○長与町養育支援訪問事業実施要綱
令和2年3月27日
要綱第11号
(目的)
第1条 この要綱は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第5項の規定及び養育支援訪問事業の実施について(平成26年5月29日雇児発0529第33号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)に基づき、保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童若しくは保護者に監護させることが不適当であると認められる児童又は出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦に対し、その養育が適切に行われるよう、その家庭の居宅において、養育に関する相談、指導、助言その他必要な支援を行うことを目的とする。
(実施主体)
第2条 本事業の実施主体は、長与町とする。ただし、町長は、事業の全部又は一部を委託することができる。
(事業の内容)
第3条 本事業は、次に掲げる内容により実施するものとする。
(1) 妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭等に対する、安定した妊娠、出産及び育児を迎えるための相談及び支援
(2) 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者に対する育児不安の解消、養育技術の提供等のための相談及び支援
(3) 不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善及び児童の発達障害等のための相談及び支援
(4) 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して家庭復帰が適切に行われるための相談及び支援
(中核機関)
第4条 本事業の実施に関し中核となる機関(以下「中核機関」という。)は、子ども担当課とする。
2 中核機関は、本事業の実施に関し次に掲げる事項を担任するものとする。
(1) 関係機関からの情報提供や状況把握のための訪問の実施により養育支援の必要の可能性があると思われる家庭に関する情報の集約を行うこと。
(2) 前号の規定により集約した情報及び支援の内容を判断するための一定の指標に基づく、本事業による支援の対象者及び内容の決定に関すること。
(事業の対象)
第5条 本事業の対象は、乳児家庭全戸訪問事業(平成26年5月29日雇児発0529第32号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知に基づく乳児家庭全戸訪問事業をいう。)その他事業により、町長が訪問による養育支援が必要であると認めた家庭であって、次に掲げる家庭(里親家庭及び小規模住居型児童養育事業を含む。)とする。
(1) 妊娠や子育てに不安を持ち、支援を希望する家庭
(2) 若年での妊娠、妊婦健康診査の未受診、望まない妊娠等により妊娠期からの継続的な支援が特に必要と認められる家庭
(3) 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者が育児ストレス、産後うつ状態、育児ノイローゼ等によって、子育てに対して強い不安、孤立感等を抱える家庭
(4) 食事、衣服、生活環境等に関し不適切な養育状態にあり、又は虐待のおそれ若しくはリスクを抱えることから特に支援が必要であると認められる家庭
(5) 公的な支援につながっていない児童(乳幼児健康診査等の谷間にある児童、3~5歳児で保育所、幼稚園等に通っていない児童等をいう。)がいる家庭で、支援を必要とする家庭
(6) 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により、児童が復帰した後の家庭
(7) その他町長が特に本事業による支援が必要であると認める家庭
(訪問支援者)
第6条 本事業を実施する者として、訪問支援者を置く。
(1) 養育支援専門員 養育支援に関する専門的な相談支援を行うものとし、保健師、助産師、看護師、保育士その他の専門資格を有する者による。
(2) 育児・家事支援員 育児及び家事の支援を行うものとし、子育て経験者、ヘルパー等による。
3 町は、本事業の実施に当たっては、複数の訪問支援者が適切な役割分担の下に支援を実施するなど、効果的な支援を行うものとする。
(養育支援計画の作成)
第7条 町長は、中核機関における情報の集約により第5条各号に掲げる家庭に係る情報を把握し、本事業による養育支援の必要があると認めたときは、そのケースに応じ、支援の目標並びにこれを達成するための具体的な支援の内容、期間及び方法、担当する訪問支援者等に関する計画(以下「養育支援計画」という。)を作成するものとする。
2 養育支援計画は、その内容をケース検討会議に諮った上で作成するものとする。
(支援の実施)
第8条 町長は、養育支援計画に基づき、訪問支援者を派遣することにより、支援を実施するものとする。
2 町長は、前項の支援により養育支援計画の目標を達成したと認めたときは、そのケースの訪問支援を終了するものとする。
3 町長は、養育支援計画に定める支援期間中であっても、そのケースに係る訪問支援の効果がみられないと認めるときは、当該養育支援計画を変更することができる。
4 養育支援訪問の実施に当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。
(1) 支援の期間及び訪問の回数は、養育支援計画で定めた期間及び回数を大きく逸脱しないこと。
(2) 対象家庭を訪問する時間帯は、原則として就業時間内とすること。
(3) 1回当たりの訪問の時間は、2時間を上限とすること。
(利用料金)
第9条 本事業の利用に係る料金は、無料とする。
(実施報告)
第10条 訪問支援者は、担当するケースの訪問支援を実施した場合は、当該ケースに係る養育支援計画の実施状況を町長に報告するものとする。
(研修)
第11条 町は、訪問支援者に対し訪問支援の目的、内容、支援の方法等について、必要な研修を受講させるものとする。
2 前項の研修は、次に掲げる方針の下、実施するものとする。
(1) 家庭、地域等の実情に応じた内容とすること。
(2) 家庭訪問の同行など、支援場面を想定した実技指導等を組み込むこと。
(3) 個人情報の適切な管理及び守秘義務を徹底すること。
(4) 前各号のほか、訪問支援の内容及び質が一定に保たれること。
3 専門資格を有する者に対する研修に関し、その者の専門領域に関する部分については、前2項の規定にかかわらず、研修を省略することができる。
4 訪問支援者は、職務の遂行に必要な知識及び技術の習得に努めるものとする。
(留意事項)
第12条 本事業に従事する者は、児童の「最善の利益」を実現させる観点から、児童及びその保護者等又は妊婦への対応に十分配慮するとともに、正当な理由なく、その業務上知り得た家庭の秘密を漏らしてはならない。
(その他)
第13条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。