○長与町立小・中学校におけるハラスメントの防止等に関する要綱
令和4年3月25日
教委要綱第2号
(目的)
第1条 この要綱は、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置(以下「ハラスメントの防止等」という。)に関し必要な事項を定めることにより、長与町立小・中学校の教職員、児童生徒、保護者等(以下「教職員等」という。)の人権の尊重、利益の保護及び良好な勤務環境・教育環境の確保を図ることを目的とする。
(1) 職場 学校教育が行われる全ての場所(社会見学、修学旅行その他の校外活動が行われる場所、部活動の遠征先等及びPTAの親睦会などの実質的に教職員の職務の延長とみなされる場を含む。)をいう。
(2) セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び教職員が他の教職員等を不快にさせる職場外における性的な言動をいう(同性に対する性的な言動を含む。)。
(3) パワー・ハラスメント 職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、他の教職員等に対して、適正な業務や指導の範囲を超えて継続的に精神的・身体的苦痛を与え、又は周囲の環境を悪化させる言動をいう。
(4) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 次の事項に関してなされる職場環境を悪化させる言動をいう。ただし、業務分担、安全配慮等の観点から、業務遂行上の必要性に基づく言動であることが客観的に明らかである場合を除く。
ア 教職員が妊娠し、又は出産したこと。
イ 教職員が、妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくは勤務できなかったこと又は業務の能率が低下したこと。
ウ 教職員が妊娠、出産、育児又は介護に関する制度又は措置を利用したこと。
(5) ハラスメント セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントをいう。
(6) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため教職員等の就労上又は修学上の環境や健康が害されること及びハラスメントへの対応に起因して教職員等が就労上又は修学上の不利益を受けることをいう。
(監督者の責務)
第3条 校長等管理監督者(以下「監督者」という。)は、次の各号に掲げる事項に注意してハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
(1) 教職員に対しこの要綱の周知徹底を図り、日常の指導等により、ハラスメントに関して教職員への注意を喚起し、ハラスメントに関する認識を深めさせること。
(2) 教職員の言動に十分な注意を払うことにより、ハラスメント又はハラスメントに起因する問題が職場に生じることがないよう配慮すること。
(3) ハラスメントに対する苦情の申出、当該苦情等に係る調査への協力その他ハラスメントに対する教職員の対応に起因して、当該教職員が職場において不利益を受けることがないよう配慮すること。
(教職員の責務)
第4条 教職員は、次の各号に掲げる事項に留意し、ハラスメントをしてはならない。
(1) ハラスメントをしないようにするために教職員が認識すべき事項 次の事項
ア ハラスメントは、人によって受け止め方が異なるので、次の事項の認識を深め、受け止める相手の立場に立って判断すること。
(ア) セクシュアル・ハラスメントにあっては、性に関する言動の受け止め方には個人間やその人物の立場等で差があり、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要となること。
(イ) パワー・ハラスメントにあっては、指導のつもりであったとしても、適正なレベルを超えると相手を傷つけてしまう場合があること。また、その適正なレベルは教職員等一人一人異なるので、相手の立場に立った言動をとること。
(ウ) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントにあっては、妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動や妊娠、出産、育児又は介護に関する制度を利用したこと等により周囲の教職員の業務負担が増大することも、ハラスメントの原因や背景となること。また、当該制度を利用する教職員も、周囲の教職員との円滑なコミュニケーションを図りながら適切に業務を遂行していくという意識を持つこと。
イ 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
ウ ハラスメントであるか否かについて、職務上の地位や人間関係を考え、拒否することができないなど、相手からいつも明確な意思表示(拒否や抗議等)があるとは限らないこと。
エ 勤務時間外又は職場外におけるハラスメントについても十分注意する必要があること。
オ 全ての教育活動を通じて、児童生徒の人権を尊重した教育の在り方を意識し、一人一人を生かす教育環境づくりに努めること。
(2) 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために教職員が認識すべき事項 次の事項
ア ハラスメントについて問題提起する教職員等をいわゆるトラブルメーカーと見たり、ハラスメントに起因する問題を当事者間の個人的な問題として片づけないこと。
イ ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。また、被害を受けていることを見聞きした場合は、声をかけて相談に乗ること。
ウ 職場においてハラスメントがある場合は、同じ職場に働く者として、気持ちよく就労や修学ができる環境づくりをするために、校長等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。
エ 児童生徒が被害を受けていることを見聞きした場合は、校長等に報告するとともに、すぐに声をかけて相談に乗るなど、細心の注意を払いながら解決を図ること。
(3) ハラスメントに起因する問題が生じた場合において教職員に望まれる事項 次の事項
ア 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないことを認識すること。
イ ハラスメントをなくすことは良好な勤務環境の形成に重要であるとの考えに立ち、嫌なことは相手に対し明確に意思表示したり、信頼できる人に相談したりするなど、ハラスメントに対する行動をためらわないこと。
(研修の実施)
第5条 学校教育課長及び校長は、必要に応じ次の各号に掲げる研修を実施するよう努めなければならない。
(1) ハラスメントの防止等に向けた、教職員の意識の啓発及び知識の向上を図るために必要な研修
(2) 新たに教職員となった者に対してハラスメントに関する基本的な事項について理解させるための必要な研修
(3) 新たに監督者となった教職員に対してハラスメントの防止等に関し求められる役割及び技能について理解させるために必要な研修
(苦情相談への対応)
第6条 ハラスメントに関する苦情の申出及び相談(以下「苦情相談」という。)が教職員等からなされた場合に対応するため、各学校に苦情相談を受ける職員(以下「相談員」という。)を配置する。
2 学校内での苦情相談が困難な場合に対応するため、学校教育課に相談員を配置する。
3 相談員は、各学校においては校長が選任し、学校教育課においては学校教育課長が指名する。
(相談員の責務)
第7条 相談員は、苦情相談に係る問題の事実関係の確認及び当該苦情相談に係る当事者に対する指導・助言等により、当該問題を適切かつ迅速に解決するよう努めなければならない。この場合において、相談員は、苦情相談への対応について別に定める指針に十分留意しなければならない。
2 相談員は、苦情相談への対応に当たっては、関係者のプライバシー、名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
3 各学校の相談員が苦情相談を受けた場合は、校長に報告するものとし、学校教育課の相談員が苦情相談を受けた場合は、学校教育課長に報告するものとする。
(不利益取扱いの禁止)
第8条 監督者その他の教職員は、ハラスメントに対する苦情の申出、当該苦情に係る調査への協力その他ハラスメントに関して正当な対応をした教職員等に対し、そのことをもって不利益な取扱いをしてはならない。
附則
この要綱は、令和4年4月1日から施行する。