、連絡体制等の回航計画について、監督員の承諾を得なければならない。

2 回航に先立ち、気象、海象をあらかじめ十分調査し、回航中の事故が生じないよう注意しなければならない。

3 ケーソンの上蓋は、木製又は鋼製とし、作業用マンホールを必要数設けて、水密となるよう取付けなければならない。

4 ケーソン内の水は、排水しなければならない。

5 ケーソンの上蓋、その他回航中の事故の原因となる箇所のない事を確認しなければならない。

6 大回しロープは、ワイヤーロープを使用し、原則として二重回しとしなければならない。

7 大回しの位置は、浮心附近とし、この位置に固定し、隅角部をゴム板又は木材で保護しなければならない。

8 回航に使用するロープは、監督員と協議しなければならない。

9 回航に使用する引船は、必ず無線機器等の通信施設を有するものでなければならない。

第211条 回航

1 回航速度は、ケーソンの安定性を失わない速度でなければならない。

2 第209条第2項を適用する。

3 回航中は常にケーソンに注意し、異状を認めたときは、直ちに適切な措置を講じなければならない。

4 寄港又は避難した場合は、直ちに電報又は電話により異状の有無を監督員に報告しなければならない。目的地に到着のときも同様とする。また、回航計画に定める地点を通過したときは、通過時刻及び異状の有無を同様に、報告しなければならない。

5 途中寄港又は避難した際は、錨がかりのよい場所を選択し、ケーソンの四隅に錨を張り、浮上して置かなければならない。引船は、ケーソンを十分監督することができる位置に係留又は錨がかりし、絶対にケーソンに係留してはならない。さらに出港するに際しては、ケーソンの大回しのゆるみ、破損状況、傾斜の状態等入念に検査し、回航に支障のないよう、適切な措置を講じなければならない。

第5節 ケーソン据付け及び中詰工

第212条 据付け

1 気象、海象の見通しをつけ、手戻りを生じないように注意しなければならない。

2 据付の方法時期については、あらかじめ監督員と協議しなければならない。

3 第206条第5項を適用する。

4 海中に仮置されたケーソンを据付ける場合は、ケーソンの接触面に付着している貝、海草等を据付けに支障がない程度に取除かなければならない。

第213条 中詰

1 中詰材料の種類、形状寸法及び材質については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 中詰は、本件据付け後、速やかに行わなければならない。

3 中詰の施工方法及び順序については、監督員と協議すると共に、施工中の各室の中詰差ができるだけ生じないようにしなければならない。

4 セル式構造物の中詰施工中に隣接するセル又はアークセルに、浮泥が1箇所へ沈澱しないよう適当な処置を講じなければならない。

5 セル式構造物の中詰材の締固めの方法は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

第214条 蓋コンクリート

1 プレキャストコンクリート

(1) 製作、運搬、仮置及び据付は、第3章第11節を準用する。

(2) 目地てん充、コンクリートについては第4章を準用する。

(3) プレキャストコンクリートの施工は、中詰後、速やかに行わなければならない。

2 場所打コンクリート

(1) コンクリートは、第4章を準用する。

(2) 場所打コンクリートの施工は、中詰後、速やかに行わなければならない。

第9章 溶接及び切断

第1節 鋼溶接橋の溶接

第215条 溶接施工

1 溶接は必要な継手性能を満足するよう、次の事項を確認したうえ慎重に施工しなければならない。

(1) 鋼材の種類と特性

(2) 溶接方法、開先形状及び溶接材料の種類と特性

(3) 組合せる材片の加工、組立て精度、溶接部分の清浄度と乾燥状態

(4) 溶接材と乾燥状態

(5) 溶接条件と溶接順序

2 溶接工

(1) 溶接工は、JIS Z3801「溶接技術検定における試験方法並びにその判定基準」に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験(又はこれと同等以上の検定試験)に合格した者でなければならない。ただし、半自動溶接を行う場合は、JIS Z3841「半自動溶接技術検定における試験方法及び判定基準」に定められた試験の種類のうち、その作業に該当する試験(又はこれと同等以上の検定試験)に合格したものでなければならない。

(2) 溶接工は、6箇月以上溶接工事に従事し、かつ、工事前2箇月以上引き続き溶接工事に従事した者でなければならない。

第216条 溶接施工試験

1 下記事項のいずれかに該当する場合は、溶接施工試験を行うのを原則とする。

(1) 板厚38mmをこえるSMA41、SM50、SM53及びSM58

(2) 板厚が25mmをこえるSMA50及びSMA58

(3) SM58及びSMA58において1パスの入熱量が70,000Joulc/cmをこえる場合

(4) 被覆棒アーク溶接法(手溶接のみ)、CO2ガスシールド半自動溶接法、サブマージアーク溶接法以外の溶接を行う場合

(5) 現場溶接を行う場合

ただし、二次部材についてはこの限りでないが、監督員と協議するものとする。

2 溶接施工試験は次表にあげた試験項目から該当する項目を選んで行うのを標準とし、供試鋼板の選定、溶接条件の選定その他は下記によるのを原則とする。

(1) 供試鋼板には同じような溶接条件で取り扱う鋼板のうち最も条件の悪いものを用いる。

(2) 溶接は実際の施工で用いる溶接条件で行うものとし、溶接姿勢は実際に行う姿勢のうち最も不利なもので行う。

(3) 異種の鋼材のグループ溶接試験は、強度の高いほうの鋼材で試験を行う。

同鋼種で板厚の異なる継手については、板厚の薄い方の鋼材で行ってもよい。

(4) 再試験は最初の個数の2倍とする。

溶接施工試験

試験の種類

試験項目

溶接方法

試験片の形状

試験片偶数

試験方法

判定基準

グループ溶接試験

引張試験

 

JIS Z 3121 1号

2

JIS Z 2241

引張強さが母材の規格値以上

型曲げ試験(19mm未満裏曲げ)(19mm以上側曲げ)

JIS Z 3122 3号

 

JIS Z 3122 3号

原則として、きれつが生じてはならない。

衝撃試験

JIS Z 3122 4号

3

JIS Z 2242

溶接金属で母材の規格値以上(3個の平均値)

マクロ試験

1

JIS G 0553に準ず

欠陥があってはならない。

放射線透過試験

試験片継手全長

JIS Z 3104

2級以上(引張側)

3級以上(圧縮側)

すみ肉溶接試験

マクロ試験

 

 

1

JIS G 0553に準ずる

欠陥があってはならない。

すみ肉施工試験

すみ肉溶接施工試験(日本道路協会)

最高硬さ試験

最高硬さ試験

 

 

1

JIS Z 2244

Hv≦370

スタッド溶接試験

引張試験

 

 

3

(6)

JIS Z 2241

降伏点は24kg以上、引張強さは41~56kg/、伸びは20%以上とする。ただし溶接部で切れてはいけない。

 

曲げ試験

 

 

3

 

溶接部にきれつを生じてはならない。

注:溶接方法、試験片の形状及び試験片個数については、道路橋示方書Ⅱ鋼橋編を参照のこと。

第217条 組立て

1 部材の組立てにさいしては、補助治具を有効に利用し、無理のない姿勢で仮付け溶接できるように考慮しなければならない。また、支材やストロングバックなどの異材を母材に仮付けすることはできるだけ避けなければならない。

第218条 材片の組合せ精度

1 材片の組合せ精度は、溶接部の応力伝達が円滑で、かつ、溶接不良を起こさないものにしなければならない。材片の組合せ精度は下記の値を標準とする。ただし、施工試験によって誤差の許容量が確認された場合は、下記の値以上とすることができる。

(1) グループ溶接

① ルート間隔の誤差:規定値±1.0mm以下

② 板厚方向の材片の偏心:薄い方の板厚の10%以下

③ 裏当金を用いる場合の密着度:0.5mm以下

④ 開先角度:規定値±10°

(2) すみ肉溶接

材片の密着度:1.0mm以下

第219条 仮付け溶接

1 本溶接の一部となる仮付溶接には、本溶接を行う溶接工と同等の技術をもつ者を従事させ、使用溶接棒及び溶接姿勢は、本溶接の場合と同様に管理しなければならない。

2 仮付け溶接の長さは、80mm以上、すみ肉(又は換算)脚長は4mm以上とする。

3 仮付溶接は、組立終了時までにスラグを除去するものとし、溶接表面にわれがないことを確認しなければならない。

第220条 溶接前の部材の清掃と乾燥

1 溶接を行おうとする部分には、プロホールやわれを発生されるおそれのある黒皮、さび、塗料、油などがあってはならない。

2 材片に結露したり、水分の付着した状態で溶接を行ってはならない。また、組立て後12時間以上経過した部材を溶接する場合、溶接線近傍を十分乾燥させなければならない。

第221条 溶接材料

1 被覆アーク溶接棒の使用区分は次表を標準とする。

被覆アーク溶接用使用区分

被覆アーク溶接棒の種類

適用鋼種及び板厚(mm)

軟鋼用被覆アーク溶接棒

SS 41、SM 41(t<25)

SS 41、SM 41(25≦t<38:予熱を行う場合)

低水素系被覆アーク溶接棒

SS 41、SM 41(25≦t<38:予熱を行わない場合)

SMA 41、SM 50、SMA 50、SM 50Y SM 53、SM 58、SMA 58

2 被覆アーク溶接棒の乾燥は次表を標準とする。

溶接棒乾燥の標準

溶接棒の種類

溶接棒の状態

乾燥温度

乾燥時間

軟鋼用被覆アーク溶接棒

乾燥(開封)後12時間以上経過したとき、若しくは溶接棒が吸湿したおそれがあるとき

100~150℃

1時間以上

低水素系被覆アーク溶接棒

乾燥(開封)後4時間以上経過したとき、若しくは溶接棒が吸湿したおそれがあるとき

300~400℃

1時間以上

3 サブマージアーク溶接に用いるフラックスの乾燥は次表を標準とする。

フラックスの乾燥標準

フラックスの種類

乾燥温度

乾燥時間

溶触フラックス

150~200℃

1時間以上

焼成フラックス

200~250℃

1時間以上

第222条 予熱

1 次の事項のいずれかに該当する場合は、溶接線の両側10cm及びアーク前方10cmの範囲内の母材を次表に示す標準によって予熱しなければならない。

(1) 鋼材のミルシートからつぎの式により計算した炭素当量が0.44%をこえる場合

Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14+(Cu/13)(%)

ただし、( )の項はCu≧0.5の場合に加えるものとする。

(2) 最高硬さ試験において予熱なしで最高硬さ(Hv)が370をこえた場合

(3) 気温(室内の場合は室温)が5℃以下の場合

予熱温度の標準

板厚mm

鋼種

t<25

25画像t<38

38≦t≦50

SMA 41

SM 41

予熱なし 3)

予熱なし 1)

40℃~60℃ 2)

40℃~60℃ 3)

SMA 41

SM 50

予熱なし 3)

40℃~60℃

80℃~100℃ 3)

SMA 50

SM 50Y

SM 53

SM 58

SMA 58

40℃~60℃ 3)

80℃~100℃ 3)

80℃~100℃ 3)

注:

1) 低水素系の溶接棒を使用する場合

2) 低水素系以外の溶接棒を使用する場合

3) 低水素系溶接棒を使用するのを標準とする。

ただし、サブマージアーク溶接に関してはこの項は適用しないものとする。また、十分な実験資料によってわれ防止が保証される場合は監督員の承諾を得て、この項の適用を除外することができる。

第223条 溶接施工上の注意

1 エンドタブ

(1) グループ溶接及び主げたのフランジと腹板のすみ肉溶接などの施工に際しては、部材と同等な開先を有するエンドタブを取りつけ、溶接の始点及び終端が溶接する部材上に入らないようにしなければならない。

(2) エンドタブは、溶接終了後ガス切断法によって除去し、そのあとをグラインダー仕上げするものとする。

2 部分溶込みグループ溶接の施工

部分溶込みグループ溶接の施工において、連続した溶接線を2種の溶接法で施工する場合は、前のビードの端部をはつり、欠陥のないことを確認してから次の溶接を行うものとする。ただし、完全な手溶接ビードが先行している場合はこの限りではない。

3 すみ肉溶接及び部分溶込みグループ溶接の施工

(1) 材片の隅角部で終るすみ肉溶接は、隅角部をまわして連続的に施工しなければならない。

(2) サブマージアーク溶接法又はその他の自動、半自動溶接法を使用する場合、継手の途中でアークを切らないのがよい。

第224条 グループ溶接の余盛と仕上げ

1 設計においてとくに仕上げの指定のないグループ溶接においては、次表に示す範囲内の余盛は溶接のままとし、余盛高が表記の値をこえる場合には、ビード形状とくに止端部を滑らかに仕上げなければならない。

グループ溶接の余盛(mm)

ビード幅(B)

余盛高さ(h)

B<15

h≦3

15≦B<25

h≦4

B≦25

h≦4/25・B

第225条 欠陥部の補修

1 欠陥部の補修は次表に示す要領で行うものとする。

欠陥補修の方法

 

欠陥の種類

補修方法

1

鋼材の表面きずで、あばた、かき傷など範囲が明瞭なもの

溶接肉盛り、グラインダー仕上げ、溶接ビードは長さ40mm以上とする。

2

鋼材の表面きずで、へげ、われなど範囲が不明瞭なもの

たがねやアークエアガウジング法により不良部分を除去したのち溶接肉盛り、グラインダー仕上げする。

3

鋼材端面の層状われ

板厚の1/4程度の深さにガウジングし、溶接肉盛り、グラインダー仕上げとする。

4

アークストライク

母材表面に凹みを生じた部分は溶接肉盛りののちグラインダー仕上げする。わずかな痕跡のある程度のものはグラインダー仕上げのみでよい。溶接ビードの大きさは第1欄に同じ。

5

仮付け溶接

溶接ビードはたがね又はアークエアスカーフィング法で除去する。母材にアンダーカットのある場合は、溶接肉盛り、グラインダー仕上げする。溶接ビードの大きさは第1欄に同じ。

6

溶接われ

われ部分を完全に除去し、発生原因を究明し、それに応じた再溶接を行う。

7

溶接ビード表面のピット、オーバーラップ

アークエアガウジングでその部分を除去し、再溶接する。最小溶接ビード長さは40mmとする。

8

溶接ビード表面凸凹

グラインダー仕上げする。

9

アンダーカット

ビード溶接したのち、グラインダー仕上げする。溶接ビードの長さは40mm以上とする。

10

スタッド溶接の欠陥

ハンマー打撃検査で溶接部の破損したものは完全に除去し、母材面を整えたのち再溶接する。アンダーカット、余盛不足に対する被覆棒での補修溶接は避けるのがよい。

第226条 ひずみとり

1 溶接によって生じた部材の変形は、プレン又はガス炎加熱法などによってきょう正するものとする。

2 ガス炎加熱法によってきょう正する場合の鋼材表面温度及び冷却法は次表によるものとする。

ガス炎加熱法による線状加熱時の鋼材表面温度及び冷却法

鋼材

鋼材表面温度

冷却法

SM 58

SMA 58

750℃以下

空冷又は空冷後600℃以下で水冷

その他の鋼材

900℃以下

赤熱状態からの水冷を避ける。

第227条 現場溶接

1 溶接・溶接材料の清掃・乾燥状態には、とくに注意し、それらを良好な状態に保つのに必要な諸設備を現場に備えなければならない。現場溶接に先立ち、開先の状態、材片の拘束状態などにつき注意をはらわなければならない。

2 次の場合には溶接を行ってはならない。

(1) 雨天又は作業中に雨天となるおそれのある場合

(2) 強風時又はアークに風速5m/sec以上の風があたる場合

(3) 気温5℃以下の時

(4) その他監督員が不可能と認めた場合

第2節 その他の一般の溶接

第228条 一般

水門、鉄管等の溶接は第1節に準じて施工しなければならない。

第3節 水中溶接

第229条 溶接工、溶接管理者及び溶接機材

1 溶接工

(1) 溶接工は、JIS Z 3801に定めるアーク溶接の溶接技術検定試験(又は同等の検定試験)に合格し、かつ、潜水士の資格をもつ者で、水中溶接の実技に熟練したものでなければならない。

(2) 溶接工の溶接工事従事期間は第215条第2項第2号を適用する。

2 溶接管理者は特記仕様書によるものとする。

3 溶接機材

(1) 溶接棒の種類は、特記仕様書によるものとする。

(2) シールドガスは、炭酸ガスと酸素の混合ガスを使用しなければならない。

(3) 溶接機は、直流アーク溶接機を使用するものとし、安定したアークを発生し、必要な電流を簡単、正確、連続的に調整でき良好な溶接を行えるものでなければならない。

(4) 溶接機が安定したアークを発生し、良好な溶接ができるようにするため、供給電源設備は、容量の十分なものを使用しなければならない。

(5) 溶接用ケーブルは、被覆の絶縁が良好でJIS C 3404の規格に適合したもので、水中溶接作業に適したものでなければならない。

(6) 溶接用ケーブルの継手その他の箇所は、露出部分がないように防水絶縁テープで被覆しなければならない。また、ケーブルの長さは、原則として50mまでとする。

(7) 溶接用ケーブルはJIS 3404の規格に適合したものでなければならない。

(8) 酸素用ゴムホース、溶接器用ホース継手及びボンベに付属している溶断器用圧力調整器は第231条第3項第5号第7号及び第8号を適用する。

第230条 施工

1 一般事項

(1) 溶接方法は、原則としてシールドガスを使用するアーク溶接とし施工方法は、手溶接とする。

(2) 溶接の順序及び溶接作業は施工に先立ち監督員の承諾を得なければならない。溶接は正確ていねいに行い溶接による収縮応力、ひづみ等を少くするよう行わねばならない。

(3) 溶接棒は、被覆のはがれ、割れ、汚れ、吸湿、変質等溶接に有害な欠陥のあるものを使用してはならない。

2 溶接安全管理

(1) 溶接管理者及び溶接工は、溶接に先立ち機材の安全を必ず確認しなければならない。

(2) 溶接工は、身体防護潜水服を着用し、なるべく皮膚の露出部分がないようにしなければならない。

(3) 溶接管理者は、施工場所の環境について事前に調査を行い、異変に対処できる準備を整えておかなければならない。

(4) 水中の溶接工と水上の作業者との連絡のために通信装置を準備し、さらに、相互の連絡のために連絡用の信号を作らなければならない。

(5) 請負者は、緊急事態に対処できる通信装置を完備しておかなければならない。

(6) 溶接管理者は、溶接作業ごとに作業記録を作成しなければならない。

3 溶接準備

(1) 供給ガスの内容点検及び圧力調整を正しく行い、流量の確認をしておかなければならない。

(2) その他については第9章第1節を適用する。

4 溶接作業

(1) 溶接時の電圧は、50V以下とし、電源調整は正しく行い、アークの断続を避けるため原則としてタッチウエルドで行わなければならない。

(2) 溶接時の姿勢は、気ほうの発散を容易にする姿勢をとらなければならない。

(3) その他については第9章第1節を準用する。

第4節 切断

第231条 切断工、切断管理者及び切断機材

1 切断工

(1) 切断工は、JIS Z3801に定めるガス溶接の溶接技術検定試験(又は同等の検定試験)に合格し切断作業に熟練したものでなければならない。

(2) 請負者は、当該工事に従事する切断工の名簿を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

2 切断管理者

第9章第1節を準用する。

3 切断機材

(1) 切断に使用する酸素ガスは、JIS K1101に、溶解アセチレンはJIS K1902の規格に適合したものを使用しなければならない。

(2) 自動ガス切断機は、被切断材に適応した火口を有し、可動部分には異常がなく、良好な切断を行うことができるものでなければならない。

(3) 低圧用ガス切断器及び切断器の火口を使用する場合は、JIS B6802の規格に適合したもの使用しなければならない。

(4) 中圧用ガス切断器及び切断器の火口を使用する場合は、切断する鋼材の厚さに適したものを使用しなければならない。

(5) 酸素用ゴムホースは、JIS K6333の規格に適合したものを使用しなければならない。

(6) アセチレン用ゴムホースは、JIS K6334の規格に適合したものを使用しなければならない。

(7) 溶断器用ホース継ぎ手は、JIS B6805の規格に適合したものを使用しなければならない。

(8) ボンベに付属している溶断器用圧力調整器は、JIS B6803の規格に適合したものを使用しなければならない。

第232条 施工

1 一般事項

(1) 切断方法は、酸素及び溶解アセチレンを使用する切断とし、施工方法は手動又は自動切断とする。

(2) 切断の順序は、施工に先立ち監督員の承諾を得なければならない。

(3) 切断は、正確丁寧に行い、切断によるひずみを少なくするよう行わなければならない。

(4) 酸素の供給量並びに切断速度は、良好な断面を得られるよう調整しなければならない。

2 切断条件

気温が35℃以上又は5℃以下の場合は切断を行ってはならない。ただし、気温が-15℃以上の場合は溶接線から10cm以内の母材部分を80℃以上に予熱すれば監督員の承諾を得て切断を行うことができる。また、気温が35℃以上の場合は溶接工が高温による悪影響を受けないよう措置をとれば切断を行うことができる。

3 切断準備

(1) 切断する材片の表面は、切断に先立ち清掃しなければならない。特に切断箇所は、さび、ごみ等を完全に除去しなければならない。

(2) 予熱炎は、母材に大きな熱影響を与えるので、できる限り影響を少なくするようにしなければならない。

4 切断作業

(1) 鋼材の長手方向の切断は、原則として自動ガス切断機を使用し、正確に行うものとする。特に長尺材、異形材等は、ひずみの出ないよう部分的に切断し、一方より連続して切断してはならない。

(2) 鋼材の横割り切断は、手動ガス切断等により正確に行い、ひずみの出ないように切断しなければならない。

第5節 水中切断

第233条 切断工、切断管理者及び切断機材

1 切断工については第229条及び第231条を準用する。

2 切断管理者については特記仕様書によるものとする。

3 切断機材

(1) アーク切断用ホルダは、電極棒を保持し、これに切断用酸素を供給する構造を持ったものを使用しなければならない。

(2) ガス切断機は、切断火口を保護するフードを設けた水中切断用トーチを使用しなければならない。

(3) LPG用ホースは、JIS K6347の規格に適合したものを使用しなければならない。

(4) その他については第229条及び第231条を準用する。

第234条 施工

1 アーク切断方法は、酵素アーク切断とする。

2 ガス切断方法は、酸素及びLPGの混合ガスを使用する切断とする。

3 その他については第230条及び第232条を準用する。

第10章 植栽工

第1節 通則

第235条 一般

1 材料納入は契約後あらかじめ監督員と納入日時を打ち合わせ下記の各項に基づいて、準備し工事の施工順序によって監督員の指示どおり遅滞なく搬入し検査を受けなければならない。

第236条 検査

1 樹木は搬入前に栽培地で下検査を受けなければならない。ただし、下検査に合格しても掘り取り荷造り及び運搬などにより不良となったもの又は掘り上げ後長時間経過したと認められるものは採用しない。なお、都合により栽培地での下検査を省略し搬入後の検査によることもある。

第237条 材料

1 樹木は枝葉発育良好で樹勢が良く整い、指定の寸法で病虫菌等の被害のないあらかじめ植出しに耐えるように移植又は完全な根回しをしたヒゲ根の多い栽培品であること。特殊の場合に限り樹種によって栽培品でなくこれと匹敵する良質のものであれば使用することができる。

第2節 形状寸法

第238条 寸法

1 樹木の寸法は次の各項によらなければならない。

(1) 樹高、幹回り又は幹径、枝幅の寸法の特に記載のない限りすべて限度を示したものであるから、納入品はそれ以上のものでなければならない。

(2) 樹高は、根元(旧接地点)から樹冠点の寸法であって徒長枝は含まない。

(3) 幹回り又は幹径は、根元から高さ1.2mの所をとり、双幹以上のものは幹回り総和の70%の寸法をとり、この箇所が岐点であるときはその上部の寸法を採用する。

(4) 枝幅は、樹の四方面の枝張り寸法であって、特に記載のないものは前後左右平均値とする。

(5) 株物は、指定寸法以上の高さと指定本数以上の株立ちを有する株でなければならない。

(6) 本節の指定寸法以下であっても、樹勢枝張りその他が標準以上に優良と認められるものは使用することができる。

第239条 根鉢

1 根鉢規格は幹回りに合わせて決定する。落葉樹で監督員の承諾を得た場合は振い根としてもよい。

2 格回り9cm以下の場合は皿鉢としてよい。

上・中木根鉢規格表

幹回り

鉢径

並鉢

貝尻高

皿鉢高

ぺイ尻高

鉢高

皿鉢高

貝尻高

鉢高

cm

9

cm

30

cm

14

cm

8

cm

22

cm

14

cm

16

cm

30

12

35

16

9

25

16

18

34

15

41

18

10

28

18

20

38

18

46

20

12

32

20

24

44

20

50

22

13

35

22

26

48

25

60

26

15

41

26

30

56

30

70

29

18

47

29

36

65

35

79

33

20

53

33

40

73

40

88

36

22

58

36

45

82

45

98

40

25

65

40

50

90

50

107

43

27

70

43

55

99

60

127

51

32

83

51

64

115

70

156

61

39

100

61

78

139

90

184

72

46

118

72

92

164

下水根鉢規格表

高さ

鉢径

鉢高

cm

30

cm

15

cm

10

50

17

12

80

21

14

100

23

16

150

29

21

200

35

25

ただし、鉢土のくずれたもの又は不完全なものは使用しない。

合根の先端割れ、その他切り返しを要する部分は算入しない。

第3節 芝等

第240条 高麗芝

1 高麗芝は次の各項によらなければならない。

(1) 良く刈り込んだ良質の栽培品であること。

(2) 雑草、樹木根、笹根等に病虫害等があってはならない。

(3) 繁茂、緊密の度合い及び土付きのよいものでなくてはならない。

(4) 剥ぎ取り後、運搬その他に日時を要し、枯死又は乾燥しているものは使用してはならない。

第241条 野芝

1 野芝は栽培品に限らないが、品質その他すべて高麗芝に準じた良質のものでなければならない。

第4節 支柱及びその他の材料

第242条 支柱

1 支柱、控用丸太は所定の寸法を有し、割れ、腐朽がなく平滑な幹材であってできる限りまっすぐな皮はぎ丸太でなければならない。

2 竹はまっすぐな2年生以上のもので、変色していない新材でなければならない。

3 杉皮は大節、穴割れ、腐れのない良品であること。

4 棕梠なわはより合わせ均等であって強じんなものでなければならない。

第243条 保護材料

1 わらなわはじゅうぶん使用に耐える丈夫なものでなければならない。

2 菰は所定の寸法をもつ新鮮なものでなければならない。

3 むしろは所定の寸法をもつ損傷がない、できるだけ新しいものでなければならない。

第244条 その他

1 洋釘は、さびていないまっすぐな所定の寸法をもつものでなければならない。

2 亜鉛引鉄線は鍍金物等さびのない良品でなければならない。

3 防腐材は優良品でなければならない。

4 芝串(竹)は新鮮でできるだけ太い竹を割り調整したものであって、頭部は節止めで鉤の下向のものでなければならない。

第245条 

1 客土、用土は雑草、瓦礫、笹根の混入及び病虫害におかされていないもので、搬入前に見本を提出し、監督員の承諾を得た上搬入すること。

2 盛土、用土は粘土、瓦礫の混入しない植物培養に支障のないものでなければならない。

第5節 樹木植付工

第246条 時期

1 植え付け及び移植の時期については、あらかじめ監督員の承諾を受けるものとする。

2 植樹、張芝、播種、花もの、つる物等の植え付け、あるいは移植にはそれぞれ好適期を選び特に旱天凍霜の時期はさけるものとするが、工事の都合で不適期に植え付けなければならないときは充分養生を行わなければならない。

第247条 植穴

1 樹木の植え穴は植栽しようとする樹木に応じて相当余裕のある大きさに植え穴を掘り瓦礫不良土等のほか樹木の生育に害のあるものを取り除いて底部を耕してから良土を敷きならすこと。

2 植え付けは現場に応じて見ばえが良く、また樹の表裏をよく見きわめた上、植え穴の中心に垂直になるように植え付け、客土の指示あるときは細く砕いた指定量の良土を根回し幅に入れ、水極めとし水の引くのを待って全部埋めもどし適当な深さに水鉢を切る。ただし、場合によっては指示に従い土極めとする。

第248条 支柱

1 植え付け後は監督員の指示に従い、樹勢に応じて見ば栄が良く整枝剪定をして丸太との樹幹結束部は杉皮で保護のうえ、棕梠なわを2本寄せにして、綾掛、割なわとも3回掛け結束とする。

2 独立樹は、所定の長さの丸太で三脚かあるいは鳥居型に取り付けなければならない。

3 小さい樹木で風除けの必要があるものは梢丸太で適宜取り付け樹幹との取り付け部はすべて杉皮を巻き、棕梠なわで動揺しないように結束し、必ず割なわ掛りとし丸太相互の接合部は、釘打鉄線掛けとする。

4 支柱用の丸太は、特に指示があった場合を除き、防腐加工されたものを使用しなければならない。

5 そえ木に竹を使用する場合は、各様式ともすべて竹の先端を節止めとして結束部はなわの遊動を防止するために竹に鋸目を入れること。その他の仕様は丸太控木と同様である。

第249条 配植

1 配植は監督員の指示に従い、植樹帯の形状あるいは既植樹木の配置を考慮して、まず主となる地点に最優秀品を配植して景趣の骨組みを作り、それにならい漸次全般に配置するものとする。

2 下木は上下の形姿を充分調和するように配置して所定の地域に過不足のないように割当しなければならない。

第250条 整枝

1 樹木並びに株物植栽後は懐枝過剰枝の剪除切透し小枝間の掃除その他必要な手入れをしなければならない。

第6節 芝等の植付工

第251条 芝の植え付け

1 芝の植え付けは、指定の個所を12~15cmの深さに地盤の耕転をして土塊を砕き、石礫、雑草等は取り除いて高低のないように整地して、芝片は指定の目地をとって交互に並べてていねいに張り付け転圧のうえ目土をして適当に乾燥した良土を細く砕きふるい通し、全面に厚薄のないように散布して芝の間げきに入るようにかきならし、静かに灌水しなければならない。特に必要な時は竹串で剥離を防ぐこと。

第252条 その他

1 樹木、株物、芝、その他の植物材料であってやむを得ない事由で当日中に植栽できない分は、仮植するか又は完全な養生をしすみやかに植えなければならない。

第7節 移植工

第253条 移植

1 樹木移植、掘り取りに先だって仮支柱を取り付け、その他養生をして掘り取りに着手する。

2 鉢の大きさは常緑、落葉樹ともに所定の大きさによるのであるが、根の発育状態に応じて多少の加減があるから所定の大き目に掘り下げ、後で所定の大きさに仕上げる。なお大きい根があったとき鉢よりもやや長めにていねいに鋸で引き切り、切り口はわら等で、じゅうぶん養生し、又は組根の密生しているときは、なるべく残して鉢巻きに際して傷付けないように巻き込まなければならない。

3 掘り取りは初め垂直に掘り下げ、側根がなくなってから底部に向って丸味をつけて掘り下げるものとする。

4 鉢巻きはわら・なわで樹種、大きさ、移植の方法に応じて適宜じゅうぶんに行い、堅く締め込み運搬に際して鉢くずれのないように注意しなければならない。なお、現場の状況によっては他の材料で適宜養生後鉢巻きをする。

5 運搬方法は樹根、樹姿を損傷しない範囲で定め、じゅうぶん養生のうえ注意してなるべく短時間に移植を終る方法をとらなければならない。

第8節 その他

第254条 施肥

1 樹木の施肥は肥料が直接根にふれないように注意し、かつ均等に行わなければならない。

第255条 土の処理

1 植栽個所の掘削土は植え穴の片側あるいは両側に積み交通の障害とならないようにし絶対に車道に置いてはならない。

2 植栽完了後の残土は、すみやかに指定個所に運搬処理すること。

第2編 道路・橋梁

第11章 トンネル

第1節 通則

第256条 一般

1 トンネル施工にあたっては、工事着手前に精密な測量を行い、両坑口間の基準点との相互関係を確認のうえ、坑口付近に中心線及び施工基面の基準となる基準点を堅固に設置しなければならない。

2 トンネルの掘削進行にともなう坑内の測点は、工事中に狂いが生じないよう堅固に設置しなければならない。

3 坑内測点の設置及び検測は掘進にしたがい必要に応じ坑外の基準点から行うものとする。

4 坑内照明は、作業及び巡回点検に必要な明るさに保つものとする。また、要注意箇所等には、危険防止等に必要な標識施設等を設けなければならない。

5 爆破後の後ガス、粉じん及び内燃機関の排気ガス等は、換気を十分に行って排除するものとする。

6 坑内は、排水を十分に行い、作業その他に支障が生じないようにしなければならない。

7 ゆう水、落盤その他工事に支障を与えるおそれのある場合は、昼夜の別にかかわらず応急の処置をなしうるよう労務者、資材の準備を備え、万全の対策を講じなければならない。

8 施工中は、地質、ゆう水、その他自然現象に注意し、その状況を記録し監督員に提出するものとする。

9 施工中は常に工事の進捗に注意し、当初の設計が現場の状況に適合しない場合はただちに監督員と協議し指示を得ること。

第2節 掘削

第257条 掘削

1 掘削は地山をゆるめないように施工するとともに、切拡げにあたっては、過度の爆破をさけ、かつ余掘りは出来る限り少なくするよう注意して施工しなければならない。

2 発破を行った後の掘削面は、ゆるんだ部分を取り除くとともに、浮石などが残らないよう施工しなければならない。

3 逆巻き区間の土平掘削は、覆工アーチ部分に悪影響を与えないよう施工するものとし、抜掘りとする場合は、原則としてちどりに行うものとする。なお、アーチコンクリートの支承面下には必要に応じ支柱を施工し、アーチ部分の安全を図るものとする。

4 爆破に際しては、必要により防護施設を施し巻立コンクリート、その他の概設構造物に損傷を与えないようにしなければならない。

5 爆破作業に当っては、支保工の支持面をゆるめないように留意して行うこと。

6 電気雷管を使用する場合は、迷走電流に十分注意しなければならない。

7 掘削は、設計断面が確保されるまで行わなければならない。ただし、地山の部分的な突出岩は、質が堅硬で、かつ、将来とも覆工に悪影響をおよぼすおそれのない場合に限り、監督員の承諾を得て、設計巻厚線内に入れることができる。

8 軌道により運搬を行う場合は、軌道の保守を十分に行い脱線等の事故防止を図るほか、勾配が急な場合は、トロの逸走防止等の必要な設備をしなければならない。また、トラック等を使用する場合、排水をはかり、路面の保守を行うとともに換気に留意しなければならない。

9 掘削によって生じたずりは、特記仕様書又は監督員の指示に従い処理するものとする。

第3節 支保工

第258条 一般

1 支保工は常に巡回点検し、異常を認めた場合はただちに補強を行い、安全の確保と事故防止に努めなければならない。

2 支保工はきめられた間隔ごとに正確に建込み、地山との間には矢板、くさび等を挿入し、締付け地山を十分支持するよう建込むものとする。また、建込み後沈下のおそれのある場合には適当な処理を講じなければならない。

3 余掘りが大きい場合は、良質の岩片等で埋戻しすることができる。木材で処理する場合には、監督員の承諾を得るものとする。

4 覆工、又は地山の終端と、切拡げ区間の支保工との間には、つなぎばり、やらず等を入れ、支保工の転倒、ねじれ等を防止するものとする。

5 支保工の上げ越しは、地質、支保工の型式及び構造等を考慮して行うものとし、その量は必要最少限としなければならない。

6 支保工の盛替え及び木はずしは、地山をゆるめないよう十分注意して施工するものとする。

第259条 木製支保工

1 木製支柱式支保工に用いる丸太材は、皮はぎ生松丸太とし、著しい割れや節がなく、なるべく真直なものでなければならない。

2 部材の継手(はぎ目、相欠き、切込み等)の接触面はなじみよく施工し、かすがいその他を用い十分定着させなければならない。

3 支柱式支保工の仮受の期間は、できるだけ短くし、本支保工を建込むものとする。

第260条 鋼アーチ支保工

1 鋼製支保工の加工は、あらかじめ加工図を作成して、監督員の承諾を得なければならない。なお、曲げ加工は、原則として冷間加工により正確に行うものとし、溶接穴あけ等にあたっては、素材の材質を害さないようにしなければならない。

2 鋼製支保工の脚位置は、正確に定めるものとし、底版支承面が軟弱で沈下のおそれのある場合は沈下防止を図るための方法を監督員と協議するものとする。

3 鋼製支保工相互間には、つなぎボルト及び内ばりを入れて十分に締め付けなければならない。

4 縦地施工の場合の矢板、矢木の矢尻は、できるだけ切断除去するものとする。

第4節 覆工

第261条 一般

1 設計券厚線の内側には、原則として鋼製支保工の木材等を入れないようにしなければならない。

2 余掘り部分には、できるだけコンクリートがゆきわたるように努めるものとする。

3 鉄筋及び埋ころしする支保材料を組み立てたときは監督員の検査を受けなければならない。

4 インバートは、施工基盤を掘りすぎないように注意し、もし掘りすぎた場合は原則としてインバートと同質のコンクリートで充てんしなければならない。

第262条 セントル及び型わく

1 セントル及び型わくは、トンネル断面形状に応じて十分安全、かつ後の作業にさしつかえないように設計し、製作に先立ち監督員の承諾を得なければならない。

2 セントル及び型わくを据え付けたときは、コンクリートを打ち込むまえに監督員の検査を受けなければならない。

3 セントル及び型枠は打込んだコンクリートが必要な強度に達するまで取りはずしをしてはならない。

4 木製上木及び型枠は、寸法の均一と表面仕上げに留意し、覆工コンクリート面に段違いを生じないようにきれいに仕上げなければならない。

第263条 ゆう水処理

1 施工中ゆう水があるときは、監督員の承諾を得た方法で排水処理を行うものとする。

第264条 覆工

1 コンクリートの運搬はアジテータのある運搬機を用いて行うことを原則とする。

2 アーチコンクリートの打込みは、コンクリートが分離を起こさないよう注意して施工するものとし、左右ほぼ同高に進行させ、型わくに偏圧を与えないようにしなければならない。

3 逆巻きアーチコンクリート支承面には、不陸のないように細かいずり等を敷きならしたうえ、敷板を施するものとする。また、側壁コンクリートは、アーチコンクリートに悪影響をおよぼさないよう、掘削後できるだけ早く施工するものとし、アーチコンクリート支承面の清掃を十分行い、側壁コンクリートの密着をはかるほか、継目には、目ちがい等ができないよう適切な方法を講じて入念に施工しなければならない。

4 覆工コンクリートの打継目は、十分清掃し、継目コンクリートの密着を図らなければならない。また、止水板の埋め込みは、所定の位置に正しく行うものとする。

5 逆巻きの場合、アーチコンクリートの打継目と側壁コンクリートの打継目は同一線上にしないものとする。

6 インバートコンクリートの縦方向打継目は、中央部1カ所を標準として、傾斜が急な場合のコンクリートの打設は、型わくを使用して行わなければならない。また、インバートコンクリートと側壁コンクリートとの継目は、適切な方法によりコンクリートを充てんしなければならない。

第5節 覆工背面への注入

第265条 注入

1 注入開始時期は、覆工のコンクリートが注入圧力に耐えうる強度に達した後とする。

2 注入順序は、埋設管のうち一般に縦断勾配の低い側より逐次高い方へ片押しとする。断面部には下部のものから上部へ作業を進めるものとする。また、下方より注入の際、上部の注入孔は栓をあけて空気の排出をしなければならない。

3 注入作業に先だち注入管内を十分に清掃し、その先端に接する部分に埋め殺した矢板などは、完全にせん孔しておかなければならない。

4 注入にあたっては、地山をあらさないよう、また、覆工に偏圧や過大な荷重のかからないよう、かつ既設排水工を閉塞しないよう注意して施工しなければならない。

5 注入材料の混合は、原則として計量装置のついた機械を用いるものとする。

6 注入は、一工程連続して施工し、一定の圧力を保つものとする。やむを得ず注入作業を中止するときは、速やかに管内を水洗いし、適当な方法で管口をふさがなければならない。

7 低圧で異常に注入量の大きい場合、注入液が外部にふき出して効果のない場合、及び注入圧力が所定の圧力まで上昇しない場合などは、すみやかに監督員と協議するものとする。

8 注入の終了は圧力、注入量などにより監督員の承諾を得なければならない。

9 注入孔は硬練りモルタルをもって充てんし、ていねいに仕上げなければならない。

第6節 その他

第266条 排水工

1 覆工背面の地山からのゆう水を処理する止水シート、鉄板たて排水こう集水孔等の施工については、監督員の指示によるものとする。

第267条 坑門

1 坑門は覆工と一体となるよう入念に施工しなければならない。

2 坑門上部の盛土は排水をよくし、できあがった構造物に不当な圧力がかからないよう注意しなければならない。

第268条 名版及び標示板

1 名版は、トンネル両坑門正面に、監督員の指示により設置するものとする。

2 標示板の材質は鋳鉄を原則とし、両坑口に次の図を標準として取付けるものとする。

(標示板)

(取付け図)

画像

画像

板厚8mm 字厚5mm 計13mm

3 標示板に記載する幅員・高さは建築限界とする。

第269条 覆工厚の刻示

1 覆工厚の変化箇所には設計覆工厚を壁に刻示するものとし、取付位置は起点より終点に向って左側とし、刻示方法は次の図を標準とする。

(覆工厚刻示記号)

画像

(取付け図)

画像

第12章 路盤工

第1節 通則

第270条 一般

1 設計図書及び特記仕様書によるほか、本章に定めのないものについてはアスファルト舗装要綱、簡易舗装要綱によるものとする。

第271条 清掃

1 路盤各層の施工に先立ち、雑草、浮石、木片、ごみ等を取り除き、清掃しなければならない。

第272条 締固め

1 路盤の締固めは、適当な含水状態で締固め、所定の支持力又は密度が得られるよう均一に締固めなければならない。

2 締固め中、路床の軟弱により所定の締固めできないときは、ただちに監督員に報告して、その指示を得なければならない。

第2節 砕石及び切込砕石(砂利及び切込砂利)路盤工

第273条 粒度及び品質

1 下層路盤材料の最大粒径は図面又は特記仕様書に示す場合のほか50mmとする。

2 下層路盤材料は、次表に示す品質規格に合格するもので、砕石、玉砕、砂利、砂、その他承諾を得た材料又はそれらの混合物で粘土塊、有機物、ごみ、その他の有害量を含んではならない。

下層路盤材料の品質規格

 

試験方法

規格

アスファルト舗装

コンクリート舗装

塑性指数(PI)

JISA 1205

JISA 1206

6以下

※※ 10以下

修正CBR

アスファルト舗装要綱

※ 20以上

※※ 20以上

摘要

※ アスファルト舗装の下層路盤工に切込砕石を使用する場合は修正CBR30以上とする。

※※コンクリート舗装の路盤工を上下層に分けないで施工する場合は塑性指数(PI)6以下、修正CBR45以上とする。

3 上層路盤に用いる粒度調整路盤材料の標準粒度は次表を標準とする。

粒度調整路盤材料の標準粒度

通過ふるい(mm)

ふるいを通るものの重量百分率(%)

最大25mmの場合

最大30mmの場合

最大40mmの場合

50

100

40

100

95~100

30

100

95~100

25

95~100

20

60~90

60~90

13

55~88

5

30~65

2.5

20~50

0.4

10~30

0.074

2~10

4 粒度調整路盤材料は、次表に示す品質規格に合格するもので堅硬で耐久的な砕石、玉砕等を砂あるいはその他の適当な材料と混合したもの、又は品質及び粒度が規格に適合する切込砕石で粘土塊、有機物、ごみその他有害量を含んでいてはならない。玉砕は5mmフルイにとまるもののうち重量で60%以上のものが少なくとも2つの破砕石をもたなければならない。

粒度調整路盤材料の品質規格

 

試験方法

規格

アスファルト舗装

コンクリート舗装

塑性指数(PI)

JISA 1205

JISA 1206

4以下

6以下

修正CBR

アスファルト舗装要綱

80%以上

45%以上

第274条 敷ならし

1 路盤の一層の仕上り層は、上層路盤では15cm以下、下層路盤では20cm以下になるようにまき出すものとする。

2 骨材の敷ならしは、均等に過不足のないように散布し、締固めにより不陸を生じた場合は適当な大きさの骨材で入れ替えるか、又は同じ大きさの骨材を補足して補正するものとし、決して小さい骨材を散布して不陸の整正を行うようなことをしてはならない。

3 マカダム式の場合における敷ならしは、一層の仕上げ厚さにほぼ等しい大きさの主骨材を一様に敷きならして、十分骨材がかみ合うまで締固めさらに目潰材としての骨材をこの上に散布し、主骨材の空げきにローラーで圧入するものとする。特に目潰材の散布にあたっては、粗骨材の空げきを一様に満たすように散布し、部分的に厚く散布して不陸の整正を行うようなことをしてはならない。

第275条 締固め度

1 下路路盤及び上層路盤の締固めは、JISA 1201によって求めた最適含水比付近で、所定の締固め度に締固めなければならない。なお、最大乾燥密度は、請負者が試験により求め、監督員の承諾を得て決定するものとする。

第3節 セメント安定処理路盤

第276条 粒度及び品質

1 骨材粒度は、図面又は特記仕様書に示す場合のほか次表を標準とする。

通過ふるい(mm)

ふるいを通るものの重量百分率(%)

50

100

40

95~100

20

50~100

2.5

20~60

0.074

0~15

2 セメント安定処理に使用する骨材は、次表に示す品質規格に合格するもので、多量の軟石やシルト、粘土塊、木根、草根などの有機物やその他セメントの水和に有害な物質を有害量含んでいてはならない。

骨材の品質規格

 

試験方法

規格

アスファルト舗装

コンクリート舗装

塑性指数(PIS)

JISA 1205

JISA 1206

9以下

9以下

第277条 プラント混合

1 プラント混合方式の場合は、材料をよく粉砕し、必要な含水量となるよう水を加え所定の配合に混合するものとする。

第278条 路上混合

1 路上混合を行う場合は、清掃した施工面上に骨材を敷均し(既設路盤利用の場合は所定厚に掻起し敷均して)その上に所要量のセメントを均一に散布し、混合機械で1~2回練りかえしたのち、水を加えながら十分混合するものとする。

第279条 敷きならし

1 混合物は、分離を生じない方法で、均一に敷均しなければならない。

2 一層の仕上り厚は20cm以下でなければならない。

第280条 施工

1 締固めは最適含水比で行うことを標準とする。

2 施工は気温が5℃以下のとき及び降雨時には行ってはならない。

3 加水混合から締固めまでの時間は2時間以内とする。

第281条 施工継目

1 1日の作業行程が終わったときは、横断施工継目をかならず設けなければならない。なお、次の工事を施工するに際しては、既設部分に害を与えないように保護し、継目部分の材料の締固めは十分行うように注意しなければならない。

2 2層以上に施工する場合の縦継目の位置は1層仕上り厚の2倍以上、横継目の位置は1m以上ずらさなければならない。

3 アスファルト舗装又はコンクリート舗装と、セメント安定処理層の縦継目の位置は15cm以上、横継目の位置は1m以上ずらさなければならない。

第282条 養生

1 仕上げ作業が完了したときは、ただちに養生を行うものとする。また、交通開始の時期については、監督員の承諾を得なければならない。

第4節 加熱アスファルト安定処理工

第283条 粒度及び品質

1 骨材の粒度は次表を標準とする。

通過ふるい(mm)

ふるいを通るものの重量百分率(%)

50

100

40

95~100

20

50~100

2.5

20~60

0.074

0~10

2 安定処理に使用する骨材は著しく吸水性の大きい骨材、過量の軟石、シルト、粘土などを含まず、次表に示す品質規格に合格するものでなければならない。

骨材の品質規格

 

 

 

塑性指数(PI)

JISA 1205

JISA 1206

9以下

第284条 配合

1 安定処理混合物の配合は、次表に示す基準値を満足するよう決定し、監督員の承諾を得なければならない。ただし、実績により加熱アスファルト安定処理混合物が次表に示す基準値に合格することが明らかで監督員が承諾した場合には、マーシャル試験を省略することができる。監督員の承諾したアスファルト量と、図面又は特記仕様書に示されたアスファルト量との開きが±0.5未満の場合は契約変更を行わないものとする。

マーシャル試験に対する試験値

突固め回数

両面各々50回

安定度(kg)

350以上

フロー値(1/100cm)

10~40

空げき率(%)

3~12

(注) 25mmをこえる骨材部分は、同重量だけ25mm~13mmで置きかえてマーシャル試験を行う。

2 加熱アスファルト安定処理混合物の基準密度は、監督員の承諾をえた配合において、骨材の25mm以上の部分を25~13mmにおきかえた材料について室内で混合された混合物から3個のマーシャル供試体を作成し、その密度の平均値を基準密度とする。ただし、基準密度の決定にあたっては監督員の承諾を得なければならない。

第285条 気象条件

1 混合物の敷ならしにあたっては、その下層表面で湿っていないときに施行するものとする。作業中、雨が降り出した場合は、ただちに作業を中止するものとする。

2 監督員が承諾した場合以外は、気温が5℃以下のときは施工してはならない。

第286条 

1 加熱アスファルト安定処理混合物の製造に用いるプラントは第3節に示す規格に準ずるものとする。

2 加熱アスファルト安定処理混合物の混合及び運搬は第12章第4節に準ずるものとする。

第287条 敷ならし及び締固め

加熱アスファルト安定処理混合物の敷ならしは第2節に準ずるものとする。ただし、一層の仕上り厚は10cm以下とする。

第288条 施工継目

1 施工継目については、第3節に準ずるものとする。

第13章 アスファルトコンクリート舗装(基層、表層工)

第1節 通則

第289条 上層路盤面又は基層面の整備

1 アスファルトコンクリート基層・表層工の施工に先立って、上層路盤面又は基層面の浮石、その他の有害物を除去清掃しなければならない。上層路盤又は基層面の異常を発見したときは、すみやかに監督員と協議し適切な処置を施さなければならない。

第2節 材料の貯蔵

第290条 材料の貯蔵

1 ドラムによって搬入するアスファルトは、入荷順、製造所別に、分類して貯蔵し、入荷順に使用するようにしなければならない。

2 アスファルト乳剤は、製造後60日をこえたものは使用してはならない。

3 骨材は、各寸法別又は各種類別毎に分離が最小で、有害物が混入しないよう貯蔵しなければならない。

4 細骨材は、シートなどでおおい、雨水がかからないように貯蔵しなければならない。

5 石粉は、湿度の低い場所に貯蔵し、入荷順に使用しなければならない。袋詰の石粉は、地上30cm以上に床をもつ倉庫に貯蔵しなければならない。

第3節 配合

第291条 示方配合

1 骨材の粒度範囲は次表のとおりとする。

骨材の粒度範囲

混合物の種類

①粗粒度アスコン

(20)

②密粒度アスコン

③細粒度アスコン

(13)

④密粒度ギャップアスコン

(13)

⑤密粒度アスコン

⑥細粒度ギャップアスコン

(13F)

⑦細粒度アスコン

(13F)

⑧密粒度ギャップアスコン

(13F)

⑨開粒度アスコン

(13)

(20)

(13)

(20F)

(13F)

最大粒径(mm)

20

20

13

13

13

20

13

13

13

13

13

通過重量百分率(%)

25

100

100

 

 

 

100

 

 

 

 

 

20

95~100

95~100

100

100

100

95~100

100

100

100

100

100

13

70~90

75~90

95~100

95~100

95~100

75~95

95~100

95~100

95~100

95~100

95~100

5

35~55

45~65

55~70

65~80

35~55

52~72

60~80

75~90

45~65

23~45

2.5

20~35

35~50

50~65

30~45

40~60

45~65

65~80

30~45

15~30

0.6

11~23

18~30

25~40

20~40

25~45

40~60

40~65

25~40

8~20

0.3

5~16

10~21

12~27

15~30

16~33

20~45

20~45

20~40

4~15

0.15

4~12

6~16

8~20

5~15

8~21

10~25

15~30

10~25

4~10

0.074

2~7

4~8

4~10

4~10

6~11

8~13

8~15

8~12

2~7

第292条 配合設計

1 配合設計は、次項及び次条に示す方法によるものとする。

2 第291条に示された粒度範囲にはいるように粒度配合を行わなければならない。

第293条 設計アスファルト量の決定

1 示方配合を満足するように配合された合成粒度の骨材に対し設計アスファルト量を次の方法にしたがって決定する。ただし、これまでの実績により加熱アスファルト混合物が表に示す基準値に合格することが明らかであり、監督員が承認した場合は、マーシャル試験を省略することができる。

(1) 示方アスファルト量より上下の0.5%きざみにアスファルト量をかえた5種類の混合物についてマーシャル試験用供試体をつくる。供試体の密度、安定度及びフロー値を測定し、空げき率と飽和度とを算出する。

(2) アスファルト量と密度、安定度、空げき率、飽和度、フロー値の関係を求め、次表に示す基準値をそれぞれ満足するアスファルト量範囲の中央値を設計アスファルト量とする。一般地域でわだち掘れが大きくなると予想される場所では、中央値から下限値の範囲内で減らすことができる。交通量の少ない場所や多雨多湿の地域及び積雪地域のすりへり作用の多い場所では、中央値から上限値の範囲内で増すことができる。

2 マーシャル試験の結果はすべての基準値を満足するアスファルト量範囲がまとまらない場合は骨材の配合等を変更し再試験を行うものとする。

3 配合が決定したときは、その決定に用いた資料を添付して、監督員の承諾をえなければならない。

マーシャル試験に対する基準値

混合物の種類

①粗粒度アスコン

(20)

②密粒度アスコン

③細粒度アスコン

(13)

④密粒度ギャップアスコン

(13)

⑤密粒度アスコン

⑥細粒度ギャップアスコン

(13F)

⑦細粒度アスコン

(13F)

⑧密粒度ギャップアスコン

(13F)

⑨開粒度アスコン

(13)

(20)

(13)

(20F)

(13F)

炎固め回数

C交通以上

75

75

50

75

B交通以上

50

50

空げき率(%)

3~7

3~6

3~7

3~5

2~5

3~5

飽和度(%)

65~85

70~85

65~85

75~85

75~90

75~85

安定度(kg)

500以上

(750以上)

500以上

500以上

500以上

350以上

500以上

350以上

フロー値(1/100cm)

20~40

(注)

1 積雪地域の場合はC交通であっても、流動によるわだち掘れのおそれが少ないところでは50回とする。

2 (  )内はC交通以上で突固め回数を75回の場合とする。

第294条 現場配合

1 舗装に先立って前条で決定した配合物を実際に使用する混合所で製造し、その混合物でマーシャル試験を行い、もし、基準値を満足しない場合には、骨材粒度又はアスファルト量の修正を行わなければならない。さらに、この修正した配合によって製造した加熱アスファルト混合物の最初の1日の舗設状況を観察し、必要な場合には配合を修正し、監督員の承諾をえて最終的な配合(現場配合)を決定しなければならない。

2 現場配合のアスファルト量と、示方配合アスファルト量との開きが0.5%未満の場合は契約変更を行わないものとする。

第295条 基準密度の決定

1 混合物の基準密度は、現場配合により製造した最初の1~2日間の混合物から、午前、午後おのおの3個のマーシャル供試体を作製し、その密度の平均値を基準密度とする。なお、基準密度の決定にあたっては、監督員の承諾をえなければならない。

第4節 混合所

第296条 一般

1 混合所は、敷地とプラント、材料置場など適切な設備を有するもので、プラントは、所定の混合物を生産しうるように設計され、調整されたもので原則としてミキサ容量400kg以上のものでなければならない。

2 混合所は、防じんなどの対策をこうずると共に、保安について必要な設備を有するものでなければならない。

第297条 プラントの設備

1 プラントは次に示すものでなければならない。

(A) バッチ式プラント

バッチ式プラントは、次の各項のものを有し、それぞれ十分な機能を有するものでなければならない。

(1) コールドフィーダ

(2) アスファルト貯蔵槽(タンク又はケットル)及びその加熱装置

アスファルト貯蔵槽又は供給管内の適当な位置に自記温度計を設置し、アスファルトの温度を測定しうるようにしなければならない。

(3) ドライヤ

ドライヤの吐き出し口付近に自記温度計を設置し、骨材の温度を測定しうるようにしなければならない。

(4) ふるい分け装置

ふるい分け装置は、加熱骨材を所定の粒径別に少なくとも3種類にふるい分けのできる能力を有するものがなければならない。

(5) ホットビン

ホットビンは、3つ以上のビンからなり、各粒径の骨材を必要量貯蔵しうるものでなければならない。各ビンには、それぞれ試料採取装置を備えていなければならない。

(6) 集じん装置

(7) 骨材、石粉、アスファルト計量槽

アスファルト計量槽の容量は、ミキサ容量の12%以上とし、その周辺は、適当な方法で保温したものでなければならない。

(8) 骨材、石粉、アスファルト秤

秤の最少目盛は、最大秤量の1/200以下のものでなければならない。

また、秤の精度は、最大秤量の1.0%以内でなければならない。

(9) アスファルト放出装置

スプレーバは、アスファルトを均等に散布できるものでなければならない。

(10) ミキサ

ミキサは、二軸式パグミル型バッチ式ミキサで、均一な所定の混合物を生産しうるものでなければならない。羽根とミキサの内壁との間げきは2cm以下でなければならない。

(B) 連続式プラント

連続式プラントは、バッチ式プラントの(1)(6)のほか、次の各項のものを有するものでなければならない。

(1) 粒度調整装置

(2) 同調装置

(3) ミキサ

ミキサは、二軸式パグミル型の連続式ミキサで、均一な所定の混合物を生産しうるものでなければならない。

第5節 混合及び運搬

第298条 混合物の製造

1 コールドフィーダのゲートは、現場配合の粒度にあうようその開きを決定しなければならない。

2 現場配合の粒度に合うよう各ホットビンごとの計量値を決定しなければならない。自動計量式のプラントでは、ホットビンから計量する骨材の落差補正を行わなければならない。

3 フルイ分け装置は、フルイの目づまりを防ぐよう必要に応じ清掃しなければならない。

4 アスファルトの加熱温度は監督員の承諾をえなければならない。また、温度の変動は承諾された温度に対し、±15℃の範囲内になければならない。

5 バッチ式ミキサを使用する場合は、骨材及び石粉をミキサに投入し、5秒以上混合した後に、アスファルトを注入し、30秒以上均一な混合物を得るまで、混合を続けなければならない。連続式ミキサを使用する場合の混合時間は、45秒以上で均一な混合物をうるに必要な時間でなければならない。

6 ミキサ排出時の混合物の基準温度については、監督員の承諾をえなければならない。また、その変動は、承諾をえた温度に対して±25℃の範囲内になければならない。ただし、185℃をこえてはならない。

第299条 運搬

1 混合物の運搬は、清浄、平滑な荷台を有するトラックによらなければならない。トラックの荷台内面には、混合物の付着を防止する油、又は溶液を薄く塗布しなければならない。また、気象条件によっては、シート類で混合物を覆わなければならない。

第6節 舗設

第300条 舗設準備

1 アスファルトコンクリート基層、表層工の施工に先立って、上層路盤面又は基層面の浮石、その他有害物を除去しなければならない。

第301条 プライムコート

1 プライムコートは、原則として、気温が5℃以下のときに施工してはならない。作業中に雨が降り出した場合は、ただちに作業を中止しなければならない。

2 歴青材料の散布にあたっては、散布温度に注意し、縁石等の構造物を汚さないよう所定の量を均一に散布しなければならない。

3 カットバックアスファルトやタールを使用した場合は、原則として24時間以内にアスファルト混合物を舗設してはならない。

4 プライムコートを施工後、交通に開放する場合は、歴青材料の車輪への付着を防ぐため、荒目砂などを散布しなければならない。交通により、プライムコートがはく離した場合は、再度プライムコートを施工し、補修しておかなければならない。

第302条 タックコート

1 タックコートは、原則として気温が5℃以下のときに施工してはならない。作業中に雨が降り出した場合は、ただちに作業を中止しなければならない。

2 歴青材料の散布にあたっては、散布温度に注意し、縁石等の構造物を汚さないよう所定の量を均一に散布しなければならない。

3 タックコートは、上層のアスファルト混合物を補設するまでの間、良好な状態に維持しなければならない。

第303条 敷ならし

1 敷ならしは原則としてフイニッシャーによるものとする。

2 敷ならし時の混合物の温度は、110℃以上とする。

3 混合物の敷ならしにあたっては、その下層表面が湿っていないときに施工するものとする。作業中雨が降り出した場合は、ただちに作業を中止し、また気温が原則として5℃以下のときに施工してはならない。

4 一層の仕上がり厚は、7cm以下でなければならない。

5 寒冷期にやむを得ず5℃以下の気温で舗設する場合は状況に応じ、つぎの方法を組み合せるなどして所要の密度に締固められることを確認し、監督員の承諾を得なければならない。

(1) 使用予定のアスファルトの針入度は規格内で大きくする。

(2) プラントの混合温度を若干上げる。現場の状況を考え逆算してプラントにおける混合の温度をきめる。しかし、その温度は185℃以下でなければならない。

(3) 混合物の運搬トラックに保温設備をもうける。

(4) 敷きならしに際しては、

(イ) フイニッシャーのスクリートを継続して加熱する。

(ロ) 作業を中断した後、ふたたび混合物の敷きならしを行う予定のある時はすでに舗装してある舗装の端部幅20~30cm程度に、加熱混合物をのせるなど適当な方法で加熱しておく。のせた加熱混合物は敷きならしが始ったとき取り除く。

(5) 締固めない混合物の敷きならし長は、10m以上にわたらないようにしなければならない。

第304条 締固め

1 混合物は、敷きならし後、ローラーによって所定の締固め度がえられるよう十分締固めて仕上げなければならない。ローラーによる締固めが不可能な箇所は、タンパ等で十分締固めて仕上げなければならない。

2 横継目、縦継目及び構造物との接触部は、十分締固め密着させなければならない。

3 継目は十分に締固めて密着させ、平たんに仕上げなければならない。すでに舗設した端部が十分締固められていない場合や、きれつが多い場合は、その部分を切り取ってから隣接部を施工しなければならない。

4 各層の縦継目の位置は、15cm以上、横継目の位置は1m以上ずらすものとする。

第7節 レデーミクストアスファルトコンクリート

第305条 混合物の種類

1 加熱式レデーミクストコンクリート(以下「生アス」という。)を使用する場合の標準品は次表のとおりとする。

生アスの標準品

種類

項目

粗粒度アスコン

密粒度アスコン

細粒度アスコン

密粒度ギャップアスコン

最大粒 径m/m

20

13~20

13

13

標準アスファルト量 %

4.5~6.0

5.0~7.0

6.0~8.0

4.5~6.5

アスファルトの種類

ストレートアスファルト

60~80

80~100

密度 t/m3

2.3~2.35

2.3~2.35

2.1~2.18

2.3~2.35

2 標準品以外の特殊生アスについては、設計図書又は特記仕様書にもとづき、監督員の承諾を得なければならない。

第306条 配合

1 第3節に準ずるものとする。

2 生アスを使用する請負者は、施工に先立ち配合設計資料及び生アスファルトコンクリート使用承認願を提出し監督員の承諾を得なければならない。

第307条 混合所

1 第4節に準ずるものとする。

第308条 混合及び運搬

1 第5節に準ずるものとする。

第14章 セメントコンクリート舗装

第1節 通則

第309条 一般

1 コンクリートについては第4章を適用するものとする。

2 路盤紙を用いる場合継目の重なりは縦方向で10cm以上、横方向で30cm以上とする。

第310条 強度

1 コンクリートの強度は、材令28日においてJISA1106(コンクリートの曲げ強度試験方法)によって求めた曲げ強度で45kg/cm2以上とする。

第311条 配合

コンクリートの配合基準は、次表によるものとする。

粗骨材の最大寸法

40mm

スランプ

2.5cm又は沈下度30秒を標準とする。(打込場所において)

第312条 材料の計量

各材料の計量の誤差は、一回計量分に対し、次表の値以下でなければならない。

材料の種類

許容誤差(%)

1

セメント

2

骨材、混和剤溶液

3

第313条 練りまぜ

1 練りまぜ強制練りミキサー又は可傾式ミキサーを使用しなければならない。

第2節 舗設

第314条 型枠

1 型わくは、十分清掃し版の正確な仕上がり厚さ、正しい計画高さを確保するものとし、コンクリート打ち込みの際、狂わないよう正しく所定の位置にこれをすえ付けなければならない。やむをえず木製型わくを使用する場合は、監督員の承諾を得なければならない。

2 型わくはじゅうぶん清掃し、まがり、ねじれ等の変形を検査して常に良好な状態に保っておかなければならない。

3 木製型わくを使用する場合は、厚さ9cm、長さ3mを標準とし、材質は均質で狂いを生じないものでなければならない。

4 型わくは、コンクリートを打ち込んだ後、60時間以内に取りはずしてはならない。ただし、特別の場合には監督員の承諾を得てこれを短縮することができるものとする。

第315条 コンクリートの運搬

1 コンクリートの運搬は、材料ができるだけ分離しない方法で行い、練り混ぜながら打ち始めまでの時間は1時間以内とする。

2 コンクリートをミキサから直接運搬車に排出するときは、その高さはなるべく低くしなければならない。

3 コンクリートの運搬荷卸は、すでに打ったコンクリートに害を与えたり、路盤紙を横すべりさせたり、路盤上に散布した砂をコンクリートの中に巻き込まないようにしなければならない。

4 運搬車は、コンクリートの滑りをよくするため油類等を塗布してはならない。

第316条 コンクリートの敷きならし準備

1 型わくが設置されたときは、スクラッチテンプレートなどを用いて路盤高さの仕上りを検査し、不十分な点を補正しなければならない。

2 霜が降りたり、凍結している路盤に、コンクリートを打ち込んではならない。路盤面に霜が降りたり、凍結のおそれがある場合には、路盤面にむしろ、天幕等をかけて保護しなければならない。

3 コンクリートの温度が30℃以上となるような炎熱時には暑中コンクリートとし、また、コンクリート打ち込後24時間以内に気温5℃以下、並びに6日以内に0℃以下となるおそれのある場合は寒中コンクリートとし、それぞれの施工方法について監督員の承諾を得た場合以外は施工してはならない。

第317条 コンクリートの敷ならし

1 コンクリートは、スプレッターを使用して材料が分離しないように敷きならさなければならない。ただし拡幅摺付部、取付道路部、交差部等で人力施工とする必要がある場合は、型わくに沿ったところから順序よく「スコップ返し」をしながら所要の高さで敷きならさなければならない。

2 コンクリートは、締固め後コンクリートを加えたり、削ったりすることのないよう敷きならさなければならない。

3 コンクリートは、路盤紙の下にはいらないよう、これを敷きならさなければならない。また、作業中どろ足でコンクリートの中に踏み込んだり、路盤紙を踏み荒らしたりしないように注意しなければならない。

4 コンクリート版の四すみ、スリップバー、タイバー等の付近は、分離した骨材が集まらないよう特に注意し、ていねいに施工しなければならない。

5 コンクリート打込中、雨が降ってきたときは、ただちに作業を中止しなければならない。

6 施工目地は、舗装中、機械の故障や降雨のため舗装を中止せざるをえないときに設けるものとし、できるだけめくら目地の設計位置におくようにするものとする。それができない場合は目地の設計位置から3m以上離すようにするものとする。この場合構造はタイバーを使った突合せ型とする。

第318条 コンクリートの締固め

1 コンクリートの締固めは、原則としてフイニッシャによって十分締固めなければならない。

2 フイニッシャの故障、あるいはフイニッシャの使えないところなどの締固めのため平面バイブレーター、棒状バイブレーターを準備しておかなければならない。

3 型わく及び目地の付近は、棒状バイブレーターで締固めなければならない。また、作業中スリップバー、タイバー等の位置が狂わないよう注意しなければならない。

第319条 鉄網コンクリート

1 鉄網は、締固めるときにたわませたり移動させたりしてはならない。

2 鉄網は重ね継手とし、1網目以上又は20cm以上重ね合わせなければならない。

3 継手は、焼なまし鉄線で結束しなければならない。

4 鉄網設置は、上下層に分けて施工する場合は、下層コンクリートを敷均した後、上層のコンクリートを打つまでの時間は約30分以内とする。

第3節 表面仕上げ

第320条 一般

1 コンクリート舗装の表面は、車両が快適な走行ができるように、また、滑ったり光線の反射のため運転がさまたげられたりしないように適当な粗面仕上げとし、かつ、仕上げ面は平坦で、ち密、堅硬な表面とし、特に縦方向の小波が少ないように仕上げねばならない。

第321条 荒仕上げ

1 荒仕上げはフイニッシャによる機械仕上げ、また、簡易フイニッシャやテンプレートタンパによる手仕上げで行うものとする。

第322条 平たん仕上げ

1 平たん仕上げは、荒仕上げに引続いて行うもので、表面仕上げ機による機械仕上げ又はフロートによる手仕上げで行うものとする。

2 人力によるフロート仕上げは、フロートを半分ずつ重ねて行う。コンクリート面が低くてフロートに当らない所があれば、コンクリートを補充してコンクリート全面にフロートが当るまで仕上げるものとする。

3 仕上げ作業中は、コンクリートの表面に水を加えてはならない。著しく乾燥するような場合には、フォツグクプレーを用いてもよいものとする。

4 仕上げ後、適宜に平たん性の点検を行い、必要があれば不陸修正を行うものとする。

第323条 粗面仕上げ

1 粗面仕上げは、面取りなどの仕上げが完全に終了し、表面の水光りが見えなくなったら、版全体に均等に行うものとする。

第4節 目地の施工

第324条 一般

1 一つのコンクリート版において目地に接するところは、他の部分と同じ強度及び平たん性をもつように仕上げなければならない。目地付近にモルタルばかりよせて施工してはならない。

2 相接するコンクリート版の目地部分の高さの差は2mmをこえてはならない。また、目地は全幅にわたり、等深、等厚になるように施工するものとする。

3 目地は、進行方向に直角で、路面に垂直になるように施工するものとする。

4 目地の肩は、半径5mm程度の面取りをするものとする。ただし、コンクリートが硬化した後、コンクリートカッターなどで目地を切る場合は、面取りを要しない。

5 目地の仕上げは、コンクリート面の荒仕上げが終ったら目地ごてで荒面取りを行い、水光が消えるまで待って最後の仕上げをするものとする。

第325条 膨張目地

1 膨張目地板は、路面に垂直で一直線に通り、版全面にわたって完全に絶縁できるようにしなければならない。

2 目地板の上部のシール部に一時的に入れるものは、コンクリートに害を与えないよう、適当な時期にていねいにこれを取り除かなければならない。

第326条 収縮目地

1 めくら目地は、定められた深さまで路面に対して垂直にコンクリートカッターで切り込み目地材を注入しなければならない。

2 突き合せ目地は、硬化したコンクリート側にアスファルトを塗るか、又はアスファルトペーパーその他をはさんで新しいコンクリートが付着しないようにしなければならない。

第5節 養生

第327条 一般

1 コンクリートは、表面仕上後交通開放できるまで、日光の直射、風雨、乾燥、気温、荷重、衝撃等による有害な影響をうけないよう、養生を行わなければならない。

2 初期養生は表面仕上げに引続き表面を荒さないで養生ができる程度コンクリートが硬化する間はおおいその他被膜養生などで表面の乾燥を防がなければならない。

3 後期養生は初期養生に引き続き現場養生供試体の曲げ強度が35kg/cm2以上になるまでは、マット、麻袋、むしろなどを表面及び型枠取りはずしの後の側面にも敷設し、散水して養生を行わなければならない。試験を行わない場合には、普通ポルトランドセメントを使った場合は2週間、早強ポルトランドセメントを使った場合は1週間、中庸ポルトランドセメント及びフライアッシュを使った場合は3週間とする。期間中は、コンクリートを常に湿潤に保っておかなければならない。

4 交通開放の時期は、監督員の承諾を得なければならない。

第328条 寒中養生

1 舗装コンクリートは打ち込み後少なくとも圧縮強度が50kg/cm2、曲げ強度が10kg/cm2になるまで凍結しないよう十分に保護し、特に風を防がなければならない。

第15章 道路付属構造物

第1節 通則

第329条 一般

1 設計図書及び特記仕様書によるほか本章に定めのないもので、設置基準等があるものについてはこれらに準ずるものとする。

2 簡易な維持修繕工事等は、この章によらないことができるものとする。

3 請負者は現場の状況を十分調査し、使用材料、施工中の交通整理の方法等について、監督員の承諾を得なければならない。

第2節 道路標識

第330条 塗装及び反射加工

1 道路標識は全反射とする。

反射シートに用いる色調についてはJISZ 9117(保安用反射シート及びテープ)によるものとする。

2 反射シート

(1) はり付け

1) 反射シートのはり付けは、原則として真空式加熱圧着機を使用して行うものとする。手作業によるはり付けを行う場合は、ゴムローラー等を用い反射シートが基板に密着するよう、脱脂、乾燥を行い、十分に圧着しなければならない。なお、気温が10℃以下における屋外でのはり付けは原則として行ってはならない。

2) はり付けた反射シートの表面にゆねみ、しわ、ふくれのないようきれいに仕上げなければならない。

3) 2枚以上の反射シートを接続してはり付けるか、あるいは組として使用する場合は、あらかじめ反射シート相互間の色の調和をはかり、はり付けを行った標識が、日中及び夜間にそれぞれ必要な輝きを有するようにしなければならない。

4) 反射シートを接合して使用する際は、5mm以上重ねてはり合わせるものとする。

(2) 仕上げクリヤー塗装

印刷後の反射シートの表面には、クリヤー塗装をスプレー又はロールコーディング法で均等に仕上げるものとする。

3 素材加工

(1) 標識板の四すみは、円弧に切断し、縁曲げ加工し、グラインダー等で表面をなめらかにしなければならない。

(2) 取り付け金具及び板裏側補強鋼材は全て、工場において溶接により取り付けるものとし、現場で取り付けてはならない。

4 塗装

(1) 標識板素材に鋼材を用いる場合には、酸洗い、又はカラ焼によって脱脂し、さび落しの後、燐酸塩膜法等によるさび止めを施さなければならない。

(2) 支柱素材は前項と同様の方法でさび止めを施すか、さび止めペイントによるさび止め塗装を施さなければならない。さび止めペイントはJISK 5621(一般用さび止めペイント)からJISK 5628(鉛丹ジンクロメートサビ止めペイント2種)に適合するものでなければならない。

(3) 支柱の上塗り塗料は、つや、付着性及び塗膜硬度が良好で長期にわたり変色褐色しないものを用いなければならない。

第331条 設置

1 設置位置は、監督員と協議して定めるものとする。

2 基礎工事の施工、建込みに際しては、地下埋設物、付近の構造物、道路交通に特に注意し、極力支障をきたさないよう努力するとともに、基礎及び埋戻し土の突固めは入念に施工しなければならない。また、コンクリート等の養生期間中の支柱仮受等は十分に処置しなければならない。

3 建込みに際しては、標識板の向き、角度、標識板と支柱の通り、傾斜、支柱上端のキャップの有無に注意して施工しなければならない。

4 支柱には「長与町、設置年月」を記入したステッカーを貼付しなければならない。

材質:高輝度ステッカー

ステッカーの位置及び寸法

画像

第3節 区画線

第332条 施工

1 設置路面は、水分、泥、砂じん、ほこりを取り除いて完全に清掃し、均一に接着しなければならない。

2 施工にあたっては使用する材料の特性、使用方法を十分検討し、入念な施工をしなければならない。

第4節 防護棚

第333条 設置

1 土中の設置穴は、支柱が沈下するおそれのないよう穴の底部を十分に突き固めておかなければならない。

2 防護棚を橋梁、擁壁、函渠等のコンクリート中に設置する場合は、構造物のコンクリート打設前に型わく等を用いて図面又は監督員の指示する位置に箱抜き等をしておかなければならない。

3 ガードレールのビームの取付けは、自動車進行方向に対して、ビーム端の小口が見えないように重ね合わせボルト・ナットで十分締めつけなければならない。

4

(1) ガードケーブルの端末支柱を土中に設置する場合には、支柱を所定の位置及び高さに設置して、コンクリートを打設し、コンクリートが十分硬化したのち土砂を入念に突き固めながら埋戻しなければならない。

(2) ガードケーブルのケーブルを支柱に取り付ける場合、ケーブルはねじれ等をおこさないようにするとともに、所定の張力(1~2t)をあたえなければならない。

5 オートガードの連結部はコンクリートで充てんし、その色合い、仕上りはできるだけビームの外観に合わせなければならない。

第334条 塗装及び亜鉛メッキ

1 塗装仕上げをする場合の鋼製ビーム、パイプ、ブラケット及びパドル

(1) 原則として溶融亜鉛メッキ法により、亜鉛メッキを施し、その上に工場にて仕上げ塗装を行うものとする。この場合めっき面に燐酸塩処理等の下地処理を行うこと。

(2) 亜鉛の付着量は、JISG3302「亜鉛鉄板」3種に規定されている呼び付着量381g/m2以上と仕上げ塗装の塗膜厚は最少20μとする。

2 塗装仕上げをする場合の支柱

支柱の亜鉛メッキ及び仕上げ塗装は、1に準じて行うものとする。ただし、埋め込み部分については、亜鉛メッキ後、JISK5411「油ワニス」黒ワニス1種又はこれと同等以上のものを用いて内外面とも塗装を行うものとする。

3 塗装仕上げをする場合のボルト、ナット、索端金具及び継手ボルト、ナット(オートガードに使用するボルト、ナットを除く。)、索端金具及び継手は、第1項に準じて溶融亜鉛めっきを施したものとする。

4 亜鉛めっき地肌のままの場合

亜鉛めっき地肌のまま使用する場合、ビーム、ブラケット、パドル、支柱及びその他の部分(ケーブルは除く。)は、形成加工後溶融亜鉛めっきを施したものとする。

5 亜鉛の付着量は、ビーム、ブラケット、パドル及び支柱の場合JISH8641「溶融亜鉛めっき」3種(HDZ55C)の550g/m2(片面の付着量)以上とし、その他の部材(ケーブルはのぞく。)の場合は同じく3種(HDZ35A)の350g/m2(片面の付着量)以上とする。なお、前各項の規定にかかわらず、ビーム等の板厚が3.0mm以下となる場合は、第1項から第3項までによるものとする。

第5節 視線誘導標

第335条 設置

1 擁壁等のコンクリート中に設置する場合は、第333条第2項により行うものとする。

第6節 道路照明

第336条 電線路

1 道路に地中線を埋設する場合の深さは原則として次のとおりとする。

(1) 車面その他の重量の圧力を受けるおそれがある場所においては1.2m以上

(2) 車面その他の重量物の圧力を受けるおそれがない場所においては0.6m以上

2 地中線は車道以外の部分に布設しなければならない。ただし、電源を供給するために車道を横断する場合はこの限りではない。

3 高架及び橋梁における電線路は、原則として地覆又は中央分離帯に埋設するものとする。

第337条 建柱

1 掘削は原則として直掘りとする。

2 埋設式ポールの基礎は原則としてコンクリート基礎とする。

3 建柱に当たっては、ポールの損傷に注意して定められた方向及び傾斜を調整しなければならない。

4 灯具の取付け、ポール内配線等はコンクリートの養生期間を十分とった後行わなければならない。また、塗装に損傷を生じた場合は、必ずその部分に錆止め、下地処理を施してから仕上塗装を行わなければならない。

5 道路照明設置後「長与町、設置年月」を記入したステッカーを貼付しなければならない。 材質:高輝度ステッカー

ステッカーの位置及び寸法

画像

第7節 落石防止網

第338条 落石防止網

1 金網は所定の長さに接続展開し、網目が変形しないように適度に張り、金網の両端部はナックル加工とし重ね幅は20cm以上としなければならない。

2 アンカーの設置については設計図面を基本とし土砂部は打込アンカーを土中に十分打ち込み、岩盤部はルーフボルトを使用し、穴とボルトの間隙をモルタル等で充填しなければならない。

3 ロープの架設は等間隔を基本とするが扇形箇所については縦ロープの最大間隔が図面の数値をこえない範囲で現地の形状にあわせて施工しなければならない。

4 結合コイルはロープと金網を所定の間隔にて結合しなければならない。

5 クロスクリップは各ロープの交差部を金網と一体となるように取り付け、固定しなければならない。

6 ポケット式及びミニポケット式支柱は、ポケットの最大有効範囲を確保できる位置に設置し、ミニ支柱は三脚が法面に接する安定地盤を選定し施工しなければならない。

7 ポケット式ロックネット上段横ロープ取付けは、横方向最上段部にロープを延長しUボルトにて支柱に仮止めした後、ターンバックルにて緊張後Uボルトで固定しなければならない。

第8節 落石防止柵

第339条 落石防止柵

1 ロープの架設はロープの間隔を図面に示す間隔に設置し、ねじれ等を起こさないようにし、張力(1~2t)を与え索端金具にて端末支柱に固定しなければならない。

2 金網の架設は金網の網目が変形しない程度に張りバインドワイヤーにてロープに取付けなければならない。

3 中間支柱の設置穴は、構造物のコンクリート打設前に型わく等を用いて、図面又は監督員の指示する位置に箱抜き等をしておかなければならない。

4 端末支柱を擁壁、函渠集のコンクリート構造物中に設置する場合は、図面又は監督員の指示に従い構造物のコンクリート打設前に所定の位置及び高さに設置して構造物のコンクリートと同時に施工しなければならない。

第16章 道路維持

第1節 通則

第340条 一般

1 道路維持作業の実施にあたっては安全かつ円滑な交通を確保するため道路を良好な状態に保つよう維持補修をしなければならない。

2 工事区間内で、事故防止のためやむを得ず臨機の処置を行う必要がある場合は、応急処置を行いすみやかに監督員に報告しなければならない。

第341条 作業計画

1 請負者は各工種の施工に先だち、施工計画書に基づいて、作業箇所、作業量、期間等を監督員と協議しなければならない。

第342条 地下埋設箇所の施工

1 掘削を伴う工事の施工にあたっては、特に工事着工前に埋設物管理者及び監督員と協議し、埋設物に損傷をあたえないよう十分注意しなければならない。

2 請負者はあらかじめ事故発生に対処しうる組織及び連絡方法等を監督員に提出しなければならない。

第343条 出来高の確認

1 除草及び路面清掃等ですみやかに出来高の確認を必要とする工事については、確認の方法などについて監督員と協議しなければならない。

第344条 交通規制及び交通安全施設

1 請負者は一定期間交通規制を必要とする場合は、その方法について監督員と協議し、実施及び解除時期等については承諾を得なければならない。

2 作業を実施する上で、一時的に撤去、又は消滅する交通施設(防護棚、視線誘導線及び区画線等)について、作業完了後すみやかに復元しなければならない。

第2節 セメントコンクリート舗装補修

第345条 局部打換

1 打換が舗装版一枚でなく、小部分のときは三辺を舗装版の縁とする正方形、又は長方形とし、打換部分及び残す部分の幅は1.2m以上、膨張目地と接するときは1.8m以上としなければならない。

2 路盤を入替えるときは隣接する路盤をゆるめないように入念に施工しなければならない。

第346条 目地及びクラックの充填

1 目地の充填を行うときは、古い目地材、石、ごみ等を取り除き施工しなければならない。なお、目地板の上に注入目地材を使用している目地は、その部分を取除くものとし、また、目地板のみで施工している目地は3cm程度削り取らなければならない。

2 充填できるクラックはすべて充填し、充填不能なクラックは監督員と工法を協議し、施工しなければならない。

第3節 アスファルト舗装補修

第347条 応急処理

1 舗装の破損した部分で遊離したもの、動いているものは取除き、原則として正方形又は長方形でかつ垂直に整形し、清掃した後、既設舗装面と平坦性を保つよう施工しなければならない。

2 カット面のタックコートは入念に行わなければならない。

第348条 打換

1 打換部分の形状は二辺が原則として道路中心線に平行とする長方形とし、打換部分の幅は2.5m以上とする。また、打換部分と舗装端との間が1.5m以下の場合は、舗装端まで打換えなければならない。

2 隅角部、縁部の締固めは、特に入念に行わなければならない。

第4節 構造物

第349条 側溝改造

1 既設側溝等の改造ではつりを行う場合は、他の部分を損傷しないようにしなければならない。

第350条 側溝蓋掛

1 蓋掛けを施工する区間は蓋掛け前に側溝内の清掃を行わなければならない。

第5節 交通安全施設

第351条 防護柵

1 ガードレール、ガードフェンス等防護柵の破損したものの取り替えの場合は、製品及び規格について、監督員と協議しなければならない。

第352条 視線誘導標

1 視線誘導標の補修にあたっては、基礎を十分締固め、正しく設置しなければならない。

第6節 路肩及び法面

第353条 路肩整正

1 路面排水を良好にするため路肩の堆積土砂を削り取り、又は土砂を補給して凹凸を整正し、十分に締固めを行い、適切な形状に仕上げなければならない。

第354条 除草

1 除草の範囲は、路肩より法面に沿い盛土部で1.0m、切土部で1.5mを標準とする。

2 草刈は刈残しのないように行うものとする。また、刈草はすみやかに処理し、交通等に支障のないように処置しなければならない。

第7節 清掃散水

第355条 路面清掃

1 路面清掃箇所は、清掃車等で入念に清掃しなければならない。また、機械清掃のできない箇所は人力にて掃出するようにつとめなければならない。

2 清掃に際し、散水を行う場合に凍結等により交通に支障をあたえないよう注意しなければならない。

3 収集したじんあいは桝及び側溝等に掃き込まないように注意しなければならない。

第356条 ガードレール清掃

1 ガードレールの清掃は、機械で行い、できない部分は人力で行わなければならない。

2 清掃は洗剤等の付着物を残さないように行わなければならない。

第357条 標識・照明・視線誘導標清掃

1 反射体及び支柱に付着しているほこりを布等で清掃しなければならない。

第8節 街路樹

第358条 せん定

1 街路樹のせん定、整枝は各樹種の特性により監督員と協議のうえ行わなければならない。

2 架空線、標識線に接触する枝は監督員と協議し、せん定しなければならない。

3 せん定した枝は、交通に支障のないように、すみやかに処理しなければならない。

第9節 災害応急処理

第359条 

1 応急復旧作業は簡所毎に黒板等に作業日時場所を記載し、写真撮影を行い、監督員の確認を得なければならない。

2 土砂等の撤去は路面及び構造物に損傷を与えないよう現場の状況に応じた施工をしなければならない。

第17章 橋梁下部工

第1節 通則

第360条 一般

1 橋梁下部工については、設計図書及び特記仕様書によるほか、ここに定めのないものについては道路橋示方書、同解説(Ⅰ共通編、Ⅱ下部構造編)及びコンクリート標準示方書によるものとする。

2 橋台及び橋脚の位置はあらかじめ丁張を設け、監督員の検査を受けて工事に着手しなければならない。

3 仮締め切り、湧水のおそれがある箇所、既設堤防の掘削等の施工方法については、あらかじめ、監督員の承諾を得なければならない。

第2節 基礎工

第361条 一般

1 工事中は、橋台、橋脚の位置、方向、高さ等の検照用丁張、仮B、Mを設け誤った位置に基礎工を設けないように注意しなければならない。

2 基礎工は、設計図書及び特記仕様書に示す工法に従い、一般施工に準じて施工しなければならない。

第3節 躯体工

第362条 一般

1 本体工施工は、監督員の基礎工検査に合格してからでなければ着手してはならない。

2 本体工は、設計図書及び特記仕様書に示す工法に従い、一般施工に準じて施工しなければならない。

第363条 アンカーボールト

1 橋台、橋脚に必要なアンカーボールトは、コンクリート打設中に設置するか、打設時にあけておいた孔に設置するか、いずれかにしなければならない。

2 打設時に孔をあけておく場合には、油を塗布した直径10cm以上の木片、金属パイプ等をそう入しておき、コンクリートが一部硬化したのち取りはずす方法によるものとする。

3 孔内の清掃を入念に行った後、ボールトを正確にはめ込み、間げきはモルタルで完全にてん充するものとする。モルタルは1:1配合のものとする。

第364条 橋名板

1 橋名板を設ける場合は、その路線の起点側にあたっては、終点側に向って右側に漢字で橋名、左側に路線名(河川名)、また、終点側にあたっては、起点に向って右側にひらがな字で橋名、左側に成工年月を掲げるものとする。

第18章 鉄筋コンクリート

第1節 通則

第365条 通則

1 鉄筋コンクリート橋は設計図書及び特記仕様書によるほか第3章一般施工第4章コンクリート工に準じて施工しなければならない。また、ここに定めのないものについては道路橋示方書、同解説(Ⅰ共通編、Ⅱコンクリート橋編)コンクリート標準示方書、道路橋伸縮装置便覧、同施工編によるものとする。

第366条 コンクリートの品質

1 設計図書又は特記仕様書による。

第2節 施工

第367条 コンクリート

1 打設前にあらかじめ材料の試験並びに配合を決定するための試験結果に基づいて、配合強度を決定し、監督員の承諾を受けなければならない。現場配合は、骨材の含水状態・骨材の粒度等を考慮し、監督員の指示に従って決定するものとする。

2 工事中はコンクリートのスランプ試験及びコンクリート圧縮強度試験を行わなければならない。コンクリートの圧縮強度試験、供試体採収回数は、特に指定するほかは1日について2回以上とする。

3 橋体コンクリートの打設順序は、打ち終ったコンクリートがまだその凝結及び硬化中に続いて打つ次のコンクリートの重量により、又はその他の原因によって不均一な歪みを受けて亀裂を生じないよう、その順序を考慮して打設しなければならない。

4 コンクリートの打ち込みは、支間中央より、両支点方向に向い対称に行い、できるだけ1径間連続して打ち込み、打ち継ぎ目ができないようにしなければならない。打設直後、レイタンスの除去を行う場合はコンクリートに振動を与えないようにしなければならない。

第368条 支保工

1 支保工には適当な所に、ジャッキ又はクサビ等を配置し、支保工の上下の調整及び支保工の取りはずしに支障がないようにしなければならない。

2 型枠組み立て後、監督員の検査を受けなければならない。

3 桁及び床版コンクリート等の型枠取りはずしの時期は、コンクリートの圧縮強度をもとにして定めるものとする。この場合、必要な圧縮強度は監督員の承諾を受けた強度とし、設計基準強度の80%を超え、材齢14日を経過した後にするものとする。

第369条 鉄筋工

1 第4章第9節によるほか次項から第5項までによる。

2 鉄筋とせき板との間隔はつり金具、モルタル塊、鉄座等で正しく保たなければならない。ただし、モルタル塊はコンクリート中のモルタルと同等以上の品質でなければならない。主桁鉄筋の組み立ての場合は、型枠底と鉄筋との間にモルタル塊等を使用せず鉄筋を型枠から吊るものとする。

3 床版コンクリートの打設に際しては、コンクリート運搬によるための荷重又はその他の荷重が直接床版鉄筋にかからないように適当な設備をしなければならない。

4 鉄筋の保管は変形、あるいは損傷しないようにし、直接これを地上に置いたり雨等を受けさせたりしてはならない。さびが発生した鉄筋は入念にさび落しを行い、深さびの発生したものは使用してはならない。

5 鉄筋組み立て後は、監督員の検査を受けた後でなければコンクリートを打設してはならない。

第370条 高欄・地覆・舗装の施工

1 高欄建て込み、地覆コンクリート、舗装コンクリートの打設は、床板コンクリートの圧縮強度が設計基準強度の80%を超え、又は支保工がある場合は材齢5日以上経過した後に施工しなければならない。

第371条 橋面舗装

1 舗装コンクリートは打設前に床版のレンタンスを入念に取り除き、打ち水しコンクリートのなじみを良くした後、舗設を行わなければならない。

2 舗装には規定の横断勾配をとり、不陸のないよう入念に仕上げるとともに、舗装両端の排水孔に向って排水を良くするよう地覆にそって幅5mm程度を平面に仕上げなければならない。

3 アスファルト舗装の施工は第13章によるものとする。

第3節 特殊コンクリート橋

第372条 一般

1 特殊コンクリート橋(T桁橋、床版橋を除く)については設計図書及び特記仕様書によるほか第1節に準じて施工するものとする。

第19章 PC橋

第1節 通則

第373条 一般

1 PC橋は、設計図書及び特記仕様書によるほか、ここに定めのないものについては、道路橋示方書、同解説(共通編、コンクリート編)コンクリート標準示方書、道路橋伸縮装置便覧、道路橋支承便覧、同施工編、プレストレストコンクリート施工便覧によるものとする。

2 プレテンションげたの製作は、JIS認定工場において施工しなければならない。また、ボストテンションげたの製作については、施工計画書に次の事項を記載するものとする。

(1) PC鋼材、鉄筋、型わくの取り扱い

(2) 主げた製作台、型わくの構造及び取り扱い、PC鋼材の配置及び支持間隔

(3) コンクリートの製造及び運搬設備

(4) コンクリート打設及び養生方法

(5) コンクリートの品質管理

(6) 緊張計画

(7) 試験装置及び主要機械器具

(8) グラウトの施工及び品質管理

(9) 作業分担

(10) 安全管理計画

(11) その他必要と思われる事項

3 シースは、内部にセメントペーストの漏れない構造とし、予期される圧力に耐える十分な強度をし、曲線部には可とう性のシースを使用しなければならない。

4 ポストテンション方式に用いる定着具及び接続具は、定着若しくは接続されたPC鋼材がJIS規格又は特記仕様書に規定された引張強度を発揮するまえに破壊することなく、また、著しい変形を生じることのないような構造及び強さを有するものでなければならない。また、施工にあたっては、あらかじめ試験成績表等の証明資料を提出し監督員の承諾を得なければならない。

第2節 けた製作

第374条 PC鋼材の配置

1 PC鋼材はシースに挿入するまえに清掃し、有害物等が付着しないよう、挿入作業を行わなければならない。

2 シースの継足部は水密にし、また、なるべく継手箇所が少なくなるようにしなければならない。

3 PCケーブルが所定の位置に確実に配置できるよう支持間隔を定めなければならない。

4 PCケーブルは、コンクリート打ち及び振動、締め固めに際し、その位置及び方向が移動しないように組立て、破損又は継目などからセメントペーストがいり込まないようにしなければならない。

5 横締め用シースは、その位置が許容される範囲内でのずれが生じても、横締めPC鋼材が容易に挿入できるようにその径を定め、入念に配置し施工しなければならない。

6 PCケーブルの配置について、監督員が指示するものについては、検査を受けなければならない。

第375条 定着装置の設置

1 定着装置は、PC鋼材に直角に設置しなければならない。特にねじの部分等は緊張完了までの期間、さびたり損傷をうけたりしないように保護しなければならない。

第376条 緊張時のコンクリート強度

1 すべてのプレストレスを与えてよいときのコンクリートの圧縮強度は、部材の設計において想定した強度が得られたことを確認し、行わなければならない。

2 ポストテンション方式において、早期にプレストレスの一部を与える場合のコンクリートの圧縮強度は、プレストレスを与えた時コンクリートにおこる最大圧縮応力度の1.7倍以上でなければならない。ただし、プレテンション方式の場合は300Kg/cm2を下まわってはならないものとする。なお、圧縮強度の確認は、構造物と同様な養生条件における供試体で行うものとする。

第377条 コンクリートの施工

1 屋外で養生を行う場合は、日覆い、防風設備を十分行い均一に養生しなければならない。

2 養生は、コンクリート打ち込み後原則としてプレストレスを与えるまで続けなければならない。なお、プレキャスト製品に対して高温促進養生を行う場合にはコンクリートを打ち込んだ後、加熱を始めるまでに十分な時間をおき、加熱中及び冷却中のコンクリート温度の急激な変化はさけなければならない。

3 緊張時期等の施工条件を決めるための、コンクリート圧縮試験用供試体は、コンクリート部材と同じ状態で養生しなければならない。

4 施工上打継目が必要な場合には、構造物の強度及び外観を害することが最も少ないように、その位置と方向及び施工方法を選ぶとともに全体のコンクリート及び1日のコンクリート打設量を勘案し決定しなければならない。

5 けた端付近は、鋼材が密集するので、コンクリートの打ち込みに支障のないよう打設前に監督員の検査を受けなければならない。

6 型わくをとりはずしたけたには、ただちに次の事項を表示しなければならない。

(1) 工事名又は記号

(2) コンクリート打設月日

(3) 通し番号

7 コンクリートの打ち込みは、原則として第一層下側フランジ、第二層腹部、第三層上側フランジの三層に分けて行い、各層とも主けたの両側より同時に開始し中央に向って打ち進むものとする。

8 ポストテンションけたにあっては、特にシース、定着装置、鉄筋、型わく等の組み立て配置について監督員の検査を受けた後内部及び外部振動機によってシースの破損、移動に注意してしゅうぶんに締め固めなければならない。

9 型枠、取りはずしは、乾燥収縮をさまたげ、一箇所に大きな収縮ひびわれが集中することのないよう早期にとりはずすものとする。

第3節 プレストレッシング

第378条 プレストレッシングに先立って行う試験

1 プレストレッシングに先立ち次の試験及び調整を行わなければならない。ただし、この試験を行わない場合には適切な資料を提出しなければならない。

(1) 引張装置のキャリブレーション

(2) 引張装置及び定着装置におこる摩擦損失の試験

(3) シース内の摩擦係数を求める試験

第379条 プレストレスの導入

1 プレストレスの導入にあたっては、緊張計画書を提出しなければならない。

2 プレストレッシングは、緊張計画書に従って所定のプレストレッシングを導入するように管理し、その結果を監督員に報告しなければならない。

3 荷重計の示度と、PC鋼材の抜出し量の測定値との関係が、異常な状態を示した場合は、その処置について監督員の承諾を受けなければならない。

4 プレストレッシングは、各けたともできるだけ同一強度の時期に行わなければならない。

5 プレストレッシングは、順序、緊張力、PC鋼材の抜出し量、緊張の日時及びコンクリートの強度を記録しなければならない。

第380条 プレテンショニングの施工

1 PC鋼材についている付着を害するおそれがある油類、その他は除去しなければならない。

2 プレストレスを与えるときは、引張力を与えてあるPC鋼材の固定装置を徐々にゆるめ、各線が一様にゆるめられるようにしなければならない。一方の端でゆるめた場合及び一列に2個以上の部材がある場合には、部材の移動を拘束しないようにしなければならない。

第381条 ポストテンショニングの施工

1 引張装置は、PC鋼材の定着部及びコンクリートに有害な影響を与えるものであってはならない。

2 PC鋼材を順次に引張る場合には、コンクリートの弾性変形を考えて、各々のPC鋼材の引張力及び引張の順序を定めなければならない。

3 PC鋼材とスペーサー又はシースとの間に摩擦力がある場合には所定の引張力が与えられるようにPC鋼材に所定の引張力を定めなければならない。また、摩擦による影響を少なくするため2~3回引っ張ったりゆるめたりを繰り返すなど適切な方法をとらなければならない。

4 プレキャストのブロック又は部材を継ぎあわせて一体として働く構造物とする場合の継目に用いるモルタル又はコンクリートは、ブロック又は部材のコンクリートと同等以上の圧縮強度のものでなければならない。

5 PCブロックを組み立てる場合、ブロック両端を十分に清掃し、シースの接合をていねいに行わなければならない。

6 継目に働く合成圧縮力と、継目の面となす角度は、90°とするのがよい。やむをえず90°以下とする場合にはその角度を45°以下としてはならない。

7 継目の面と継目に働く圧縮応力とのなす角度が70~55°の場合には確実な継目を作るため継目の面に適当な処置をしなけければならない。55°未満の場合には、継目の面に適当なかみ合せを作らなければならない。

第4節 運搬及び架設

第382条 一般

1 けたの運搬及び架設にあたっては、けたに生じる応力状態を把握し、十分安全であることを確認し、ワイヤー等で損傷のおそれのある部分には、特に緩衝材を用いるなど適当な保護を行わなければならない。

2 運搬及び架設中における破損は、監督員に報告し、処置を講じなければならない。

第5節 横締め

第383条 横締め

1 中埋めコンクリートの打込みまえには、けた両側のレイタンスや弱いモルタル等を除き、十分水洗いして、湿潤状態にし、モルタルが流出しないように十分すきまをふさがなければならない。

2 緊張終了後PC鋼材の端部の切断に際しては、ガス切断の場合は定着部分に加熱による影響を与えないよう切断しなければならない。

3 横締めは、中埋めコンクリートの強度が設計において想定した強度が得られたことを確認し、行わなければならない。

第6節 グラウト

第384条 一般

1 配合設計に用いる条件は特記仕様書によるものとする。

2 グラウトミルクは、十分にPC鋼材をつつみ確実に付着するもので流動性がよくブリージングの少ないもので適量の膨張率を有し、塩化カルシウム等有害物を含んではならない。

3 使用グラウトミルクは施工開始前に所定の品質が得られるよう、なるべく現場と同様な状態で試験して監督員の承諾を得なければならない。

4 グラウトは、シース内を水洗いした後、注入圧力4~6kg/cm2標準としてゆっくり注入するものとし、流出口より一様にコンシステンシーのグラウトミルクが流出するまで中断してはならない。

5 注入路が長い場合は適当な位置に空気抜き孔を設けるものとする。

第385条 寒中におけるグラウトの施工

1 寒中における施工の場合は、グラウトミルクが特に凍結することのないように、材料及び施工について注意しなければならない。

第386条 暑中におけるグラウトの施工

1 暑中における施工の場合は、グラウトミルクの温度上昇、過早な硬化などを防ぐよう材料及び施工について注意しなければならない。

第7節 ネームプレイト

第387条 名版及び橋歴板

1 名版は設計図書又は特記仕様書によるものとする。特に定めのない場合は監督員の指示によるものとする。

2 標示板の材質は鋳鉄を原則とし、寸法及び記載事項は次の図のとおりとする。

画像

3 PCの橋梁には起点上流測橋端部に標示板を取り付けるのを原則とし、取付位置については監督員の指示による。

第20章 鋼橋

第1節 通則

第388条 一般

1 鋼橋は、設計図書及び特記仕様書によるほか、ここに定めのないものについては道路橋示方書、同解説(Ⅰ共通編、Ⅱ鋼橋編)、道路橋伸縮装置便覧、道路橋支承便覧、鋼道路橋塗装便覧、鋼道路橋設計便覧、コンクリート標準示方書によるものとする。

2 請負者は施工計画書に次の事項を記載しなければならない。なお、単純な構造物等については、特記仕様書に示した場合又は監督員の承諾を得た場合は次の各号の全部又は一部を省略することができる。

(1) 材料及び部品

(2) 製作 イ 原寸 ロ 切断 ハ 加工 ニ 溶接

(3) 仮組立

(4) 工場塗装

(5) 輸送

(6) 架設

(7) 床版

(8) 現場塗装

3 鋼橋に使用する主要材料は、ミルシートと照合し確認しなければならない。

4 同一橋梁に多種類の鋼材を使用する場合は、塗色等により鋼種を識別できるようにしなければならない。

5 請負者は、原寸作業に使用するテープと架設現場のテープとを対比し、両者の誤差を確認し、記録しなければならない。ただし、不要と指示された場合はこの限りではない。

6 鋳鉄品及び鋳鋼品は、図面に示す形状寸法のもので、有害なスキズ又は著しいひずみなどがあってはならない。

第2節 工場製作

第389条 原寸

1 工作に着手する前に原寸図又はこれ等に準ずるものを作成し、図面の不備や製作上に支障がないかどうかを確かめなければならない。

2 製作に先立って訂正が必要となる事項については、あらかじめ協議し監督員の指示に従わなければならない。

3 原寸図等の一部又は全部の省略は施工計画書提出前に協議し、監督員の承諾を得なければならない。

4 テープは、JISB7512(鋼製巻尺)に定められた1級に合格したものを使用しなければならない。

5 現場と工場のテープは、温度補正を行わなければならない。

第390条 工作

1 板取り

主要部材の板取りは、主たる応力の方向と圧延方向とを一致させるのを原則とする。

2 けがき

けがきをする際は、完成後も残るような場所には原則としてタガネ、ポンチ傷をつけてはならない。

3 切断

(1) 主要部材の切断は、自動ガス切断により行わなければならない。

(2) ガス切断面及びガス加工した開先面の品質は、次表に示す品質より良好でなければならない。

ガス切断面の品質

部材の種類

主要部材

二次部材

表面あらさ 1)

50S以下

100S以下

ノッチ深さ 2)

ノッチがあってはならない。

1mm以下

スラグ

塊状のスラグが点在し、付着しているが、こん跡を残さず容易に剥離するもの

上縁の溶け

わずかに丸味をおびているが、滑らかな状態のもの。

注:

1) 表面あらさとは、JISB0601に規定する表面の精度をあらわし、50Sとは表面あらさ50/1,000mmの凹凸を示す。

2) ノッチ深さは、ノッチ上縁から谷までの深さを示す。

(3) フィラー、タイプレート、形鋼、板厚10mm以下のカセットプレート、補剛材などはせん断により切断してもよい。ただし、切断線にはなはだしい肩落ち、かえり、不ぞろいなどのある場合は、それらがなくなるまで縁削り又はグラインダー仕上げを行って平滑に仕上げなければならない。この場合の仕上げ面の品質は、上表に示すものより良好でなければならない。

4 切削

鋼材の切削面の表面あらさは、50S以下でなければならない。

5 孔あけ

(1) 所定の径に孔あけする場合は、ドリル又はドリルとリーマ通しの併用により行うものとする。ただし、二次部材で板厚12mm以下の材片の孔あけは、押抜きにより行ってよい。

(2) 仮組立時以前に所定の径に孔あけする場合は、型板を使用しなければならない。

(3) 孔あけによって孔の周辺に生じたまくれは削り取らなければならない。

6 冷間加工

主要部材において冷間曲げ加工を行う場合、内側半径は板厚の15倍以上とするのを原則とする。

7 熱間加工

SM58Q及びSMA58Qの熱間加工は原則として行ってはならない。

第3節 仮組立

第391条 仮組立て

1 仮組立てを行う場合は、原則として各部材が無応力状態になるように適当な支持を設けなければならない。仮組立てにおける主要部分の現場添接部又は連結部は、リベット又はボルト孔数の30%以上のボルト及びドリフトピンを使用し、堅固に締めつけなければならない。

第392条 ボルトの孔径及び精度

1 ボルトの孔径は、次表のとおりとする。

ボルトの孔径

ボルトの呼び(mm)

ボルトの孔径(mm)

摩擦接合

支圧接合

M20

22.5

21.5

M22

24.5

23.5

M24

26.5

25.5

2 ボルト孔の許容量は、次表に示すとおりとする。ただし、摩擦接合の場合には、1ボルト群の20%に対して+1.0mmまでとする。

ボルトの許容量

ボルトの呼び(mm)

ボルトの許容差(mm)

摩擦接合

支圧接合

M20

+0.5

±0.3

M22

+0.5

±0.3

M24

+0.5

±0.3

3 ボルト孔のずれは、摩擦接合における材片を組合せた場合1.0mm以下とし、支圧接合における材片を組合せた場合は0.5mm以下とする。

4 ボルト孔の貫通率及び停止率は次表に示す値を満足しなければならない。

ボルト孔の貫通率及び停止率

 

ボルトの呼び

(mm)

貫通ゲージ

(mm)

貫通率

(%)

停止ゲージ

(mm)

停止率

(%)

摩擦接合

M20

21.0

100

23.0

80以上

M22

23.0

100

25.0

80以上

M24

25.0

100

27.0

80以上

支圧接合

M20

20.7

100

21.8

100

M22

22.7

100

23.8

100

M24

24.7

100

25.8

100

第393条 リベット孔径及び精度

1 リベット孔径は、リベットの呼び径に1.5mmを加えた値とする。

2 孔径の許容は、孔径について+0.5mm-0.2mmとし、1リベット群の20%にあたる部分に対しては、+1.0mmまでとする。

3 材片を組合せた場合の仕上りリベットのずれは、0.5mm以下とする。

4 材片を組合せた場合の仕上りリベット孔に対する貫通ゲージの貫通率及び停止ゲージの停止率は次表に示す値を満足しなければならない。

リベット孔の貫通率及び停止率

リベットの呼び径

(mm)

貫通ゲージ径

(mm)

貫通率

(%)

停止ゲージ径

(mm)

停止率

(%)

19

19.7

100

21.0

80以上

22

22.7

100

24.0

80以上

25

25.7

100

27.0

80以上

第4節 輸送

第394条 輸送等

1 部材には発送に先立ち組立て記号図を作成し、記入するとともに監督員に提出しなければならない。

2 組立て記号はペイントで記入するものとする。

その1個の重量が5t以上の部材には、その重量及び重心位置を塗料で見やすい箇所に記入しなければならない。

3 部材は運搬中及び積卸しに際し過度の応力、変形又は損傷を与えないように行わなければならない。なお、部材に損傷を与えた場合は監督員に報告し、指示に従い処置を講じなければならない。

4 発送前に発送期日、荷造明細書を監督員に通知しなければならない。

第395条 部材の仮置き

1 現場において部材の仮置をする場合には、部材が地面に接することのないよう配慮しなければならない。仮置き中には仮置き台からの転倒、他部材との接触などによる損傷が、おこらないように十分な防護をしなければならない。

2 弦材・斜材などの長い部材は、仮置き中の重ね置きのために害を受けないように十分な支えをしなければならない。

3 仮置きが長期にわたる場合は、汚損、腐触を防止するために適当な方法を講じなければならない。

4 架設に用いる仮設備及び架設用機材については、工事中の安全を確保できるだけの規模と強度を有することを確かめなければならない。

第5節 架設

第396条 架設計画

1 請負者は架設に先だって架設方法、架設時期、架設用設備、安全設備など架設に対する全般的な計画をたて、あらかじめ監督員の承諾を得ておかなければならない。

第397条 架設

1 架設にあたっては、架設時の応力と変形を検討し、安全を確かめなければならない。

2 主げたのそりについては、現場架設時の次の各段階におけるそりを計算してキャンバー表を作成し、工事管理を行うものとする。

(1) 鋼げた架設完了時……鋼げた死荷重によるキャンバー

(2) 床版打設完了時……床版死荷重によるキャンバー

(3) 高欄、地覆、舗装完了時……全死荷重によるキャンバー

3 部材の組立に使用する仮締めボルトとドリフトピンとの合計は、その箇所の連結ボルト又はリベット数の1/3程度を用いるのを標準とし、そのうち1/3以上をドリフトピンとするのがよい。ただし、片持式架設のように大きい架設応力の作用する場合は、その架設応力に十分耐えるだけの仮締めボルトとドリフトピンを用いなければならない。

第398条 高力ボルト

1 接合面の処理

(1) 接合される材片の接触面は、0.4以上のすべり係数が得られるように処理しなければならない。ただし、支圧接合の場合はこの限りではない。

(2) 材片の締付けにあたっては、接触面の浮錆、油、泥などを十分に清掃して取り除かなければならない。

2 継手の肌すき

(1) 部材と連結板とは、締付けにより密接するようにしなければならない。

(2) 現場において連結部に食い違いが生じた場合は、テーパーを付けて食い違いをなくすなどの処理を施さなければならない。

3 ボルトの締付け

(1) ボルトの締付け

1) ボルト軸力の導入は、ナットをまわして行うのを原則とする。やむを得ず頭まわしを行う場合は、トルク係数値の変化を確認しておかなければならない。

2) ボルトの締付けをトルク法によって行う場合は、締付けボルト軸力が各ボルトに均一に導入されるよう締付けトルクを調整しなければならない。

3) ボルトの締付けを回転法によって行う場合は、接触面の肌すきがなくなる程度にトルクレンチで締めた状態、あるいは組立用スパナで力いっぱい締めた状態から次に示す回転角を与えるものとする。ただし、回転法はF8T、B8Tのみに用いるものとする。

a) ボルト軸に対し両面が直角又は1面が直角で地面が1/20以下の傾斜の場合

イ)ボルト長が径の8倍又は20cm以下:1/2回転(180度)

ロ)ボルト長が径の8倍又は20cm以上:2/3回転(240度)

b) 両面とも1/20以下の傾斜の場合

ボルト長にかかわらず 3/4回転(270度)

(2) 機械器具の検定

ボルトの締付け機、測定器具などの検定は、適当な時期に行いその精度を確認しなければならない。

4 締付けボルト軸力

(1) 摩擦接合及び支圧接合のボルトは、次表に示す設計ボルト軸力が得られるように締付けしなければならない。

設計ボルト軸力

セット

呼び

設計ボルト軸力

F8T

B8T

M20

13.3

M22

16.5

M24

19.2

F10T

B10T

M20

16.5

M22

20.5

M24

23.8

(2) 締付けボルト軸力は、設計ボルト軸力の10%増を標準とする。

5 締付けの順序

ボルト群の締付けは、中央のボルトから順次端部のボルトに向って行い、原則として2度締めを行うものとする。(次図)なお、予備締め後には締め忘れや其まわりを防止するために、ボルト、ナット及び座金にマーキングを行うものとする。画像

ボルト締付け順序

6 ボルトのセットの包装と保管

ボルトのセットは、工場出荷時の品質が現場施工時まで保たれるように、その包装と現場保管に注意しなければならない。また、包装はできるだけ施工直前に解くようにしなければならない。

7 締付け検査

(1) 締付け検査はボルト締付け後すみやかに行わなければならない。

(2) トルク法による場合は、次のいずれかの方法により締付け検査を行うものとする。

a) 自動記録計の記録紙により、原則としてボルト全数について行う。

b) トルクレンチにより、各ボルト群の10%のボルト本数を標準として、締付け検査を行う。

(3) 回転法による場合は、全数につきマーキングによる外観検査を行うものとする。

8 溶接と高力ボルト摩擦接合とを併用する場合の高力ボルトの締付け順序溶接と高力ボルト摩擦接合とを併用する場合は、溶接の完了後に高力ボルトを締付けるのを原則とする。高力ボルトを締付けてから溶接する場合は、拘束による影響を考慮しなければならない。

第399条 現場リベット

1 リベットは、全体を900~1,100℃程度に均一に加熱し、スケールなどの付着物を取り除いた後、温度が降下しないうちに手早くリベット締めを行わなければならない。

2 打ったリベットは、リベット孔を完全に満たし、リベット頭は所定の形状をもっていなければならない。また、打ったリベットの頭部には有害な欠陥があってはならない。

3 接合される材片の接触面は塗装を行ってよい。

4 現場リベットは施工完了後、すみやかに検査を行うものとし、欠陥のあるリベットは、これを切取った後再びリベット締めしなければならない。

5 ゆるいリベットに対しコーキング又は冷却後の追い打ちをしてはならない。不良リベットの切り取りには部材を損傷したり、付近のリベットをゆるませたりするおそれのない方法によらなければならない。

第400条 支承の据付け

1 支承は所定の位置に正確に据付けなければならない。下部構造と支承との固定及びアンカーボルトの埋込みは無収縮性モルタルを用いるのを原則とし、その施工は入念に行わなければならない。

2 支承の据付けにさいしては、設計時の標準温度で、橋と支承の相対位置が標準位置となるよう施工時の気温を考慮して、温度補正を行い、据付け位置を決定するものとする。

3 架設完了後には、支承が移動・回転等の機能についての所定の性能を有していることを確かめなければならない。

第401条 名版及び橋歴版

1 特に定めのない場合は監督員の指示によるものとする。

2 橋歴版の材質は鋳鉄を原則とし、寸法及び記載事項は下図のとおりとする。画像

3 橋歴版は起点上流側橋端部に取り付けることを原則とし、取付位置については監督員の指示によるものとする。

4 橋歴版の年月は桁の製作年月とする。

第6節 その他

第402条 床版コンクリート及び舗装

1 床版コンクリート及び舗装は設計図書のとおりそれぞれの施工法に従って施工しなければならない。

第403条 塗装は塗装工に準ずる

第21章 合成けた橋

第1節 通則

第404条 一般

1 本章は、鋼けたと鉄筋コンクリート版ずれ止めを用いて合成した鋼道路橋の施工一般に適用する。

第405条 コンクリートの品質

1 床版コンクリートの品質は、設計図書又は特記仕様書による。

第2節 架設

第406条 支保工

1 支保工で鋼けたの中間を支持した状態で、床版コンクリートを施工し、所要の強度に達した後、支保工を除去して、死荷重を合成する方法による場合は、支保工の計画図を提出し、監督員の承諾を得て施工しなければならない。

第407条 ブレストレス

1 ブレストレスを与えるには、応力状態が明確な方法によらなければならない。施工にあたっては、適当な方法により、ブレストレスが設計条件に適合していることを確かめなければならない。

第408条 支保工の取りはずし

1 支保工の取りはずしにあたっては、橋の部分に有害な応力を生じないように注意しなければならない。

第409条 床版コンクリート及び舗装

1 床版コンクリート及び舗装の施工は、第4章及び第13章又は第14章によるほか、次の各項によらなければならない。

2 床版コンクリートの打ち込みは、支間中央から、両支点方向に対称に打ち込むのを原則とする。

3 コンクリートの締め固めにあたり、特にずれ止め周囲のコンクリートは入念に締め固めなければならない。

4 床版コンクリートに合成作用を与えるときのコンクリートの圧縮強度は、設計に用いた材令28日強度の80%以上でなければならない。

第3節 鋼けた及びずれ止め

第410条 鋼けた及びずれ止めの製作

1 鋼けた及びずれ止めの製作は、第20章に準ずるものとする。

第411条 鋼けたとジベルとの結合

1 鋼けた上フランジとジベルとの溶接結合は、溶接後の上フランジのひずみ直しを容易にし、けたの湾曲をさけるために腹板に上フランジを重ね、すみ肉溶接によって結合する場合には、重ねる部分を上フランジに密着させ、曲げた折れ目を回って連続した回し溶接をしなければならない。折れ目の形を加熱加工してもよい。

第3編 河川・砂防ダム・地すべり防止・ダム・急傾斜地崩壊対策・海岸

第22章 護岸、水制工

第1節 護岸工

第412条 一般

1 護岸工の施工に先立ち、現地の状況を十分に調査のうえ、各現場の特殊性を勘案し、迅速かつ効果的な施工方法を採用しなければならない。

2 仮締切、瀬がえ等は、施工時期を考慮して、流水の疎通をさまたげず、他の施設に悪影響をおよぼさないようにしなければならない。なお、工法、施工時期及び復旧について監督員と協議しなければならない。

3 護岸若しくは樋管等の既設構造物と接する場合は、上下流に障害を及ぼさないよう密着をはかり、かつ背面土砂の流出防止に注意を払い施工しなければならない。

4 床埋め、床ならし材料の質及び採取場所は、あらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

5 河床整正にあたっては、掘り過ぎ又は掘り残し等が生じないよう十分に配慮のうえ仕上げなければならない。

第413条 コンクリート張工及びのり枠工

1 のり枠ブロックを使用する場合は、裏込の吸出しや法面の動きが生じやすいことに注意し、法面床拵えを十分にしておかなければならない。

2 伸縮目地の設置については、監督員の承諾を得なければならない。

3 コンクリート張工のコンクリートは原則として水中打込みを行ってはならない。ただし、やむを得ず水中コンクリートの施工を必要とする場合は、監督員の承諾を得なければならない。

4 コンクリート張の表面は「コテ、ハケ」等により仕上げるものとし、モルタル仕上げとしてはならない。

5 内張に詰石を使用する場合は、水流波浪などで脱落しないよう入念に施工しなければならない。

第414条 連結ブロック

1 ブロックの敷設にあたっては、あらかじめ間割をして、ブロックの位置を定めなければならない。

2 連結ブロックは、裏込の吸出しや法面の動きが生じやすいことに注意し、床拵えは入念に行わなければならない。

3 連結鉄筋を止むを得ず継ぐ場合は、少なくともブロック1個以上の継手長をとり、かつ鉄筋の先端を直角に10cm程度折り曲げ下流方向に向けておくこと。

第415条 コンクリート板柵工

1 親杭、柵板は破損しないようていねいに取り扱わなければならない。

2 親杭の打込みは、原則として錘打ちとしなければならない。ただし、特殊な場合は、監督員の承諾を得て穿孔機等を用いてもよい。この場合においても最後は錘打ちとしなければならない。

3 柵板を親杭のところで重ね合せる場合は、上流側の柵板を川側にしなければならない。

4 裏込礫は、層厚30cmごとに突固め、天端が水流により脱出し、流出しないよう比較的大きめの礫を使用して入念に仕上げること。

第416条 植石コンクリート張工

1 植石用栗石は、長手を法面に直角にし、最大直径の2/3以上をコンクリート中に埋め込まなければならない。

2 植石は水平方向に一直線とならないよう千鳥に施工しなければならない。

第417条 改良沈床工

1 方格材は、所定寸法の鉄筋コンクリートとする。

2 敷成材は、最下層の方格材と直角に、格間の所定の本数を割間正しく配列し、鉄線等で方格材に緊結しなければならない。

3 連結用の鉄筋は、まず下部で折り曲げ組立て後最上層方格材に密着して折り曲げるものとする。なお、折り曲げしろは10cm以上とし、下流方面に曲げなければならない。

4 詰石は、必ず敷成材の間隔より大きい石を用い、なるべく空げきを少なくするよう充てんしなければならない。

5 表面は、大石を用い密に充てんしなければならない。

6 沈床の布設方法については、監督員の承諾を得なければならない。

7 水制の場合、幹部水制の方格材組立てにあっては、流向に直角方向の部材を最上層とする。

第418条 そだ沈床工

1 連柴は素性のよいそだを選び、そだの梢を一方に向けて仕上げ、径15cmとなるよう連柴締器をもってじゅうぶん締めつけ、水中に敷設する前に監督員の検査を受けなければならない。

2 床掘、床ならしを終了したのち水深に応じ、作業に適切な足場を設けて沈床の沈設を行うものとする。

3 沈設は川沿いに2.0m程度の延長に区切り、下流部より監督員の検査を受けた所定量の沈石、目潰し材を逐次、てん充しながら行わなければならない。

第419条 根固めコンクリートブロック工

1 場所打ちコンクリートブロック施工にあたっては、原則として水中打ち込みを行ってはならない。ただし、やむを得ず水中コンクリートの施工を必要とする場合は、監督員の承諾を得なければならない。

2 製作されたブロックには、一連番号を付するものとする。

3 ブロックの運搬及び据え付けにあたってはつとめて振動若しくは衝撃の少ない方法を選ぶものとする。

4 沈設にあたって所定の位置に据え付けられない場合には、監督員の承諾を得なければならない。

5 ブロックを連結する場合は、据え付け終了後連結用ナットが抜けない程度にネジ山をつぶさなければならない。

第2節 水制

第420条 一般

1 水制本体の設置は、原則として河岸より行わなければならない。

2 水制の位置、高さ及び方向は設計図面のとおり施工するものとし、偏位及び湾曲することなく正確に設置しなければならない。

3 水制と元付護岸との間詰は、水流その他により逸脱しないように施工しなければならない。

4 水制の詰石(重し籠、しり押し籠等)は、水流その他により逸脱しないように施工しなければならない。

5 水制施工箇所に障害となる残存工作物のある場合は、監督員の承諾を得てこれを撤去しなければならない。

6 水制群中の各水制の設備順序は、あらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

第421条 くい出し水制工

1 縦横貫は、図面に示す方向とし取付け箇所は、ボールトで緊結し、取付け終了後はナットが抜けない程度にネジ山をつぶさなければならない。

2 くいの配列は、図面により沈床、蛇籠等を下ばきとした場合、原則として下ばき部分を先に行うものとする。

第422条 牛わく工

1 重し、しり押しの鉄線蛇籠は、原則として当日中に完了しなければならない。

2 据え付けは、低水時において河床上で直接組立て据え付けることを原則とするが、やむを得ず据え付けられないときは、監督者の承諾を得なければならない。

3 組立て方向については、監督員の指示によるものとする。

第423条 川倉、聖牛、合掌わく工

1 川倉、聖牛、合掌わく工は、牛わく工に準ずるものとする。

第23章 水門、ひ門及びひ管

第1節 通則

第424条 一般

1 既設堤防の開さくは、施工時期、順序について、あらかじめ監督員と協議しなければならない。

2 仮締切りは設計図書により、堤防機能を保持するように考慮し不時の出水に際しても十分安全堅固なものとしなければならない。

3 仮水路は設計図書により、内水排除のため十分な河積と、その流出に耐える構造としなければならない。

4 旧構造物及び障害物等の撤去の方法については、施工前に監督員と協議するものとする。

第2節 施工

第425条 施工

1 基礎下面の土質が、不適当の場合は、監督員と協議しなければならない。

2 基礎部分にゆう水のある場合は、監督員の指示を得なければならない。

3 矢板工は、特に接手の施工に留意し、しゃ水の効果をあげなければならない。

4 本体基礎は、捨コンクリート打設前に底版部の浮遊土砂を除去し、捨コンクリート下面の土砂流出を防止しなければならない。

5 構造物の完成後、埋戻しを行う場合は、両側を対称に所定の層厚に入念に締固めつつ埋戻さなければならない。

6 止水工(うなぎ止工)等、矢板挿入部のコンクリートは水中打設を行わないようにしなければならない。

第426条 扉及び開閉装置の製作

1 扉又は開閉装置の製作及び据付けに先立ち承認願図書を提出しなければならない。

2 鉄製門扉の製作は、第20章の各条項に準じて行わなければならない。

3 木製門扉の木材は、特に指定のない場合は、1等上小節以上で、すべてかんな削りとし、張板は相欠き仕上げのうえ、所定寸法で狂いの生じないよう入念に組み立てなければならない。

第427条 扉及び開閉装置の取扱い

1 水門扉は、運搬過程において、変形及び破損が生じることがないようにその取扱いについて十分注意しなければならない。

2 電気部品、機械部品は、特に注意して取扱い、できるだけ雨天にさらさぬようにしなければならない。

第428条 扉及び開閉装置の据付け

1 水門扉はその形状及び寸法がその機能を発揮するよう正確に据付けなければならない。特に扉体にひずみを生じることのないよう十分堅固な支保工を用いて据え付けなければならない。

2 水門扉の据え付けは、こう水期を避けて行うことが望ましいが、やむを得ずこう水期に据え付ける場合は、こう水による被害を生じないような状態で作業を行わなければならない。

3 戸当り及び固定部は、扉体を正確に開閉し、また、良好な水密を期待するため、正確に据え付けなければならない。

4 戸当り据え付け後、その据え付け寸法実測表を作成し、監督員に提出しなければならない。

5 水密部は漏水がないように調節して据え付けなければならない。

6 水門扉の主要構造物の現場突合せ継手は、原則として放射線透過検査を行うものとする。

第429条 運転試験

1 据え付け完了後は、なるべく早期に水圧下において運転試験を行い、扉体、開閉装置、非常閉鎖装置、予備動力設備の異常の有無を検査し、安全性の確認を行わなければならない。

第24章 砂防ダム

第1節 通則

第430条 測量標

1 縦横断方向の中心線を示す測量標及び左右両岸に、堤高を示す丁張を設けなければならない。

第431条 仮排水路工

1 岩盤は、原則として瀬替してはならない。

施工上やむなく岩盤を瀬替した場合は、請負者において岩質と同程度のコンクリートで埋戻しをしなければならない。

2 瀬替、仮排水路をもうける場合には、その高さは砂防ダム、及び床固めの基礎面より1m以上高くするのを原則とする。

3 通水容量は洪水流量を考慮して決定し、又工法としては締切、瀬替、架樋とあるが、これらについては現地に適合した工法を採用しなければならない。

第432条 汚濁防止

1 工事中の汚濁防止については、施工地点下流において適切に処理し、河川水の汚濁がないように注意しなければならない。

第2節 土工

第433条 基礎掘削

1 基礎面は、図面のとおり所定の深さ、及び形状に掘削し、監督員の検査を受けなければならない。

2 機械掘削(火薬使用)は、原則として基礎仕上り面から30cm程度までとし、それ以下は、手掘り工具(ビッグハンマー・つるはしなど)で仕上げなければならない。

3 掘削にあたっては、基礎面をゆるめないように注意して浮石の除去、基礎面の清浄に努めなければならない。なお、過掘りを生じた場合には堤体と同一コンクリートで埋めもどさなければならない。

4 床掘り及び掘削の仕上り面は、長期間放置し、風雨にさらしてはならない。長期間放置しなくても施工の不手際等でゆるみを生じた場合にはその部分を取り除き、前項の措置をしなければならない。

5 床掘の結果推定岩盤が設計図書と相違した場合は、根入れ及び工法について監督員と協議しなければならない。

6 掘削途中において、地質が設計図書と異っている場合は、すみやかに監督員と協議しなければならない。

第434条 埋戻し

1 埋戻しコンクリート(間詰)は、施工方法及び施工順序について監督員の指示によらなければならない。

2 土砂埋戻しは、突固めを十分にし、のり面の安定をはかるよう入念に施工しなければならない。

3 袖天端かん入部の地山との取合わせは、監督員の指示を得なければならない。

第435条 残土処理

1 残土処理場は原則としてダム上流とするが、河川を閉塞することなく常に水通し断面以上の河積を確保しなければならない。

2 やむを得ない場合で、ダム下流部に処理するときは、異常出水により下流に被害を与えないよう十分注意し、監督員の指示を受け、土留工を施し、下流への土砂流出を防止しなければならない。

第3節 型わく及び支保工

第436条 型わく及び支保工

1 コンクリート打設用足場は、型わく支保工と別構造とし、型わくに振動を与えないようにしなければならない。

2 型わくの立上りは、1リフト毎に余裕をもたして組立てなければならない。

第4節 コンクリート

第437条 コンクリート打込み準備

1 基礎面上に、ゆう水がある場合は監督員の指示に従って処理しなければならない。

2 基礎が土砂礫の場合は、整地を行い十分水切りを行わなければならない。

第438条 コンクリート打設のブロック割

1 コンクリート打設は、事前に施工計画書を提出し、監督員の承認を得なければならない。また、打設計画に変更を生じた場合は、監督員と協議しなければならない。

2 打設ブロック割は、構造物の規模、収縮目地、打設速度等に応じて決めなければならない。

3 当該打設ブロックが流水による影響をうけないよう打設しなければならない。

第439条 コンクリート打設

1 コンクリートの投下は1m以下とし、打設箇所に直接打込まなければならない。なお、傾斜面のコンクリートを打つ場合は低い方から打ち始めること。

2 基礎岩盤、又は硬化したコンクリートに新コンクリートを打継ぐ場合にはその密着を図るため、セメントペースト又はコンクリート中のモルタルと同程度の配分のモルタルを敷きならさなければならない。なお、その厚さは岩盤では2cm、打継面では1.5cmを標準とする。

3 コンクリートを打込むときの一層の厚さは40~50cm程度を標準とする。

4 1リフトの高さは、0.75~1.5m以下を標準とし、1区画内ブロックは連続して打込まなければならない。

5 新コンクリートは、旧コンクリートの材令が0.75m~1.0mリフトの場合は3日、1.0~1.5mリフトの場合は5日経過した後でなければ打継いではならない。

第440条 打継目

1 1区画内のコンクリート打設作業が天候の激変、その他やむを得ない事情で中断する場合には、継手型枠を適宜に設置をなし、斜めの打継目を作ってはならない。

2 水叩きコンクリート打設については、ベースより天端まで同時に打設し、水平打継目を作ってはならない。

3 水平打継目は、平らな面とし、下流に向かいいくぶん上向き(5%程度)に傾斜させるものとする。

4 新旧コンクリートの打継目は、ワイヤブラシ等でレイタンスを取除くよう、打設面処理を入念に施工しなければならない。

5 鉛直打継目は、止水板施工位置において同一断面で通さなければならない。また、その他の鉛直打継目の位置は、互いにずらして、一断面に集中しないよう施工しなければならない。

第441条 止水板

1 止水板は、裏のり面から30cmの位置にのり面と平行に設置し、施工年度毎に切断してはならない。

第442条 名板

1 名板の寸法及び記載事項は下図のとおり。

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2 材質は石材とする。

第25章 地すべり防止工

第1節 通則

第443条 一般

1 施工中工事区域内に新たにき裂等異状を認めた場合は直ちに監督員に報告しなければならない。

2 工事施工中の排水は、滞留、浸透させないようにすみやかに排出させなければならない。

3 掘削は、短区間毎に区分して施工し、地すべりの誘発助長の原因となるような掘削を行ってはならない。

4 施工区域内にある各種計器等の施設には判別しやすい目印又は保護をしなければならない。

第2節 ボーリング排水工

第444条 位置、配列方向、深度

1 ボーリングの位置、配列、方向及び深度は、図示するが、実施にあたっては、監督員の指示によらなければならない。

第445条 施工

1 ボーリング箇所は施工に先立ち孔口ののり面を整備し、完成の土砂崩壊等が起きないようにしなければならない。

2 横ボーリング工は原則として排水路工を実施後行わなければならない。

3 ボーリング穿孔の送水には、原則として清水を使用しなければならない。

4 ボーリングは絶えず、方向、角度及び深度を確認しながら掘進し地質状況及びゆう水状況に注意し記録しておかなければならない。

5 ボーリング中に断層、亀裂等地質状況及びゆう水、漏水量に著しい変化を認めた場合は遅滞なく監督員に報告し、その指示を得なければならない。

第446条 保孔管

1 保孔管は設計図書に記載されたものを使用するものとし、ストレーナ加工は監督員の指示により行うものとする。

2 水平及び上向き傾斜ボーリングに使用する保孔管のストレーナー加工は全周に加工するものとする。

第447条 検尺

1 検尺は、ボーリングロッドで行うものとし、監督員立ち合いのうえでロッドの引き抜き作業を行いその延長を測って検尺するものとする。

第448条 標示板の設置

1 せん孔完了後各孔ごとにせん孔地点わきに番号・完了年月日孔経延長・完了時の排水量・施工業者名簿を記入した標示板を立てなければならない。

第3節 地表排水工

第449条 施工

1 排水路のわん曲部の施工にあたっては、外側を多少高めに施工するものとするが、施行に際しては、監督員の指示によらなければならない。

2 集排水路工の施工は基礎を十分締固めるとともに両側は、掘削土中の良質の土砂でていねいに埋戻し、水路天端より高く仕上げなければならない。また、接合部は、漏水の原因となりやすいので注意して施工しなければならない。

第4節 地下排水工

第450条 盲暗きょ

1 掘削は、下流より上流に向って行うのを原則とし、軟弱な地盤においては特に注意して施工しなければならない。

2 基礎を粘土でおおう場合は十分突固めた後監督員の承諾を得てから孔あき管又は盲暗きょの布設を行わなければならない。

第5節 排土工

第451条 施工

1 掘削方法としては、特に指定した場合を除いて、排土予定地域の上部から掘削するものとし、施工にあたってはあらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

第6節 集水井工

第452条 施工

1 施工については一般施工に準ずるほか、次に定めるものとする。

(1) ライナー・プレートの沈下に際し、水中爆発等周囲に衝撃を与えるような沈下方法をとってはならない。

(2) 沈下中に泥土、湧水、ガス噴出等に備えてコンプレッサー、水中ポンプ、非常用の梯子等を準備しておかなければならない。

(3) 掘削中には土質の変化、湧水状況を記録しておかなければならない。

(4) 集水井戸の施工が完了した時は監督員に報告し、承諾を得た後でなければ横孔ボーリングの施工に着手してはならない。

(5) 排水ボーリングは、原則として集水井内より行わなければならない。また、穿孔後はすみやかに排出口の高さ及び排水量を測定し監督員に報告しなければならない。

(6) 井戸の周囲は常に整理し、作業員、一般の人の安全を確保しなければならない。

第7節 くい工

第453条 施工

1 掘進用刃先、拡孔錐等は、十分な数を用意し地質の変化等にも即応できるよう用意しておかなければならない。

2 杭建込のための削孔は地形図、土質柱状図等を検討して地山の攪乱、地すべりの誘発をさけるよう施工しなければならない。

3 掘孔作業においては、地質の状況を記録し基岩又は固定地盤面の深度を確認のうえ、杭の挿入深について監督員と協議しなければならない。

4 杭の建込みは、削孔ごとに直ちに挿入するものとする。

5 検尺は削孔後洗滌、監督員立会のうえ延長を測って検尺するものとする。

第26章 ダム

第1節 通則

第454条 

1 ダム工事については特記仕様書によるほか、一般的事項は関係各項を準用するものとする。

第27章 急傾斜地崩壊対策工

第1節 一般

第455条 一般

1 請負者は施工計画書にのり面の切取掘削順序、仮設防護棚の設置方法、監視体制、保安体制を記載して監督員の承諾を得なければならない。

2 施工中斜面等に異常を認めた場合は、適切な措置を講ずるとともに直ちに監督員に報告し、指示を得なければならない。

第2節 土工

第456条 土工

1 広範囲の切取、掘削、床掘等は、さけて短区間毎に区分して施工し床掘面、切取面の露出期間を最少限にしなければならない。

2 施工中の切取掘削面は、シート等で覆い保護しなければならない。

3 斜面の切土は原則として上方から行い、すかし掘り及び同一斜面の上下作業は、さけなければならない。

4 掘削した土は、すみやかに施工地区に撒出することとし、斜面に残留させてはならない。残土処理のため斜面内において新たな盛土斜面を構成してはならない。

第3節 排水路工

第457条 表面排水路工

1 水路は漏水、越水又は滞水しないように施工しなければならない。

2 水路基礎部分が軟弱であれば、栗石等で敷き固め不等沈下を防ぐようにしなければならない。

3 流水が水路側方にまわるのを防ぐため、水路取付部(呑口部)は地山に十分突込み埋戻し部分は十分突固めるなど入念な施工を行わなければならない。

4 排水路の流末は、既設排水路との接合を十分にして、漏水や溢水を防止するように施工しなければならない。

第458条 地下排水工

1 暗渠工を埋戻す場合、埋戻しに用いる土は透水性のよい土を先にして順次密度の高い土に変えていき、最後に突固めていくぶん余盛をし、また、目詰りや吸出しが起こらないようフィルター材を用いて入念に施工しなければならない。

第4節 法面保護工

第459条 植生工

1 のり面の凹凸の整正を入念に行い、浮石や伐根株は除去しその個所は窪地が残らないように普通土で、充填・転圧しておかなければならない。

第460条 コンクリートブロックのり枠工

1 切土のり面に窪地を部分的に作らないよう整形して部材が浮いた状態で設置されることはさけなければならない。

2 盛土部分については、十分突固め、不等沈下等による折損が生じないように施工しなければならない。

3 部材と部材は正しい状態で結合し、折れ曲がったりはらみ出した状態で結合してはならない。

第461条 コンクリート張り工

1 コンクリートの打継目は次のコンクリートを打設する前に必ずレイタンスを取除き清掃の後打設する。

2 打継目はのり面に対して直角とし、水平にしてはいけない。無筋コンクリート張り工の場合でも打継目には鉄筋(φ9―22mm l=50cm程度)を配筋すること。

第462条 吹付け工

1 吹付工については、第3章に準ずるものとする。

第463条 のり面アンカー工

1 のり面アンカー工の施工は、施工に先立ち施工計画書を提出し、監督員の承認を受けること。

2 事前に現地での引抜き試験を実施すること。

第28章 海岸

第1節 通則

第464条 一般

1 施工は、潮位波浪に注意して行い、その影響による工事の中断をできるだけさけるものとする。

2 工事現場には、つねに潮位表を備え付けるものとする。

3 既設部分を取りこわした状態のとき、波浪等による堤防に危険を及ぼすおそれのある場合は、十分監視するとともに危険に対処出来るよう配慮しなければならない。

4 潮待作業による施工は、疎漏とならないよう工程を慎重に検討しなければならない。特にコンクリート打設の工程については波浪等により、コンクリート表面が洗われないように注意すること。

5 軟弱地盤地帯における材料の集積は、築堤その他に悪影響をおよぼさないよう留意して行うものとする。

第465条 堤防敷処理

1 堤防敷及び土取場は、施工に先だって、必ず雑草、樹木の根及び雑物等をとり払い、地肌があらわれるようにしなければならない。また、施工中は氷雪・木片・その他雑物の混入を防止しなければならない。

第2節 盛土

第466条 盛土の方法

1 盛土中に沈下板・間隙水圧計・土圧計及びその他の計器を埋設する場合は作業中に埋設計器等に異常な衝撃等を与えないようにして施工しなければならない。

2 基礎地盤が軟弱な場合は、盛土施工により堤防に沈下等を起さないように留意するとともに、異常の恐れがある場合及び異常を生じた場合は、ただちに作業を中止し、すみやかに監督員に報告して、指示をうけなければならない。

3 締固めについては、第5章第3節に準じて行わなければならない。

第3節 基礎工

第467条 コンクリート基礎工及びコンクリート根止工

1 コンクリートの打込みに先だち、基礎地盤を十分締固めるものとする。

2 コンクリートは、原則として水中打込みを行ってはならない。ただし、やむを得ず水中コンクリートの施工を必要とする場合は、監督員の承諾を得なければならない。

3 伸縮継目及び止水板の挿入について設計図面に示してない場合は監督員の指示によらなければならない。

4 伸縮継目は、原則として10mの間隔で設けるものとし、被覆工の伸縮継目と合致させなければならない。

5 基礎工と表法被覆工との継目等に施工する止水板は両方の構造物に均等に挿入し、水密性については十分注意しなければならない。

6 在来施設補強基礎工の床掘は長い区間にわたって同時施工しないようにして、在来施設の崩壊、ゆるみが生じるものを防がなければならない。

第4節 被覆工

第468条 表のり覆工

1 のり面基層は施工面を十分締固め整形したのち、所定の施工をするものとする。

2 扶壁式表法被覆工における扶壁と法被覆工のコンクリートは必ず同時に打設しなければならない。

3 表法被覆工における伸縮目地の止水板、スリップバーは法被覆工の厚さを3等分し、表面から順次挿入しなければならない。

4 法被覆工の施工継目はコンクリートの打継面が法面に直角になるようにし、打継面のチッピング等の処理は十分に行わなければならない。

5 階段式法被覆工のコンクリートは一段ずつ区切って打設しないで、ステップの前面を「つり型枠」にするなどして、下から上まで連続にコンクリートを打設しなければならない。

6 法被覆工のコンクリート打設にあたって、型枠組立用のハリはその位置までコンクリートが打ち上ったときに、必ず取り除かなければならない。

第469条 波返し工

1 波返し工の弧型は、表法覆工との接線が滑らかになるよう、施工しなければならない。

2 波返し工のコンクリート打設は、途中で打継ぐことなく、連続して施工しなければならない。

第470条 天端被覆工

1 砂利及び砂の基層は、各層ごとに均一に敷均し、十分に締固めなければならない。

第471条 裏のり覆工

1 裏のり覆工の基層は表のり覆工に準じて十分締固めなければならない。

2 コンクリートパネル張工の場合は、施工に先だち入念なのり拵えを行った後、監督員の検査をうけ、張立てを行うものとする。

第5節 小口留工及び隔壁工

第472条 小口留工及び隔壁工

1 小口留工及び隔壁工におけるコンクリート壁及び鉄筋コンクリート矢板の施工は、第3章及び第4章の関係条項に準じて施工するものとする。

第6節 根固め・消波(コンクリートブロック)工

第473条 ブロックの製作

1 ブロックの製作、仮置、据付けについては第3章第11節によるものとする。

第4編 下水道

第29章 下水道

第1節 通則

第474条 適用

1 この章は、下水道工事のうち管渠に関する一般的事項を示すものである。

2 この章に記載されていない一般的材料及び施工方法等の仕様は、各章に準じて行うものとする。

第475条 資格を必要とする作業

1 資格を必要とする作業は、それぞれ資格を有するものが施工しなければならない。

第476条 公害の防止

1 請負者は工事の普及にあたっては、付近の居住者に迷惑のかからぬよう公害の防止に努めなければならない。

第477条 施設の保全

1 既設構造物を汚染し、又はこれ等に損傷を与えたときは、請負者の責任で復旧しなければならない。

第478条 埋設物等の移設

1 地下埋設物又は架線等が支障となり、移設の必要が生じたときは、調査資料、移設計画図を添えて監督員の承諾を得なければならない。

第2節 土工

第479条 掘削

1 請負者は、保安設備、土留、排水、覆工、その他必要な仮設の準備をととのえた後でなければ、掘削に着手してはならない。

2 掘削に先行して試験掘削を行い、各種地下埋設物の位置を確認し、調書作成のうえ監督員に報告しなければならない。

3 試験掘削及び掘削は、地下埋設管理者と十分連絡をとるとともに、管理者立合のうえ施工しなければならない。

4 すかし掘は、いかなる場合も行ってはならない。

5 掘削区間、長区間掘削することなく、逐次完成させ施工しなければならない。

6 掘削土は道路上に堆積してはならない。

第480条 埋戻し

1 埋戻しは必ず排水した後に実施し、水中埋戻しは絶対してはならない。

2 埋戻しは、指定された埋戻し砂又は良質土を使用して、厚30cmごとにランマー等で十分締固めを行い、沈下を生じないよう施工すること。なお、埋設物の周辺は特に入念に締固めなければならない。

3 埋戻しの際は、管渠その他の構造物に損傷を与え、又は管の移動を生じないように施工しなければならない。

第481条 残土処理

1 掘削土は、原則として直ちに搬出するものとする。

2 残土搬出に際しては、土砂等を路上に落さないよう、処置を講じなければならない。

第3節 管渠布設工並びに築造工

第482条 丁張

1 管渠はおおよそ10m毎に、その他の構造物は、その周囲の適当な位置に丁張を設け、位置・高低等を正確に表示して施工しなければならない。

第483条 一般事項

1 管の取扱いについては、クレーン等で行い衝撃を与えないようにしなければならない。

2 管を現場へ集積する場合は、交通に支障がないようにし、通路・消火栓・マンホール等施設の支障にならないようにするとともに、転び止めの措置を行い、保安柵等で一般の立入禁止の措置をしなければならない。

3 管の切断は、管にわれ、あるいは有害な傷を生じないように施工し、小口は平滑に仕上げなければならない。

第484条 管渠布設工

1 管の布設は原則として、下流側より施工しなければならない。

2 管の布設にあたっては、所定の基礎を施した後、上流の方向にソケットの受口を向け接合は完全に密着させ、中心線勾配を正確に保ち、胴締めを施し、かつ、漏水・不陸・偏心等のないよう施工しなければならない。

3 支管を取付ける場合には、管を専用のカッターでせん孔し、支管を取付け、接合部を入念に仕上げなければならない。

4 管の接合は、ひつぱらを使用して確実に行い、仕上げ状況を必ず確認しなければならない。

第485条 人孔築造工

1 人孔(マンホール)に使用する塊類の据付け接合は、モルタル(1:3)を敷均し動揺しないように据付け、目地仕上げをしなければならない。

2 人孔に接続する管は、管の端面を内壁に一致させ、壁部の穿孔及びモルタルの充填に注意して、後日、漏水、破損のないよう施工すること。

3 インバートは管渠の中心部から管径にならない中心部まで摺り上げ、仕上げは入念に行い、マンホール内に滞水しないよう施工しなければならない。

4 人孔蓋は原則として、道路の中心線と平行に開くよう蝶番金具の軸を通路中心線と直角に設置し、計画路面高に一致させなければならない。

5 足掛金物の取付けは30cm間隔とし、千鳥に取り付けなければならない。

6 いかなる場合も、マンホールに他の地下埋設物を巻き込んではならない。

第486条 雨水桝築造工

1 桝の目地工は、鏡を使って仕上げ状況を確認しなければならない。

2 いかなる場合でも、桝及び取付管に他の地下埋設物を巻き込んではならない。

3 雨水桝は原則として、公道敷内に設けるものとし、民地との境界を厳重に調査したうえ、境界線に沿って施工しなければならない。

第487条 汚水桝築造工

1 桝の底にインバートを設け、汚水が滞留しないように施工しなければならない。

2 桝の目地工は鏡を使って、仕上げ状況を確認しなければならない。

3 いかなる場合でも、桝及び取付管に他の埋設物を巻き込んではならない。

第5編 港湾

第488条 一般

1 港湾工事は、この仕様書によるほか、記載されていないものについては「日本港湾協会」港湾工事共通仕様書を準用するものとする。

2 この編に記載されていない一般的材料及び施工方法等の仕様は各章に準じて行うものとする。

第30章 浚渫及び床掘

第1節 浚渫

第489条 適用の範囲

1 本節は、浚渫及び浚渫のための砕岩に関する一般的なものとする。

第490条 施工

1 施工方法、順序、時期については、監督員と協議しなければならない。

2 船種を指定する場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 排砂管の設置方法及び経路については、監督員と協議のうえ、施工しなければならない。

4 施工に際しては、航行船舶、既設構造物に対して十分警戒しなければならない。

5 浚渫土砂等は、指定された区域に確実、かつ、完全に投棄し、運搬途中において漏えいのないようにしなければならない。なお、土捨方法、区域については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

6 土捨てに当っては、濁り等の防止に十分注意しなければならない。なお、濁り等の防止のために特別の処置を必要とする場合は、設計図書又は特記仕様書の定めによる。

7 砕岩の施工方法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

8 発破工法における火薬類は、火薬類取締法の定めにより取扱わなければならない。請負者は、その工事に従事する火薬取締保安責任者の免状の写しを提出し、監督員の承諾を得なければならない。

9 発破工法の施工に際しては、特に関係機関の許可条件を順守しなければならない。

第2節 床掘

第491条 適用の範囲

本節は、係船岸、防波堤等の構造物の床掘工事に関する一般的なものとする。

第492条 施工

1 第490条を準用する。

2 軟弱層を全部置換える床掘りの施工最終深度は、設計図書又は特記仕様書によるもののほかは監督員の指示を得なければならない。

3 床面及び斜面について、検査許容範囲を超える場合は、監督員の承諾を得た材料で、埋戻しを行わなければならない。

第31章 捨石及び均し

第1節 基礎

第493条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物の基礎捨石工事に関する一般的なものとする。

第494条 材料

1 使用する石は、偏平細長でなく、風化凍壊の恐れのないものでなければならない。

2 石の種類、比重及び重量は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

第495条 施工

1 均しの遺形

遺形の設置、方法及び棟造については、監督員と協議しなければならない。

2 石の運搬及び捨込み

運搬及び捨込みの時期、方法については、監督員と協議しなければならない。

3 均し

(1) 均しは、ゆるみのないよう堅固に仕上げなければならない。

(2) 均し工事の工程については、監督員と協議しなければならない。

第2節 被覆及び根固め

第496条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物の被覆及び根固工事に関する一般的なものとする。

第497条 材料

1 第494条を適用する。

第498条 施工

1 第495条を適用する。

第3節 裏込め

第499条 適用の範囲

1 本節は、係船岸等の構造物の、裏込工事に関する一般的なものとする。

第500条 材料

1 裏込材の種類、比重及び重量は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第501条 施工

1 均しの遺形

第495条第1項を適用する。

2 石の運搬及び捨込み

運搬及び捨込みについては、既設構造物に損傷を与えない方法で施工するものとする。

3 均し

第495条第3項を適用する。

第32章 杭及び矢板

第1節 鋼杭

第502条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物の鋼杭の打込工事に関する一般的事項を取扱うものとする。なお、本節に規定されていない現場における溶接、切断については、第1編第9章を適用する。

第503条 材料

1 鋼管杭は、形状についてJISA5525に、品質についてJISG3444に合格したものでなければならない。

2 H形鋼杭は、形状についてJISA5526に、品質についてJISG3101、3106、3114又は3125に合格したものでなければならない。

3 杭の種類、材質及び形状寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第504条 製作

1 杭端の補強、結合の取付け及びその他加工杭の製作は、工場で加工及び製作するものとする。やむを得ず現場で製作する場合は、監督員の承諾を得なければならない。

2 加工及び製作する杭の形状寸法及び使用する鋼材の材質は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

3 杭に現場継手部を設ける場合、位置は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとし、その方法は、監督員の承諾を得なければならない。

第505条 運搬及び保管

1 杭の運搬及び保管に当たっては、塗装面、H形鋼杭のフランジ縁端部、鋼管杭の継手部等に損傷を与えないよう、また、その断面特性を考慮して、大きなたわみ、変形を生じないよう取扱いに注意しなければならない。

第506条 建込み及び打込み

1 杭の建込みのための測量及び遺形については、監督員と協議しなければならない。

2 建込まれた杭は、打込みに先立ち、位置及び角度の確認をしなければならない。

3 杭の打込み工法は、設計図書は特記仕様書の定めによるものとし、杭打機は、監督員の承諾を得なければならない。

4 杭は、原則として、所定の深度まで連続して打込まなければならない。

5 杭の打込みに際し、打込み不能、座屈変形、頭部の破損、所定以上の傾斜等の異常が認められたときは、速やかに監督員に報告し、適切な処置を講じなければならない。

第507条 継足し及び切断

1 打込まれた杭の、打止まりが悪い場合又は所定の深度に達しない場合に行う継足し及び切断は、設計図書又は特記仕様書の定めによるもののほか、監督員に報告し、その指示により行わなければならない。

第508条 打込記録

1 杭は、打込み状況について表―1に示す様式により記録しなければならない。記録は、支持杭は全数、支持杭以外は10本に1本の割合とする。ただし、打込み状況が安定している場合又は著しく変化する場合は、監督員が指示する割合とする。

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第2節 コンクリート杭

第509条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物のコンクリート杭の打込み工事に関する一般的事項を取扱うものとする。

第510条 材料

1 杭は、JISA5310、5335又は5336に合格したものでなければならない。

2 杭の種類及び形状寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第511条 施工

1 施工については、次に掲げる事項に従いJISA7201を準用するものとする。

(1) 責任技術者を監督員に、承認を承諾に、それぞれ読替えるものとする。

(2) 試験杭を施工する場合は、設計図書又は特記図書の定めによるものとする。

(3) 施工計画については、1―0―3を適用する。

第3節 木杭

第512条 適用の範囲

1 本節は、係船岸等に使用する木杭の打込工事に関する一般的事項を取扱うものとする。

第513条 材料

1 杭の種類及び形状寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

2 杭の材質は、虫害等がなく、実用的にまっすぐで、腐れ等の欠点のない良質のものでなければならない。

3 許容範囲

(1) 末口(D)+規定しない、―0.05D

(2) 長さ +規定しない、―0

打込み

杭の打込み方法は、監督員と協議するものとする。

第514条 増杭、継足し及び切断

1 杭の増杭、継足し及び切断は、監督員と協議しなければならない。

第4節 鋼矢板

第515条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物の鋼矢板打込工事に関する一般的事項を取扱うものとする。なお、本節に規定されていない現場における溶接、切断については、第1編第9章を適用する。

第516条 材料

1 矢板は、JISA5528に合格したものでなければならない。

2 矢板の種類、材質及び形状寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第517条 製作

1 鋼管矢板、組合せ矢板及び異形矢板の製作は、工場で加工及び製作するものとする。やむを得ず現場で製作する場合は、監督員の承諾を得なければならない。

2 製作する矢板の形状寸法及び使用する鋼材の材質は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

3 矢板に現場継手部を設ける場合、位置は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとし、その方法、監督員の承諾を得なければならない。

第518条 運搬及び保管

1 矢板の運搬及び保管に当たっては、塗装面、矢板の継手、開先部等に損傷を与えないよう、また、その断面特性を考慮して、大きなたわみ、変形を生じないよう取扱いに注意しなければならない。

2 長さ10m以上の矢板を水平に吊り上げて運搬する場合は、2点吊りとしなければならない。

第519条 建込み及び打込み

1 矢板の建込みのための測量及び導枠については、監督員と協議しなければならない。

2 矢板は、鉛直に建込み、位置ずれ、傾斜、ねじれ等が生じないようにしなければならない。

3 矢板の打込み工法は、特記仕様書の定めによるものとし、打込機は、監督員の承諾を得なければならない。

4 矢板の打込みに際し、傾斜、連込み、頭部の破損、継手の損傷等の異常が認められたときは、速やかに監督員に報告し、適切な処置を講じなければならない。

5 矢板打込み方向の傾斜が、矢板の上下で1枚幅以上の差が生じた場合は、監督員の承諾を得て、異形矢板を用いて修正するものとする。ただし、連続して使用してはならない。

6 矢板打込み後において、継手を離脱していることが認められたときは、引抜いて打直すものとする。引抜きが不可能な場合は、監督員の承諾を得て適切な処置を講じなければならない。

7 鋼管矢板は、特に回転や傾斜を起こさないような工法を講じて打込まなければならない。

第520条 切断

1 打込まれた矢板が所定の深度に達しない場合に行う切断は、設計図書又は特記仕様書の定めによるもののほか、監督員の指示により行わなければならない。

第521条 打込記録

1 矢板の打込記録については、第508条を準用する。ただし、記録は、原則として、20枚に1枚の割合とする。

第5節 コンクリート矢板

第522条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、防波堤等の構造物のコンクリート矢板打込工事に関する一般的事項を取扱うものとする。

第523条 材料

1 矢板は、JISA5325、5326又は5329に合格したものでなければならない。

2 矢板の種類及び形状寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

運搬及び保管

1) 矢板の運搬及び保管に当たっては、矢板に損傷を与えないような措置を講じ、また、2段以上に積む場合の枕木は、同一鉛直線上に置かなければならない。

2) 矢板の運搬は、2点以上で支えなければならない。

建込み、打込み、切断及び打込記録を適用する。

第33章 コンクリート

第1節 プレパックドコンクリート

第524条 適用の範囲

1 本節は、プレパックドコンクリートの施工に関する一般的事項を取扱うものとする。なお、本節に規定されていない事項については、第1編第2章及び第4章を準用する。

第525条 材料

1 一般事項

注入モルタルは、所要のコンシステンシーを有じ材料分離が少なく、かつ、所要の強度、耐久性及び水密性を有するコンクリートが得られるものでなければならない。

2 細骨材

(1) 細骨材の粒度は、次の表の範囲を標準とし、粗粒率は、原則として、1.4―2.2の範囲にあるものとする。

細骨材の粒度の標準

ふるいの呼び寸法(mm)

ふるいを通るものの重量百分率(%)

2.5

100

1.2

90~100

0.6

60~85

0.3

20~50

0.15

5~30

(2) 細骨材の粗粒率が、注入モルタルの配合を定めたときの粗粒率に比べて0.1以上の変化を生じたときは、配合を変えなければその細骨材を使用してはならない。

3 粗骨材

粗骨材の最小寸法は15mmとし、最大寸法は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第526条 配合

1 注入モルタルの示方配合は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

2 現場配合は、監督員の承諾を得なければならない。

第527条 施工機械

1 施工機械

(1) モルタルミキサは、5分以内に所要の品質を備えた注入モルタルを練混ぜることのできるものでなければならない。

(2) アジテータは、注入モルタルを緩やかに攪拌できるもので、モルタルの注入が完了するまで所要の品質を保てるものでなければならない。

(3) モルタルポンプは、注入モルタルを連続的に、また、空気が混入しないように注入できるものでなければならない。

2 輸送管

輸送管は、注入モルタルを円滑に輸送できるものでなければならない。

3 注入管

(1) 注入管は、確実に、かつ、円滑に注入作業ができる構造にしなければならない。

(2) 注入管の内径は、輸送管と同径か、それ以下とするのを原則とする。

第528条 施工

1 型枠

(1) 型枠は、骨材のモルタルの圧力に十分耐え得るものでなければならない。

(2) 型枠の取外し時期及び順序については、監督員の承諾を得なければならない。

2 モルタルの漏出防止

基礎と型枠との間や型枠の継目などから、注入モルタルが漏れないようにしなければならない。

3 粗骨材のてん充

(1) 粗骨材のてん充に先立って、鉄筋、注入管、検査管等を所定の位置に配置しなければならない。

(2) 粗骨材は、大小粒が均等に分布するように、また、破砕しないようにてん充しなければならない。

(3) 粗骨材は、注入前によくぬらしておくことを原則とする。

4 注入管の配置

(1) 鉛直注入管の水平間隔は、2m以下を標準とする。水平間隔が2mを超える場合には、監督員の承諾を得なければならない。

(2) 水平注入管の水平間隔は2m以下、鉛直間隔は1.5m以下とするのを標準とする。水平注入管は、必要に応じて、その中に逆流止めを備えた別の注入管を挿入して注入できるようにしておかなければならない。

(3) 管の建込み終了後、異常がないかを確認しなければならない。

5 練混ぜ

(1) 練混ぜは、モルタルミキサで行うものとし、均一なモルタルが得られるまで練混ぜなければならない。

(2) 練混ぜ作業に当たっては、細骨材の粒度及び表面水量を確かめ、所要の品質及びコンシステンシーが得られるように、粒度の調整、配合の修正、計量水の補正等の適当な処置をとらなければならない。

(3) モルタルのミキサ1バッチ当たりの練混ぜ量は、ミキサの定められた練混ぜ容量に適した量でなければならない。

(4) モルタルは、注入するまで攪拌を続けなければならない。

6 注入

(1) モルタルの注入は、設計又は施工計画で定められた打上がり面まで継続して行わなければならない。やむを得ず注入を中断した場合は、再注入に先立ち、監督員の指示を得なければならない。

(2) 注入は、最下部から始めて、上方へ向い徐々に実施しなければならない。

(3) 鉛直注入管は、管を引抜きながら注入するのを原則とし、注入管の先端は、特別の場合を除きモルタル中になければならない。

7 注入モルタルの上昇高さの検査

注入モルタルの上昇状況を検査するために、モルタル面の位置を測定できるようにしておかなければならない。

8 寒中における施工

寒中における施工の場合は、粗骨材及び注入モルタルの両方に対し、凍結しないように、必要に応じて適当な保温給熱を行わなければならない。

9 暑中における施工

暑中における施工の場合には、注入モルタルの温度の上昇、注入モルタルの過早な硬化等が起こるのを防ぐよう材料及び施工について注意しなければならない。

第529条 品質管理試験

1 施工に先立ち、現場の状態に近い状態で、土木学会規準による次の試験を行って、あらかじめ監督員の承諾を得なければならない。

(1) 注入モルタルに関する試験(コンシステンシー試験、ブリージング率、膨張率試験及び強度試験)

(2) プレパックドコンクリートの圧縮強度試験

2 施工中のコンシステンシー試験は、20バッチに1回以上の割合で行わなければならない。その他注入モルタルに関する管理試験(ブリージング率、膨張率試験及び強度試験)及びプレパックコンクリートの圧縮強度試験は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

第34章 上部コンクリート

第1節 上部コンクリート

第530条 適用の範囲

1 本章は、防波堤、係船岸等構造物の上部コンクリート工事に関する一般的事項を取扱うものとする。本章に規定されていないコンクリートに関する事項については、第1編第4章を適用する。

第531条 施工

1 施工方法、順序等については、監督員と協議しなければならない。

2 図面で定められた水平打継目の接着面の処理方法は、特記仕様書の定めによるものとし、図面で定められた以外に水平打継目を設けてはならない。

3 目地の材質及び形状については、特記仕様書の定めによるものとする。

4 旧コンクリートに新コンクリートを打設する場合には、打設前に旧コンクリートの表面に付着している貝、海草等を取除く等の適切な処置を講じなければならない。

5 上部工に作業用の係留環等を取付ける場合は、監督員と協議しなければならない。

6 上部コンクリート内に諸施設の空間を設ける場合は、所定の位置に取付けるように施工しなければならない。

第35章 エプロン舗装の目地施工

第1節 通則

 本章はエプロン舗装の目地施工について取扱うものとする。材料、コンクリート打設、表面仕上げについては第1編第4章を適用する。

第2節 目地施工

第532条 施工目地

1 施工目地は、コンクリートの打込み作業を、原則として、30分以上中断するときに設けるものとする。

2 横施工目地は、原則として、横方向収縮目地の設計位置に合わせるものとする。ただし、施工目地を設計目地位置に合わせることができない場合は、設計目地位置からできるだけ離すものとする。

3 施工目地は突合せ目地とし、収縮目地の位置につくる場合はスリップバーを用い、それ以外の場合は、タイバーを用いるものとする。

第533条 目地の構造

目地の構造は図53―1を標準とする。

画像

画像

図35―1―3縦施工目地

図35―1―1横膨張目地

画像

画像

図35―1―2横収縮目地

図35―1―4横施工目地

第36章 付属工

第1節 係船柱

第534条 適用の範囲

1 本節は、係船柱に関する一般的事項を取扱うものとする。

第535条 基礎

1 基礎杭は、第3章及び第32章を準用する。

2 コンクリートは、第4章を適用する。

3 コンクリートは、原則として、打継ぎをしてはならない。

第536条 材料

1 係船柱及び付属品の材質は、表36―1に示すとおりとする。

表36―1 係船柱及び付属品の材質

名称

材質

係船柱本体

JIS G 5101 3種 SC 46

アンカーボルト

JIS G 3101 2種 SS 41

六角ナット

JIS B 1181 1種、並3級、4

平座金

JIS B 1256 並丸、鋼

アンカー板

JIS G 3101 2種 SS 41 又はJIS G 5101 3種 SC 46

2 頭部穴あき型係船柱の中詰コンクリートは、上部コンクリートと同一の品質とする。

第537条 製作

1 構造、形状寸法は、図36―1によるものとし、使用する型式は、特記仕様書の定めによるものとする。

2 係船柱のコンクリート埋込部以外の表面鋳はだは滑らかにし、平座金と接触する面は、グラインダ仕上げを行うものとする。

3 係船柱の外面は、さび等を除去し、JISK5621に規定する一般用さび止めペイント

画像

略称

設計けん引力

(t)

肩部

頭部

アンカーボルト

底板

重量

胴径

D(mm)

層高

H(mm)

厚さ

t(mm)

頭部厚

B0(mm)

頭部高

H0(mm)

厚さ

t0(mm)

呼び径

φ(mm)

本数

(本)

底板厚さ

H1(mm)

埋込み深さ

H1(mm)

外径

2R1(mm)

ボルト位置径

2R1(mm)

内径

(mm)

アンカーボルト内径

d(mm)

直径15

15

250

250

20

400

87

15

36

4

45

100

600

500

420

43

130

直径25

25

300

200

20

480

105

15

48

4

60

130

720

600

510

56

220

直径35

35

300

200

25

480

105

16

48

6

60

130

720

600

510

56

230

直径50

50

350

330

27

660

122

18

56

6

70

160

810

700

600

66

360

直径70

70

400

370

30

640

140

20

64

6

80

190

960

800

680

74

530

直径100

100

450

440

35

720

157

26

64

8

80

270

1,180

1,000

860

74

820

直径150

150

550

490

40

880

192

30

80

8

100

340

1,440

1,220

1,010

91

1,480

直径200

200

650

570

43

1,010

227

30

90

8

110

410

1,700

1,440

1,240

101

2,250

図36―1―1 直柱の標準寸法と設計けん引力

設計けん引力が5、10、15、25トンの場合

設計けん引力が35、50、70、100トンの場合

画像

画像

略称

設計けん引力

(t)

肩部

頭部

アンカーボルト

底板

重量

胴径

D(mm)

胴高

H(mm)

厚さ

t(mm)

頭部幅

B0L0(mm)

頭部高

H0(mm)

厚さ

t0(mm)

呼び径

φ(mm)

本数

(本)

埋込み角

(°)

底板幅

2R1(mm)

底板厚さ

H1(mm)

リフ幅

R2(mm)

リフ高

H2(mm)

埋込み厚さ

H3(mm)

アンカーボルト内径

d(mm)

曲径5

5

150

170

20

300

120

20

20

4

22

360

30

50

60

90

27

70

曲径10

10

200

210

20

400

160

20

27

4

22

480

40

60

70

110

36

140

曲径15

15

250

250

20

500

200

20

33

4

22

600

50

80

80

130

42

245

曲径25

25

300

290

21

600

240

21

42

4

22

720

65

100

95

160

52

420

曲径35

35

300

290

25

600

240

25

42

6

22

720

65

100

95

160

52

440

曲径50

50

350

330

29

700

280

29

48

6

22

840

70

140

100

170

60

665

曲径70

70

400

370

33

800

320

33

56

6

22

1,000

90

160

120

210

68

1,100

曲径100

100

450

410

39

900

360

39

64

6

22

1,200

95

220

125

220

78

1,070

図36―1―2 曲柱の標準寸法と設計けん引力

画像

アンカーボルト

六角ナット

平座金

アンカー板

1組当り重量(kg)

呼び径

φ(mm)

ピッチ

P(mm)

容径

φ(mm)

長さ

c(mm)

ねじ切長さ

S(mm)

H(mm)

B(mm)

C(mm)

d1(mm)

d2(mm)

t1(mm)

d3(mm)

d4(mm)

t2(mm)

M20

2.5

17.294

450

60

16

30

34.6

40

22

3.2

80

22

16

2

M27

3

23.752

600

75

22

41

47.3

52

28.5

4.5

108

30

22

5

M33

3.5

29.211

700

75

26

50

57.7

62

36

6

132

36

25

8

M36

4

31.670

750

75

29

55

63.5

68

39

6

144

39

28

11

M42

4.5

37.129

850

100

34

65

75.0

78

45

6

168

45

35

17

M48

5

42.587

1,000

100

38

75

86.5

88

51

6

192

51

40

26

M56

5.5

50.046

1,150

120

45

85

98.1

105

61

9

225

61

45

40

M64

6

57.505

1,300

120

51

95

110

115

70

9

256

70

55

62

M80

6

73.505

1,600

150

64

115

133

140

86

12

320

86

65

115

M90

6

83.505

1,800

150

72

130

150

160

96

12

360

96

75

166

図36―1―3 アンカーボルト基本寸法

表36―2 寸法の許容範囲(単位mm)

寸法区分

長さの許容範囲

100以下

±2

100を超え200以下

±2.5

200を超え400以下

±4

400を超え800以下

±6

800以上

±8

(2種)を1回塗るものとする。

4 係船柱の頭部には、設計けん引力を浮彫表示するものとする。

5 係船柱の肉厚以外の寸法の許容範囲は、表36―2に示す値とする。ただし、ボルト穴の中心間隔以外の寸法については、+側の許容範囲を超えてもよい。

6 肉厚の許容範囲は、±3mmとする。ただし、監督員の承諾を得た場合は、+側の許容範囲は超えてもよいものとする。

第538条 施工

1 穴あき型係船柱の中詰コンクリートは、頭部表面までコンクリートを充てんするものとし、係船柱底板下面に十分にコンクリートが行き渡るように施工するものとする。

第2節 防舷材

第539条 適用の範囲

1 本節は、係船岸に使用するゴム防舷材に関する一般的事項を取扱うものとする。

第540条 材料

1 ゴム

(1) 防舷材に用いるゴムは、耐老化性、耐海水性、耐油性及び耐摩耗性などの耐久性を有するカーボンブラック配合の天然若しくは合成ゴム又はこれらを混合した加硫物とする。

(2) ゴムは、均質なものであって、異物の混入、気泡、きず、き裂、その他有害な欠点がないものとする。

2 取付け用鉄板

取付け用鉄板を内蔵するものは、鉄板とゴム本体部を、強固に加硫接着するとともに、露出しないようゴムで被覆するものとする。

3 ゴムの材質規準

(1) 防舷材に用いるゴムは、表36―3に示す基準値を満足しなければならない。

表36―3 防舷材の材質基準

試験項目

基準値

物理試験

老化前

引張強さ

160kg/cm2以上

伸び

350%以上

硬さ

72度以下

圧縮永久ひずみ

30%以下

老化後

引張強さ

老化前値の80%以上

伸び

老化前値の80%以上

硬さ

老化前値の+8度以内でかつ76度以下

(2) 物理試験は、前記(1)の試験項目についてJISK6301によって行うものとする。なお、同規格において2種類以上の試験方法が規定してある場合は、それぞれ次の方法によるものとする。

硬さ試験 スプリング式硬さ試験(A形)

老化試験 空気加熱老化試験

試験温度:70±1℃

試験時間:96時間

圧縮永久ひずみ試験

熱処理温度:70±1℃

熱処理時間:22時間

4 取付金具

防舷材の取付金具の種類、材質については、特記仕様書の定めによるものとする。

第541条 製作

1 防舷材の形状寸法、性能値については、特記仕様書の定めによるものとする。なお、防舷材及び付属品の形状寸法の詳細及び性能の標準曲線については、図面等を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

2 ゴム防舷材の形状寸法及びボルト孔の寸法に関する許容範囲は、表36―4及び表36―5に示すとおりとする。

表36―4 形状寸法の許容範囲

寸法

長さ・幅・高さ

肉厚

許容範囲

+4%

-2%

+8%

-2%

(ただし、300H以下については、+10%、-5%)

表36―5 ボルト孔に関する寸法の許容範囲

寸法

ボルト孔径

ボルト孔中心間隔

許容範囲

±2mm

±4mm

3 防舷材の性能試験は、通常受衝面に垂直に圧縮して行うものとする。性能は、防舷材の標準性能曲線より求めるエネルギー吸収値と反力値との比が最大となるまで圧縮する間に吸収されたエネルギーと、その間に発生した最大反力値をもって表わすものとする。性能試験による試験値は、規定の性能値に対して、最大反力値はそれ以下、エネルギー吸収値はそれ以上でなければならない。

4 防舷材本体部には、次の事項を表示するものとする。

(1) サイズ(高さ、長さ)

(2) 製造年月日又はその略号

(3) 製造業者名又はその略号

第542条 施工

1 防舷材の取付方法は、監督員と協議しなければならない。

第3節 車止め

第543条 適用の範囲

1 本節は、車止めに関する一般的事項を取扱うものとする。

第544条 材料

1 車止め及び付属品の材質は、JISG3101に規定する2種SS41とし、規格は、表36―6に示すとおりとする。

画像

図36―2 車止め形状寸法

表36―6 車止め及び付属品の規格

名称

規格

車止め被覆材

JIS G 3193 鋼板

アングル

JIS G 3192 等辺山形鋼

基礎ボルト

JIS B 1178 J形、M20×250

六角ナット

JIS B 1181 1種、並3級、4、M20

2 コンクリートは、上部コンクリートと同一の品質とする。

3 形状寸法は、図36―2によるものとし、長さは、特記仕様書の定めによるものとする。

第545条 施工

1 コンクリートは第4章を、溶接については第9章を準用する。

2 被覆金具の塗装は、表36―7の工程による4回塗りとし、車止めについては、JISZ9101に規定する黄と黒のしま模様とする。なお、しまの幅は20cm、傾斜度は60度とする。

3 表36―7の工程のうち、素地調整及び金属前処理塗装は、工場作業とし、下塗及び上塗は、工場作業又は現場作業とする。

4 溶接を現場で行う場合には、下塗、上塗を現場作業とする。また、施工時に塗膜を損傷した場合には、部分的に補修塗装をしなければならない。

5 表36―7の塗装間隔は、20℃の場合の標準的な値を示したものであり、実施に当たっては、監督員の承諾を得るものとする。

表36―7 塗装工程

区分

工程

素地調整法及び塗料名

標準使用量(kg/m2/回)

塗装間隔(時間)

シンナー

新設

1素地調整(1種ケレン)

プラスト法により、黒皮及びさび、その他の付着物を完全に除去し、鋼肌が露出し、金属光沢を呈する程度に素地調整する。

 

 

 

素地調整後直ちに

2金属前処理塗装

ジンクリッチペイント(無機質、高濃度亜鉛)

0.2

 

専用シンナー

5日以上6箇月以内

3下塗(2回)

エポキシ樹脂塗料(二液型)

0.2~0.22

専用シンナー

 

 

 

16時間以上7日以内

 

4上塗(2回)

エポキシ樹脂塗料(二液型)

0.15

専用シンナー

 

塗替など

1素地調整(2種ケレン)

動力工具(金鋼砂グラインダー、チッピングハンマー等)によりち密な黒皮以外の黒皮、さび、その他の付着物を完全に除去し、鋼肌が現われる程度に素地調整する。

 

 

 

素地調整後直ちに

2下塗(2回)

JIS K5621 一般さび止めペイントに規定するさび止めペイント2種

0.14~0.17

 

塗料用

シンナー

24時間以上

3上塗(2回)

JIS K5516 合成樹脂調合ペイントに規定する長油性フタル酸樹脂塗料

0.11~0.13

 

塗料用シンナー

 

注) 下塗、上塗の各々1回目と2回目の塗装間隔は、24時間以上とする。

第37章 埋立

第1節 埋立

第546条 適用の範囲

1 本節は、浚渫及び陸上運搬による埋立工事に関する一般的なものとする。

第547条 埋立材料

1 浚渫区域から採取する場合以外の埋立材料の種類、品質等については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 浚渫区域から採取する場合の区域、深度等については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 採取場所の指定がない場合は、あらかじめ埋立に使用する材料の資料を提出し、監督員の承諾を得なければならない。

第548条 施工

1 施工方法、順序、時期については、監督員と協議しなければならない。

2 余水吐きの位置が設計図書又は特記仕様書の定めにない場合は、航路泊地の埋没等影響のない個所に設けなければならない。なお、余水吐きの位置を指定する場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

3 余水吐きは、機能が低下することのないよう保守しなければならない。

4 余水吐きからの濁りは、出来る限り生じさせないよう十分注意しなければならない。なお、濁り防止のため特別の処置を必要とする場合は、設計図書又は特記仕様書の定めによるものとする。

5 埋立区域及び運搬路からの、砂じん、悪臭の防止については十分注意しなければならない。なお、特別の処置を必要とする場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

6 埋立は、隣接する構造物等の状態を把握し、異常沈下、滑動等、不測の事態が生じるおそれがあるときは、直ちに監督員に報告し、指示を受けなければならない。

第2節 裏埋

第549条 適用の範囲

1 本節は、係船岸、護岸等の構造物の裏埋工事に関する一般的なものとする。

第550条 裏埋材料

1 裏埋材料の種類、品質、形状寸法等については、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

2 採取地を指定する場合は、設計図書又は特記仕様書によるものとする。

第551条 施工

施工方法、順序、時期等については、監督員と協議しなければならない。

(平成17年6月29日告示第 号)

この告示は、平成17年7月1日から施行する。

長与町土木工事標準仕様書

昭和60年7月1日 告示第31号

(平成17年7月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章
沿革情報
昭和60年7月1日 告示第31号
平成17年6月29日 告示